四国山岳紀行 No357-070503 井野川山 (いのかわやま) 1342m △3(井川山)
                             高知県大川村 地図 土佐小松(北西)  山岳紀行トップへ



         県道6号からの井野川山                     頂上付近のアケボノツツジ

井野川山は大座礼山の南東、約2.5k の位置にあって、あまり登られていない奥深い山である。かっては植林開拓時代には、この山域はかなり頂上近くまで植林されたが、現在は不便さと後継者不足とあいまって、放置されたままになっている所が多く、現在はその踏み跡を辿って行くのも困難となっている。

吉野川の支流、大北川を辿って行くと、右岸最終の大北川集落に向かう道が、県道から分かれて左へ折り返している。その細い車道に入ってまもなく斜面に点在する数軒の集落を抜け、最終の建物を過ぎ100m ほど進むと、セメント舗装の折り返している細い林道に入っていく。シイタケ栽培の原木を横目に見ながら、道は大きく折り返して、次の折り返し点で舗装は切れる。


                          林道終点が登山口

ここは少し広場になっているので、2-3 台の駐車ができる。ここからはダート道で車は殆ど入っていないらしく、荒れているので歩き始める。2 回折り返すと背の高い雑草や雑木の生える林道終点に着いた。ここからは沢に沿って左岸を雑草の絡む細い道がしばらく続く。この道は上部の植林帯に向かう木こり道だろう。何年も人が入ったことがないのか随分と荒れている。


                   沢沿いに咲くタチツボスミレとマルバコンロンソウ

足元に注意しながらひたすら進んで行くと、石がごろごろした広い沢に出た。沢は上に続いているが、ここで道が切れている。ここから上の方は人工林となっているので、必ず道は有るはずだと判断しながら、沢の周辺を模索していると、左岸に踏み跡が折り返して登っているので、進んでいくと尾根肩を越えて次の谷側を行くようになる。


                     人工林と自然林の中を交互に登って行く

薄くなる人工林の中の踏み跡を登っていくと自然林に変わり、また人工林となる。前方に目印になるピークが左右に見え隠れするが、どちらかが井野川山と信じてひたすら高度を上げていくと、支尾根の稜線に出た。ここからは明瞭な踏み跡が続いている。足元にはアサマリンドウの若い芽が群生している中を急登していくと、踏み跡の分岐に出た。「ターニングポイント①」


                    新緑鮮やかなクロモジとツルシキミの花

真直ぐ上に向かっている踏み跡を信じて登って行ったが、木こり道なのか途中で行き止まりとなった。このまま人工林を進んで直登と考えたが、すぐ上は雑木林のブッシュで前途困難なようなので、先ほどの分岐まで戻ることにした。高度差にして150m 位下っただろうか、見覚えのある支尾根の稜線取り付き点まで下ってしまった。


                         人工林の中の登りが続く

途中で細い踏み跡の分岐点を見逃したらしい。また急登の登り返しで30分程の時間のロスである。再び分岐の踏み跡を見つけて、右に支尾根を避けてトラバースしている明確な道を進んで行くと広い沢に出た。「ターニングポイント②」 ここからは道は沢の中で切れて不明瞭となる。こんなときは対岸か少し上の方で、道が続いていることが多い。

再び付近を模索すると、対岸に折り返し続いている踏み跡が見つかり、左岸の沢沿いに人工林の中を進んで行くようになった。支尾根を超えて小さな沢を2つ程跨いで、踏み跡を頼りにトラバース気味に登って行く、自然林に変わって稜線に出た。右に近くピークが聳えている。とりあえず右に進んで行き、急登すると潅木と笹に覆われたピークに出た。


                     無名ピークのアケボノツツジと東側の眺望

このピークは三角点は無いので井野川山ではないようだ。所々に花数は少ないがアケボノツツジが咲いている。北に踏み跡が続いている。その向こうに高い双峰のピークが存在感を見せている。地形図に出ている1500m の小座礼山だろう。その左奥には丸い峰の大座礼山が肩を覗かせている。東方には東光森山とそれに連なる山並みが聳えている。

振り返ると南にどっしりとしたピークが目に飛び込んできた。位置から判断するとあれが井野川山だろう。おにぎりを一つほおばり水分補給、少し休んで目指す井野川山のピークに向かう。手前右側に少し張り出した平らなピークがあるので、通過点と思って登ってみたが少し方向がずれていたので、引き返して登ってきたコルに戻る。


                       笹を搔き分けながら山頂を目指す

道は無いので笹の中の獣道を進んでいくと、広さ30㎡程の池が有って獣達のヌタ場になっているのか、所々に練り返した跡が残っている。そこを過ぎると獣道も無くなって、笹と潅木を掻き分けながら、いよいよ井野川山のピークへの登りとなる。数は少ないがアケボノツツジがちらほら咲いている。今年は裏年か花数が控えめである。


                     一面に花をつけた山頂近くのアケボノツツジ

しかし例外もあるのか頂上手前に一本賑やかに花をつけた大きなアケボノツツジが青空に見事なコントラストを見せている。さらに深くなった笹を漕いで行くと頂上に着いた。三等三角点、木の枝にキティ山岳会のアクリルの山名板が掲げられていた。眺望は無いので早々に下山する。南に明瞭な踏み跡があるので、帰りはこちらを辿って行くことにした。

明瞭な踏み跡は次のピークとのコルで消えてしまった。木にリボンの目印が有ったので、ここから東に人工林の中を下って行くことと判断した。広い人工林の中を消えかかる踏み跡を見つけながら、どんどん下っていく。獣のヌタ場などに出会いながら相当人工林の中を下っただろうか、広い人工林は支尾根に変わってだんだんと踏み跡は明瞭になってきた。



                     山頂は灌木が茂り見通しが利かない

尾根は細くなったので尾根端から左に人工林の中を急降下していくと広い沢に出た。ここで踏み跡は見つからなくなったので、沢を少し下っていくと往きの「ターニングポイント②」地点に着いた。沢を跨いで明確な踏み跡が続いている。右側に取り付いて見覚えのある崩壊しかけた踏み跡の道を過ぎて、歩きよい道をトラバースしていくと、「ターニングポイント①」の分岐に出た。

ここから少し下った右下に往きには気がつかなかったが、大きな廃小屋が有るのが見えた。後は往路を下っていくのだが、広い人工林の中の踏み跡は消えている所が多いので、地形判断しながら沢を巻いたり下ったりして、林道終点まで無事に帰り着いた。登山道の無い道なき山に挑むことは、不安や障害が多いが、自己判断力がまた一つ身に着いた山行であった。


                      よく見かける山名板と三等三角点

この山は大座礼山の南に延びる稜線上にあって、山名は西麓の井野川の地名からきている。マイナーな山なので正式な登山道は無いが、大北川集落から延びる林道を経由して、山頂近くまで続く人工林の中を直登して行くか、大座礼山と1511m 峰とのコルの井野川越えから、連なる稜線上を縦走して行くルートが考えられる。いずれも明確な道は無いので自己判断力で登るしかない。


《コースタイム》 大北川集落 10分(車)→林道終点登山口 3 時間→稜線コル10分→
          北側ピーク→ 15分→平らなピーク 30分→頂上 2 時間30分→林道終点登山口
          歩行時間 約 6 時間30分 難易度 ★★★★

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