四国山岳紀行 No363-071125 五在所山 (ございしょやま) 976m △(無)
                              高知県越知町 地図 思地(南西)  山岳紀行トップへ



         越知橋付近から五在所山                    アクセス道入り口の鎌井田

この五在所山は高知県越知町の桑藪(くやぶ)地区から、整備された登山道(参道)が頂上の神社まで上がっており、平家伝説に纏わる安徳天皇所縁の山である。頂上の神社には天皇の妹姫が祀られている。11月下旬、紅葉と歴史のロマンを求めてこの山を訪れてみた。


           鎌井田にある案内板                      登山口の桑藪車道終点

R194 から県道 R8(伊野仁淀線)に入って、鎌井田大橋手前から町道を仁淀川沿いに進み沈下橋を左に見ると、鎌井田地区に着く。集落の中ほどの道沿いに桑藪、五在所山への道標が有り、桑藪へのアクセス道へ入って行く。道は狭く、対向車を交わす場所があまり無いので注意。


                     車道終点にある登山口から登り始める

鎌井田から曲がりくねった道を途中、黒石小学校への分岐を見てさらに谷を渡り、高度を上げていくと集落が見えてくるが、小さな集落を三つほど過ぎて一番上の奥の集落が桑藪である。桐峠集落への分岐を右にとって高度を上げていくと桑藪の集落に着く。車道の終点が登山口となっている。


          10分ほどで最初の鳥居                      広い登山道に変わる

住めば都というが、よくもこのような山奥に集落が有るのには感心した。車のない昔から営まれてきた山村の生活はすべて自給自足で不便だったと思うが、恵まれた平地での生活をしてきた私たちの思いすごしかもしれない。山村は廃村になっている所が多いが、ここは今も生活の匂いが濃く残っているようである。


                       気持のよい自然林の中を行く

登山口のある車道の終点は車の回転場で駐禁となっているので、少し手前の邪魔にならない道沿いに停めて置いて、身支度を整えて登山道に入って行く。ジグザグの急な登りであるが、よく整備されているので歩きよい。歩き始めて10分足らずで、小さな祠のある立派な石の鳥居の側を通って進んで行く。


                        美しく色づいた紅葉が多い

周辺は自然林がよく残されていて、見事な赤松や檜、水楢などの大木が目立ってくるようになる。754m 地点まではかなり急登が続くが、そこからは暫くゆったりとした幅の広い道に変わる。今は盛りと、紅いも黄いも照山紅葉、柔らかい晩秋の斜光に映えて、うっとりとするような美しさの中を行く。


         右へ相撲場への分岐点                      お帰りコース分岐の鳥居

歩き始めて50 分、相撲場への分岐点を通過。さらに10 分近く進むと、お帰りコースとの分岐点に着く。帰りはこちらを下るとして頂上を目指す。すぐ上には木の鳥居があって、ここからはアセビのトンネルのようになった平たんな道を進んで行く。50m ほど進むと視界が開けて南西方面の山々が眺望できる。


                    アセビのトンネルを抜けると視界が開ける

頂上が近ずいたのだろうか、眺望もつかの間に原生林の中の急登に変わる。見事なカヤやタブの大木が天高く覆い、欝蒼と茂る中を登って行くようになる。前方に石段と鳥居が見えてくると、山頂の五在所神社に着く。山頂の社にしては立派な構えの社殿。昭和十年九月建設、寄付者名、総工費八百五拾円、桑藪部落と刻まれた古い石碑が立つ。


                      頂上直下の登りと朽ちた大木

山頂の見晴らし台への指標に従い、神社裏手の雰囲気の良い林の中を進んで行くと、前方が開けて山名板の立つ見晴らし台に着いた。眼下に小川柳野辺りの集落が見えている。背後には続く山並みの奥に県境の山々が尾根を連ねており、雨ケ森と手箱山の間に尖った石鎚山が頭を覗かせている。


                        山頂にある五在所神社

切れ落ちた山頂の見晴らし台の崖には、もうすっかり葉を落して来春の蕾の芽をいっぱいに着けたツツジが群生している。素晴らしい眺望を後に下山に移る。下りはお帰りコースと記された道を辿ることにした。こちらは少し足元に枯草が絡む箇所が有るが、勾配が緩いので歩きよい道が続く。


                      山頂から小川柳野集落が眼下に

分岐から5 分ほどで相撲場跡に着いた。平らになったコルの相撲場跡は一面にススキが茂って、辛うじて盛り上がった所が土俵場と思われる。かっては旧暦の9月1日の祭りに奉納相撲が行われて、賑わったそうだが、今はその昔影を偲ぶに過ぎない場所となっていた。


          山頂から雨ケ森方面                        奥に石鎚山の尖峰

ススキを搔き分けて相撲場のコルを抜けると、道は少し登りとなって暫く歩きよい尾根道が続く。こちらの道筋にも赤松や紅葉したモミジが多く有って退屈しない。道が少し下りにかかる頃、目印の赤テープが掲げられていて、林の中へ踏み跡が続いており、879.6m の三角点へ向かっているのだろうか。


                       お帰りコースも紅葉が多い

少し枯草の絡む林の中の道を下って行くと十田峠に着いた。ここは十字路になっていて、登山口の指標に従い右に下って行く。人工林の中のガレの多い急な下りの後、開けた棚田の広がる場所に下りてきた。棚田は廃園となっているようで、草が茂り荒れかけているが、のどかな日本の田園風景が広がっている。


         ススキに覆われた土俵場                     人工林のコルの十田峠

昨今どこへいってもそうだが、若者は去って後継者の居なくなった山村風景に一抹の寂しさが漂う。一軒の廃家の脇に赤く色付き、たわわに実った柿の木、放置されて錆びれた耕運機がそんな風景にアクセントを添えている。気持のよい田園の小道には、まだリンドウやハナラッキョウや野菊などが、小春日和の柔らかい日差しを受けて可憐に咲いているのが目に留まる。


                    山頂から見た北側の眺望 左端奥に石鎚山

そんなのどかな風景から植林地の中の沢を過ぎると、突然登山口から少し下がった桑藪の集落に出た。車道を100mほど戻って車の置いてある登山口に帰り着く。少し登りはきつかったが、水平道も有るゆったりとした登山道と、原生林の中の森林浴と紅葉に癒された山であった。


《コースタイム》 伊野インター 1 時間(車)→桑藪登山口 50分→相撲場への分岐 10分→
          帰りコース分岐 30分→頂上 20分→帰りコース分岐 5分→相撲場 15分→
          十田峠 30分→桑藪登山口   歩行時間 約 2 時間40分 難易度 ★★★ 
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