四国山岳紀行 No355-061012 石鎚山 (いしづちさん) 1982m △3(石鎚山)
                      愛媛県西条市/久万高原町 地図 石鎚山(南東)  山岳紀行トップへ

          瓶ヶ森林道から石鎚山                       弥山から見た天狗岳

NHK日本の名峰人気投票第四位に選ばれた、我が郷土に位置する石鎚山1982m は、愛媛県西条市と久万高原町の境にあり、西日本最高峰のどっしりとした山容で聳えている。古来より信仰の霊山として、富士、御岳、大峰、立山、大山、釈迦岳と共に七霊山の一つに数えられ、慶雲元年(704) 役小角(えんのおづぬ)の開山以来、信仰の伝統は絶えることなく現在も生き続けている。


          堂々と聳える石鎚山                        国民宿舎下の駐車場

登山道の代表的なものは山開きの使用道となる、昭和42年に架けられたロープウェイ終点の成就からの表参道からと、同45年に開通した石鎚スカイラインの通じる土小屋からの裏参道からである。今回はは土小屋登山口から石鎚山頂に向かい、東稜コースを下って来る計画である。


          瓶ヶ森林道と瓶ヶ森                         登山道からの石鎚山

すっかり明るくなった6時前に家を出発、西条インターから加茂川沿いのR194を南下して、新寒風山トンネルを通過。南側から旧寒風山トンネル南口を目指して、瓶ヶ森林道を経て土小屋に8時過ぎに着く。すでに駐車場は平日といえど満杯状態で、この山の人気ぶりが伺える。国民宿舎下の駐車場に車を置いて、8時40分歩き始める。


          土小屋からの登山道                         東稜分岐の休憩所

9時35分東稜分岐を通過、辺りのカエデは薄く色付き始めて、既に紅葉しているのも有って目を楽しませてくれる。トラバース道から見上げる矢筈岩や北壁の紅葉が素晴らしい。10時ちょうど表参道合流点の鳥居に着く。谷を隔てて瓶ヶ森が、なだらかな山容で聳えているのが印象的だ。


        登山道から矢筈岩と南尖峰                     色付いた登山道脇のカエデ  

二の鎖小屋の休憩所でこれからの急登に備えて5分程休憩する。鎖はパスして新しくなった鉄の階段を一歩一歩登って行く。この辺りはいちばんシンドイ正念場であるが、周囲の紅葉や素晴らしい景観が慰めてくれる。10時45分弥山頂上に到着する。


           登山道から瓶ヶ森                         鳥居から仰ぐ北壁

前週末ほどの混雑はなく、各グループが腰を下ろして弁当を広げたり、写真を撮ったりして余裕がある。それでも多くの人が居るこの山頂はテレビの影響だろうか、この人気ぶりである。頂上付近の紅葉は少し盛りを過ぎているとはいえ、まだまだ健在で燃えるような紅葉は充分に目を楽しませてくれる。


                         弥山から見た天狗岳

少し写真を撮って天狗岳に向かう稜線も、真赤に紅葉したドウダンツツジやナナカマドなどが青空の下、山岳美に映えて美しいコントラストを醸し出している。東には瓶ヶ森、西には二ノ森の山塊が存在感をみせている。北側はスパッと切れ落ちて樹海が御塔谷を覆い、目眩みするほどの高度感がある。


           稜線からの二ノ森                         天狗岳稜線の紅葉

南側は樹木が有ってさほど危険度は感じられない。高知県側の山並が波打って太平洋まで続いている。天狗岳頂上は狭く、数人が祠の側に立てる程度で有るが、西日本最高点であるだけに大展望が開け、いつ来ても感慨深い。成就からの表参道が山並を越えて眼下に見え、西条市街の向こうに燧灘が広がる。


           稜線から見た弥山                         東から天狗岳頂上

天狗岳を後に南尖峰に向かう。頂上の静かな岩場で弁当を食べながら雄大な眺望を楽しむ。正午、墓場尾根の撮影ポイントまで、岩や木々を掴みながら急勾配を慎重に下って行く。大砲岩が頭上になってくると、墓場尾根の柱状岩塊が自然の造形とは思えないほど、見事な紅葉を従えて眼前に現れた。


