四国山岳紀行 No304-050416 世田山(せだやま) 339m △図等 
                          愛媛県今治市/西条市 地図 壬生川(北西)  山岳紀行トップヘ


          西側から見た世田山                        眼下に道前平野と海岸線

高縄半島の燧灘に面した山塊は地形的にも見晴らしが良く、世田山から笠松山にかけては、その高さ位置からにして、海、里、山など、どちらを眺めても眺望が素晴らしく、古代から戦略上の要地として歴史を携えてきた山である。世田山はよく「伊予の剣」と言われる。世田山城が落ちると伊予の国は亡ぶといわれ、伊予の国府、最後の砦が世田山城であった。頂上にある世田山城址など、そんな戦国時代を浮沈してきた歴史が色濃く残っている山である。


                         登山口にあたる栴檀寺

東の登山口にある栴檀寺(せんだんじ)は「世田薬師」として多くの人々に親しまれてきた。山頂直下八合目に奥の院薬師堂があり、ここを経由して山頂に至る。東予市誌によると、神亀元年(724)行基四国順錫の折、山上に薬師如来のご来迎を拝し、その姿を刻み寺を開く。とある。「栴檀は双葉より芳し」という栴檀の一木に刻んだことから栴檀寺の名がついたという。近年は厄除け、病気平癒、健康、合格、良縁祈願等で賑わっている。


                         境内を抜けて遊歩道を行く

小松-しまなみ道を湯浦インターで下り、国道196号を西条市方面に向かう。約2キロ先で今治市孫兵作から県道東予−今治線に入り800mほど進むと、道路の右側に栴檀寺があり、駐車場と案内板がある。境内に入って右手の遊歩道を進んで行く。この季節、椿や枝垂桜が目を引く。道は境内から離れて右に桜公園を見て、ミカン畑、竹林を過ぎて山道へと入って行く。コバノミツバツツジが所々に彩を添えて目を楽しませてくれる。


                      ミツバツツジやスミレの花が咲き零れる

道はじぐざぐを繰り返しながら高度を稼ぐほどに、眼下に道前平野や海岸線が開けてくる。要所にはベンチが設けられて腰を下ろせるようになっている。ツツジを見ながら一組のご夫婦が休憩していた。登山口から600mほどで舟曳地蔵尊と地藏さんの佇むうぐいす谷に着く。平に整地されて石を切り出して何やら工事がされていた。谷を跨いで道はなおも急登して行く。山椿の花がたくさんこぼれ落ちている。道は大きく折り返して行くと、奥の院の石段の下に着く。見上げるような石段が上の薬師堂まで続いている。


                      奥の院の石段を上ると薬師堂がある

石段の下から巻き道が山頂へ通じているようだが少し遠回りになるようだ。また落石のため通行禁止の標識が架かっている。こちらを辿れば道は緩く約500mほどで山頂に達するが道はやや荒れている。今回は奥の院を経由して登って行く。奥の院の石段は108段あるそうだが、急なので実際はもっと長く感じる。石段から頂上まで350mとある。喘ぎながら石段を登りつめると静かな奥の院境内に着く。


         薬師堂、墓所の前を右に進む                   椿の花びらがこぼれている

正面に薬師堂、左手に庫裏籠堂、右手に大館氏明公墓所がある。太平記によると大館氏明公は、新田義貞の甥にあたり武勇にすぐれ、伊予の守護に任ぜられ世田城主となった。伊予の宮方(南朝)を守るべく活躍するが、興国2年(1342)北朝方細川頼春の大軍1万余騎が攻め入り、遂に力尽き城に火を放って17勇士と共に切腹した。時9月3日、氏明38才なり。これを世田山の合戦という。700年近くの霜月を経た墓所が寂しく歴代の名残を漂わせている。 


                        頂上には休憩所と図根点がある

その墓所の前を通って石段道を登りつめると世田山の頂上に着く。ここで左からの巻き道と合流する。右に休憩所が見えているが、左に見える岩場からの眺望が良い。岩場の手前に世田山の説明板があり、この山の歴史などが書かれている。大きな岩の横を回り込んで岩場に立つと、眼下に眺望が開けて道前平野から朝倉方面、正面に盛り上がった高縄山系が望める。


                        山頂からの眺望と山頂の休憩所

平になった世田山の山頂は休憩所とトイレがある。ここからの眺めも良い。東側が開けて眼下に湯浦方面を隔てて燧灘に浮かぶ島々が望まれる。暫らく休憩して尾根続きの笠松山へと向かう


《コースタイム》 栴檀寺登山口 20分→うぐいす谷 10分→奥の院 10分→世田山頂上 15分→
          水大師分岐 10分→笠松山三角点 5分→笠松山頂上 2分→広場 3分→
          笠松山頂上 30分→世田山 30分→栴檀寺登山口  歩行時間 約 2時間15分 
          登山道 よく整備されている 駐車場 栴檀寺駐車場  難易度 1A345
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