四国山岳紀行 No315-050515 津志嶽(つしだけ) 1493.5m △3(白井) 
                             徳島県つるぎ町 地図 阿波古見(南西)  山岳紀行トップヘ


       赤帽子山から津志嶽(右奥ピーク)                    登山口へのアクセス道入り口

津志嶽はつるぎ町一宇の白井の北に聳え、祖谷山系の盟主、矢筈山や黒笠山の山塊から東に派生するピークの一つで、尾根直下には連なる岩壁をかけており、険しそうな山容で聳えている。従って地形的に等高線が詰んでいて、黒笠山などと同じように体力と気力がよけいに必要とされる山である。この山に登れれば四国の山は大丈夫といわれるほどである。


                        道路沿いにある久薮登山口

最近ルート途中の尾根付近に群生するシャクナゲが脚光を浴びており、5月下旬の開花期には見学に訪れる登山者も多くなったと聞く。この山へのアプローチは一宇の久薮(ひさやぶ)からのルートが一般的である。貞光から国道438号線を南下すると、つるぎ町一宇支所を過ぎて剣山方面へ、2キロあまりで右手に大きな赤い鳥居が表れる。鳥居を潜って登山口のある久薮までアクセス道が延びている。


                    茶畑などの横を通って上の集落へと道は続く

久薮の集落をじぐざぐに登っていくと石鉄神社の鳥居が見えてくる。少し先の駐車場手前に登山口の標識がある。急な植林の中を抜けて茶畑やぜんまい畑の中を登っていくと、久薮の奥の集落に出る。ここも猪の被害から守るために畑には囲いがされている。囲いに沿って民家の横を通って目印を追って進んで行く。集落を過ぎると道は水平道となり、道沿いに運搬用のモノレールが石鉄神社まで延々と続いている。


         モノレールに沿って道は続く                     途中にある阿波狸の祠

水平道の途中に阿波狸発祥の地と書かれた祠の中に、三匹の石造りの可愛い狸が鎮座している。そこを過ぎると水場があってコッブが置かれている。谷を渡って急坂を登りつめると石鉄神社に着く。神社にはシャクナゲやツツジが満開となっており、珍しいキバナレンゲツツジも咲いていた。神社には珍しく小さな鐘楼もある。石鉄神社は伊予の石鎚神社を勧請して祀られている。


           ツツジの咲く石鉄神社                       道脇に咲くユキモチソウ

石鉄神社の前から植林帯の中へと入って行く。最初、石垣が所々に見られるが昔の集落の跡地だろうか。立派な人工林の中を登山道は続いている。この時節、ユキモチソウやラショウモンカヅラの花が目にとまる。人工林の中の登山道は間もなく小さな沢沿いに登って行くようになる。単調なきつい登りであるが、チョロチョロという水音が幾分気安めになる。


                    植林帯を登りつめて稜線に出ると道標がある

水音が聞こえなくなり、勾配が更にきつくなってうんざりする頃、所々に自然林が見えてくると稜線は近い。それでも人工林は稜線まで続く。急な山によくもこれだけ植林したものだと感心しながら稜線に登りつく。出た所に道標があり、稜線道も確かりしていて、右へ向かえば秋葉山1110mのピークへ、津志嶽へは左にコースをとる。自然林の中の快適な稜線道を鳥居をくぐると、間もなく津志嶽神社の前堂に着く。


                      津志神社を過ぎて岩場を越えていく

神社の前はちょっとした広場になっており、ここにも「お夏たぬきの霊」の狸の祠があって三匹の可愛い狸の石像が安置されている。神社の横から更に緑溢れる小鳥のさえずりが響く快適な稜線道を進んで行くと、前方にちょっとした岩場が現れる。岩場にはロープがかけられているがあまり当てにしないほうがよい。岩場を越えると道はしだいに急になっていく。大きな岩場を右に迂回しながら転石の間を登りつめると送電線巡視路の分岐に着く。


                        送電保線路分岐にある道標

道標に従い左へ登って行くと、よく整備された送電鉄塔の下に出る。ここからまた急な登りの後、尾根肩を巻いて道は下り気味に行くと沢に突き当たる。標高は高いが原生林が発達しているせいか、沢には水が流れている。沢を跨ぐと再び主尾根への急な登りとなる。大きな倒木などを跨ぎながら主尾根に出るとシャクナゲが目立ってくる。時期が早いのかまだ蕾が固いが、それでも所々にほころびかけた赤い花弁が目に付く。


                    稜線に出るとシャクナゲとミツバツツジが咲く

二組の下りのパーティに出会ったが、シャクナゲの花はまだ少し早いらしい。それでも花を咲かせている株があった。稜線付近は今は盛りとコバノミツバツツジが満開で目を楽しませてくれる。シャクナゲの茂る場所を過ぎて、登っていくとヘリポート跡に着く。開けた整地された跡に権木が生えて自然に帰っているが、それとわかる場所である。更に小さなピークを越えて稜線道が続く。


                      頂上近くの尾根筋には古木が多い

大きなブナの下を通って登るに従い大きな木が目立ってくる。風当たりの強いやせ尾根では台風でモミの大木が根こそぎ、なぎ倒されて地盤が露出している箇所を通過する。それにしても自然の猛威の凄まじさに溜息をつく。幾つかの岩場を越えながらの長い稜線歩きにそろそろうんざりする頃、前方が明るく開けて来ると周囲の林が駆り払われた頂上に着く。


          山頂から黒笠山が見える                      周囲が伐採された山頂

欝蒼と森林に囲まれていた頂上付近の木々は伐採されて、すっかり明るい見通しのよい頂上に変わっている。東西に細長い頂上は南北に眺望が開けて、南には剣山塊と右に近く黒笠山が見えている。北側は阿讃山脈まで見えているが、いまいちの眺望である。それにしてもずっと林の稜線を歩いてきたので、この開放感の明るい頂上は素晴らしく感じられた。弁当を食べてまた長い往路を下って行った。


《コースタイム》 美馬インター 40分(車)→アクセス道入り口 10分(車)→久薮登山口 40分→石鉄神社
          石鉄神社 1時間→稜線 10分→津志神社 30分→送電塔 30分→稜線分岐 30分→
          ヘリポート跡 20分→小ピーク 30分→頂上 3時間→久薮登山口 
          歩行時間 約 6時間30分 登山道 よく踏まれている 
          駐車場 登山口にあり  難易度 123C5
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