四国山岳紀行 No346-060409 焼山寺山(しょうさんじさん) 938m .△無
                             徳島県神山町 地図 阿波寄井(北西)  山岳紀行トップヘ


          林相豊かな焼山寺山                        八合目にある焼山寺

正善山の頂から東を眺めると、頂上の尖った高い山が二つ見えている。手前が東宮山で、その奥に見えるのが焼山寺山である。この山の八合目には四国八十八札所の焼山寺があり、古来より霊山として崇められて来た。開基は修験道の開祖役小角といわれ、小角が焼山寺山を道場として拓き、頂上に蔵王権現を祀ったことに始まるという。


                     焼山寺へのルートには枝垂桜が多い

のちに弘法大師が訪れた時、焼山寺山の台地に大蛇がいて、火を吐いて山を焼くなど村人を困らせていることを開いて、水輪の印を結んで退治に出かけた。襲いかかる大蛇を虚空蔵菩薩の加護を得て退治、岩に閉じ込め三面大黒天を祀り、前に虚空蔵菩薩像を安置したという。山号はこの縁起に由来するらしい。

登山口にあたる焼山寺へはR438を神山町へ向かい、寄井から県道43号に入り、焼山寺へ向かうルートが一般的である。急な山の車道も最近かなり改善されており、より短時間で難所の焼山寺も車で楽に参拝できるようになった。急な車道を詰めると広い焼山寺の駐車場に着く。身支度を整えてここから境内までお遍路さんに混じって歩いて行く。


          巨杉の立ち並ぶ境内                        山頂奥の院への道標

10分程平坦な道を進むと山門の石段の下に着く。ここからは西側に目指す林相豊かな焼山寺山が、眼前に聳えているのが目に飛び込んでくる。石段を上がらずに寺の石垣の下を真直ぐ進んで行くと、突き当りが登山口であるが、先ず石段を上って山門を潜り、大杉の林立する下を本堂へと向かう。樹齢300年以上ともいわれる天高くそそり立つ大杉に圧倒させられる。


                        登山道脇に有る杉の大木

正面には本堂や大師堂が焼山寺山を背景に荘厳と建っている。参拝を済ませて左手の坂道を下って進んで行くと、倉庫の前には奥の院へ1100mの道標が有って、ここから山道へと入って行くようになる。広くゆったりとした登山道の脇には、樹木の名前が記された名札が随所に設けられ、樹木の名前を覚えながら単調な登りも退屈しない。特に杉とアカガシの大木が目を引く。


                      弘法大師が大蛇を封じ込めた大岩

三抱えもあるような杉の巨木に圧倒されながら進んで行くと、弘法大師が大蛇を封じ込めたといわれる断崖の岩場が現れる。よく見ると自然の切り取ったような四角い大岩が、この断崖を正面から蓋をしているように見える。前には虚空蔵菩薩が祀られている。大岩からは道はコルを越えて、西側に回りこんで折り返して高度を上げながら再び東側に出て、原生林の中を真直ぐ進んで行く。


          倒木を越えると稜線に                       アカガシの大木原生林

大きなモミの倒木が道を塞いでいる横を巻いてよじ登ると稜線に出た。ここには南へ竜王窟1000m、北へ奥の院300mの道標がある。稜線道を奥の院が有る山頂へと向かう。奥の院の小さな大師堂の前を過ぎると痩せ尾根に変わり、稜線を詰めると蔵王権現の社の建つ小高い山頂に着いた。西に剣山辺りの山並が霞み、眼下には神山町の家並みとR398が見えている。北側と南側は樹木に遮られて眺望は無い。


          頂上には蔵王権現社                        側に山頂標識がある

連れを境内に待たせているので早々に往路を下山して行った。焼山寺は古くから修験道の修行地としても名高い山岳寺院で、「阿波国太龍寺縁起」には、弘法大師の修行地として記されており、中世には武士や庶民の信仰も集め、足利尊氏は鎮西下向の折にこの寺を祈願所とした。一時は戦国の戦乱に巻き込まれが、江戸期には藩主蜂須賀家の帰依を受けて発展したとある。

〈コースタイム〉 焼山寺 20分→大岩 10分→稜線 10分→:頂上 30分→焼山寺
          登山道  整備されている  歩行時間 約 1時間10分 難易度 1A345 
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