四国山岳紀行 No302-050414 腰折山(こしおれやま) 214m △無し 
                          愛媛県松山市北条 地図 伊予北条(北西)  山岳紀行トップヘ


                    西側からの腰折山と中腹に咲くエヒメアヤメ

高縄半島北部は香川県北部と並んで地質的に同じなのか、礫砂のざらざらした富士型の里山が見られる。北条の北部にある腰折山も形が歪でいるがそんな形の山である。この山には自生地南限とされる天然記念物「エヒメアヤメ」の数少ない自生地でもあり、、南東面は岩場があってクライマー達の練習場として地元の人々はもとより多くのハイカーに親しまれている。


                          登山口にある標識

この山は特微のある形をしているのでどこから眺めてもすぐそれとわかる。登山口のある鎌大師を目指して行くとよい。鎌大師へは今治方面からは国道196号を南下して、北条に入ると最初の信号から左折してバイパスに入って、一つ目の信号を左折して新しい二車線の道路を山側に向かうと、正面には腰折山が近ずいて来る。まもなく右側に鎌大師への道標があり、細い道に入って行くと民家の間に鎌大師がある。


                       南限自生地の標識とエヒメアヤメ

境内には腰折山の「エヒメアヤメ」や「イヨスミレ」の説明板がある。登山道はここから左右に分かれて右へミカン畑を経由して登山口へ、左は車道経由で登山口へ向かう。車道経由は小型車であれば直接登り口まで行けるが、道幅は極端に狭く、また駐車スペースは2、3台しかないので注意が必要である。また登り口はシーズン中は監視所のテントが張られていて地元の人が管理に当たっている。


                   固まって咲いているエヒメアヤメと山頂への登り

エヒメアヤメ(コカキツバタ)は国の天然記念物に指定されており、絶滅危惧種でもある。昔は一面に咲いていたが、最近は山火事や盗掘などによってし激減したそうで、数えるしか残っていないそうである。それでも夜中に来て盗掘していく者があるそうである。しかし環境の適しない他の土地ではなかなか育たないとのこと。愛媛大学で最近のバイオ技術で増殖を試みてみたが、どういうわけか三年目にして全滅してしまったらしい。やはり土地が違うと気難しい植物であるらしい。


           眼下に鎌大師が見える                      危惧種のイヨスミレ

管理人さんにエヒメアヤメのことをいろいろお聞きして、この花を見学がてらに山頂へと向かう。今年は運良く特に多く咲いているそうだ。多いといっても20株位しか見当たらないそうである。それだけ絶滅寸前の植物である。盗掘などはしかり、大切に保護していきたいものである。登り口からは暫らく雑木林のじぐざぐの登りが続くが、林間には今は盛りとコバノミツバツツジが濃いピンクの花を一杯に付けて目を楽しませてくれる。


         満開のコバノミツバツツジ                       山頂に咲くホタルカズラ

まもなく前方が開け、入口に「エヒメアヤメ南限自生地」と刻まれた標柱が立つ斜面に着く。笹原の斜面に赤松の点在する斜面がずっと上まで続いている。この中にエヒメアヤメが自生しているようであるが、小さいので注意して見ないと見つけられないほど小さい花だ。踏み跡をたどっていくと咲いていました。花径約3〜4cm、花茎約10〜15p、葉の長さ約10〜20cmほどの可憐なアヤメが一輪、二輪、またある場所には数輪ほど固まって咲いている。平家落人のお姫様が姿を変えたというように、見れば見るほど哀愛を感じる可憐な花である。「腰折れの こかきつばたは いぢらしや 愛しき人の 情けにも似て」 と詩人吉井勇も詠っている。 


                     山頂からは東に恵良山の頭が見えている

また貴重な絶滅危惧種の普通のスミレを一回り小さくしたような「イヨスミレ」も数株咲いていた。それらに混じってヒメハギやタツナミソウなどが見られた。登山道は開けた斜面を急登しながら登って行く。眼下には北条の街並と、その向こうに鹿島が見えている。そして中島方面の島々が霞む。また西側には新城山(しんじょうやま)が存在感を見せている。道は雑木林の中に入ると幾分緩くなり、笹が深くなってくると頂上に着く。


                     眼下に広がる北条の街並みと鹿島

頂上は笹が茂り見通しがあまり良くない。辛うじて東側にとんぎり山の恵良山302mの頭が見えている。足元には今は盛りと青い花のホタルカヅラが群落を作って咲いている。見通しが無いのですぐ下山にかかる。雑木林の中にコバノミツバツツジが花を一杯つけて明るさを演出している。香川県の里山にもコバノミツバツツジが多いが、やはりツツジもそれぞれにその土地に適した所にしか生育しないようである。眼下に広がる北条の街並を眺めながら、エヒメアヤメの咲く腰折れ山を下って行った。
♪こかきつばたの紫の 腰折山のつつましき〜♪地元難波小学校校歌

《コースタイム》 鎌大師 10分→登山口 5分→エヒメアヤメ自生地 15分→頂上 15分→登山口 10分→
          鎌大師 登山道 よく踏まれている 歩行時間 約 1時間 
          車で登り口からだと約20分短縮 駐車場 無し 登山口に可 難易度 1A345
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