四国山岳紀行 340-060308 三ッ足山(みつあしやま) 1105m △4(三ッ足)
                        愛媛県四国中央市  地図 佐々連尾山(北東)  山岳紀行トップヘ


         三傍示山からの三ッ足山                      白木山からの三ッ足山

三県境の三傍示山の頂に立って西を見ると、脊梁山脈のカガマシ山の北側に、谷を隔てて大きくピラミダルな三角錐で聳えている山が見える。一度は登ってみなければと思っていたが、マイナーな山なのか殆んど資料が無く、奥深い膨大な山容の山なので、地形図と感を頼りに東からアタックしてみることにした。


                      橋の向こうに見える植林帯を登る

新宮インターから県道5号線を南下していくと、「ブナの活き水」 という小公園を過ぎた辺りに、林道に向かう谷に架かるコンクリートの立派な橋がある。登山口はこの橋を渡って林道を回りこんで行くとすぐ材木置き場の跡がある。ここから植林の中へと登って行くようになる。7~80年生と思われる立派な植林の中をじぐざぐに折り返しながら1時間程で自然林に変わると尾根肩に出る。


         植林帯の中の登りが続く                      樹間から奥に見える頂上

ここからは下生えの無い快適な尾根道を暫らく進んで行くようになる。シャクナゲ、ヒカゲツツジ、アセビがふっくらと蕾をつけていて花時には素晴らいだろう。視界が開けてこれから目指す三ッ足山の頂が前衛のピークの奥に聳えている。まだ随分遠いなあと思いながら歩を進めていく。赤松やツガの下にシャクナゲの尾根道が暫らく続く。


          稜線に出ると自然林                        蕾を付けたシャクナゲ

やがて快適な尾根道は終わり、分岐してすぐ下にある南側の沢に下っているが、まっすぐ進んで次の尾根に登って行くようになる。ここからは権木の下刈りの中の急坂の尾根を辿っていくようになる。振り返ると視界が開けて東に塩塚峰から剣ノ山、三傍示山などの山並が、谷底には高知自動車道が見えている。粗く刈られた稜線の踏跡を倒れた木々を跨ぎながらの登りが続く。


                      アセビやしゃくなげの稜線を行く

どのくらい登っただろうか前方の権木が密になり前進不能となった。ここから道は右に少し下っていて、崖の手前から権木の粗い間を潜り抜けながら、道無き斜面を稜線目指して巻いて行くようになる。この辺りがコース取りが明確でなく手こずる所である。稜線を外さないように倒木と格闘しながら登って行くと、再び踏み跡の明確な稜線に出た。


        下に高知自動車道が見える                    土佐街道の通る稜線が眼前に

下のほうで新宮町の正午を告げるチャイムの音が聞こえてくる。ここまで登山口から2時間30分かかっている。それにしてもこの開けた眺望は素晴らしい。北は法皇山脈、眼下には笹ヶ峰から延びる土佐街道の通る長い尾根が下り付(おりつけ)へと延びている。奥に見えるのは新宮インターあたりか。背後には美しいスロープの塩塚峰が堂々と聳えている。雄大な眺望を眼前に白骨化した切り株に腰を下ろし少し休憩した。


          倒木を避けながらの登り                     前衛のピークが近ずいてくる

息を整えて前衛のピークに向けて出発する。三角錐のこんもりと木々の茂る前衛のピークが眼前に迫って来る。その右肩奥に目指す頂上らしきピークが見えているがまだかなり遠いようだ。倒木の多い細尾根を進んで踏み跡は少し北側に回りこみ、植林帯の境を上り返すと、平になった前衛のピークに着いた。ピークからは少し急降下して狭いコルに下りたつ。


                        稜線からの南東側の眺望

コルの南側は崖となって急峻に落ち込んでいる。ここからコースは真直ぐ登って行く稜線コースと、右に迂回していくコースに分かれる。稜線コースは植林帯と自然林の間を行く急登コース。道は無いので踏跡を見つけながらの登りはかなりハードであろう。迂回コースは右に進むとすぐ崩壊場所で道は消えており、その上を巻いて道に取り付く。


         頂上直下にある垂直の崖                      カールの美しい落葉自然林       

明確な道を植林帯の下を進んで行き、沢の崩壊場所を渡るとダケカンバなどの自然林に変わって、北側から派生してきた稜線との峠に着く。ここからいよいよ最後の登りにかかる。倒木などを避けながら道無き稜線を登っていくと崖に突き当たるが、右に進み広々としたカールの落葉した林の間の急坂を稜線目指して登って行く。それにしてもなんと美しい林だろうか、前方には大岩のそそり立つ断崖が迫って来る


                     崖の下に残る三ッ足鉱山跡の坑口

この大岩の断崖の下に大正時代に開坑していた三ッ足鉱山の坑跡があった。洞窟の入口には百年近く経った鉄の壊れた扉が無残にもその歴史を物語っていた。更にきついカールを登ってこの断崖の上に出ると植林帯に変わり、自然林との境を登っていくと広くなった稜線に出る。ヒノキやシャクナゲの間を西に向かって進んで行くと、視界が開けて南にカガマシ山辺りの県境の尾根が目に飛び込んできた。


         頂上の稜線にある三角点                       稜線からのカガマシ山

権木とススキの尾根を少し西に進むと三角点のある所に着いた。眺望は際立ってよく南から西にかけての山並が点呼できる。最高点は100m先のピークで有るが、薮っぽいのでここから引き返すことにした。ここからの稜線一帯は見通しは良いのだが、権木の間にススキが茂り、今は枯れて鹿などのほどよいヌタ場になっているようで、夏場はかなりの薮漕ぎとなろう。


          奥に野鹿池山や梶ヶ森                       南東面の大崩壊場所

帰りは稜線コースを下ることにした。カールの上の稜線まで下ると南東側は大崩壊していて、真直ぐ谷底に落ち込んでいる。大岩の横を巻いて木に掴まりながら自然林の中を急降下していく。植林帯と自然林の間を稜線を外さず下って行くと、見覚えのある前衛のピークとのコルに着いた。前衛のピークを上り返して、あとは長い稜線の往路を慎重に下っていった。

マイナーな山だけに地形と進路、薮漕ぎなど、標高は大した事はないが奥深い判断と慎重さが求められる山であった。

《コースタイム》 登山口 1時間20分→赤松の尾根 1時間→第一ピーク 2時間20分→頂上三角点→
          40分→第一ピーク 1時間→赤松の尾根 40分→登山口  歩行時間 約7時間 
          難易度 123④5
          駐車場/橋の手前広場に駐車 登山道/山頂までの尾根道は踏跡程度、藪漕ぎ有り
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