         紅葉に染まる墓場尾根                        堂々と聳える二ノ森

思わずオッーと歓声を上げる。赤、黄と鮮やかな紅葉の背景に聳え立つ岩塊、その遥か下には樹海に埋った北沢が、ご来光の滝の名瀑を架けて面河谷へと続いている。雄大な風景を後に、後ろ髪を引かれる想いで稜線まで引き返す。ここから東稜コースの下りである。


                       南尖峰から見た東稜コース

石鎚山東端の岩場に立ち、眼下に見下ろす東稜コース。緑の中に赤、黄、そして所々に白骨樹が点在して変化に富んだ風景が眼下に広がっている。それは季節や見る時間により、錦絵の世界になったり、山水画のようにもなる。懐深い石鎚の風景に憧れ、その魅力に惹かれて再会を誓うのは人情だろうか。


                        東稜コース最初の岩場

東稜コースは登りよりも下りの方が技術を要する。慣れた者にはなんでもないが、初心者は戸惑う箇所が数ヵ所有るので、最初は経験者にサポートして貰うと良いだろう。下り最初の3m.程の岩場の身体の支持点と、次の蟹の横這いと言われる、痩せ尾根の通過点が最大の難所である。


                       蟹の横這いと称する痩せ尾根

必ず先行者の残した踏跡を確認しながら進んで行くようにしたい。蟹の横這いを過ぎると小高い小ピークに着く。ここから振り返ると南尖峰のダイナミックな岩峰が頭上高く聳えており、あんな所をよう下ってきたと思うと感量深い。小ピークの手前から踏跡が三箇所に分かれているが左端を下って行く事。間違っても右に進んではならない。


          東に岩黒山と筒上山                        痩尾根からの南尖峰

また段差の激しい岩場や踏跡が有るが、適当に木の枝や岩角を支持点に使って、注意深く下って行くとよい。倒木、笹漕ぎなども有るが、最近多くの人がこのコースを利用するようになったので、比較的踏跡のトレースが確りして、半登山道化してきているので、注意深く進めば迷うことはないと思う。


          遠ざかる南尖峰と峰々                       東稜コースの白骨林

矢筈岩が眼前に近ずいて来ると、笹滝と称する笹の急傾斜を下るようになるが、笹を掴んで滑らないように慎重に下って行く。笹滝を下りきった所が矢筈岩のコルになっており、コルの間から成就辺りが見えている。矢筈岩からは笹の中を少し下って、尾根筋を巻いたり進んだりしながら行くと、2mあまりの一枚岩に直面する。


                        矢筈岩付近の笹滝を下る

巻き道が無いのでこの岩を越えなければ先に進めない。足掛かりが無いこの岩を滑らないように乗り越えて行く緊張する場所だ。少し進むと踏跡の分岐が有るが、谷側に下らずに稜線コースを進む事。後は確りした踏跡を進んで高度が下がり、自然林が爽やかくなって下の方から、楽ちんコースを行くハイカーの話し声が聞こえてくると、丸太のベンチのある土小屋コースに下り立つ。


                       遠のいて行く南尖峰と紅葉

南尖峰からここまで1時間30分のコースである。ここで10分程休憩、一息入れて、今までの緊張を拭って楽ちんコースを下って行く。駐車場に着いたのが15時20分。駐車場出発15時40分。瓶ヶ森林道から斜陽を受けて錦絵に輝く瓶ヶ森、伊予富士などを仰ぎながら、旧寒風山トンネル南口に16時30分に着く。


                        登山道沿いに咲くリンドウ

トンネルを抜けて通行止めが解除された旧国道を西条側に下って行く。新寒風山トンネル入口分岐に16時50分に下り立つ。高速道経由で家に帰り着いたのが17時50分、車の走行距離は往復204キロであった。石鎚山今年も素晴らしい紅葉をありがとう。


《コースタイム》 西条インター1時間 30分(車)→国民宿舎登山口 55分→東稜分岐 30分→
          二の鎖小屋 35分→弥山頂上 25分→天狗岳頂上 10分→南尖峰 20分→
          墓場尾根展望点 20分→南尖峰から東稜コース 1時間30分→東稜分岐 50分→
          国民宿舎登山口  歩行時間 約5時間30分 難易度1A345 東稜コースC

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