四国山岳紀行 No289-031210 青峰(あおみね) 449m △4(根香)
                               香川県高松市 地図 五色台(南東)  山岳紀行トップヘ


                     青峰の頂上はアンテナ塔が立ち並ぶ

香川県の北部にある五色台は面積約50キロ平方で、白峰、黒峰、青峰、黄峰、紅峰からなる。瀬戸内海に突き出た台地状の峰々の総称である。今回はその中の 青峰(449m) に登ってみた。青峰は五色台の東端にあって、中腹に四国霊場第82番札所「青峰山根香寺」があり、四季を通じて四国遍路の参拝客が絶えない。


                        三角点は敷地内にある

青峰の頂上には無線中継塔が林立して山の雰囲気を損なっているが、無線中継基地になっているように頂上からの眺望は四方に開けているが、最近は周囲の樹木が成長して視界が遮られつつある。平成15年 5月14日、青峰山頂にある香川県防災行政無線中継局鉄塔のボルトが抜き取られるという悪質な事件が発生した。


                         フエンスの中に三角点

重要施設の中継塔が立ち並ぶ山頂だけに、事件以来、「関係者以外立入禁止」と書かれた看板が目立つようになり、この山の頂上が踏みにくくなったのは事実である。頂上へのアクセスは道路が根香寺方面へ下って行く手前から、頂上の無線中継施設へのアクセス道が上っており、入り口には進入禁止の鎖が架けられている。

頂上までは歩いて15分ほどであるが、関係者以外は立入禁止の看板がかかっている以上、うかつに立ち入ると不審者と間違われかねないので、管理者に承諾を取った方がよいだろう。頂上へのアクセス道は舗装された車道が、 4回ほどじぐざぐを繰り返して中継塔の立ち並ぶ山頂広場に着く。北側正面には西日本放送の巨大なアンテナ塔が建っている。


                     最高点の林の中に祠が祀られている

その南側にこんもりと林に囲まれた中に古い祠が祀られている。ここが青峰の最高点である。三角点はここから北側に見える建物の西側のフェンスに囲まれた敷地内の角にガードされている。三角点名は「根香」である。頂上広場からは東に高松市街が広がり、その奥に屋島や五剣山が特微のある形で横たわる。手前の串ノ山の向こうに備讃瀬戸の島々が浮かぶ。西から北側にかけては樹木の間から大平山や黒峰にかけての山塊、手前に黄ノ峰と紅峰との間に亀水湾の入江が光る。


          高松市街が見えている                       四国霊場根香寺本堂

中腹にある根香寺は本尊は千手観音。鬱蒼とした木立に囲まれ、一段と高い石垣の上に本堂などが築かれ、典型的な山岳寺院である。盛時には99の僧坊が建ち並ぶ寺であったが、この寺も土佐の長曽我部軍などによる、度重なる兵火に遭って堂宇はほとんどが失われた。弘仁年間(810〜824年)、弘法大師空海は当地を訪れ、五つの峰々に金剛界曼荼羅の五智如来を感得され、ここを密教相応の地として、五智如来の色別によって、青峰・赤峰・黄峰・黒峰・白峰と名付けた。


                       根香寺境内のモミジの紅葉

その青峰に花蔵院を創建し、五大明王を祀った。その後、天長九年(832年) 空海の姪の子にあたる智証大師円珍が、市之瀬明神のお告げにより霊木をもって千手観音像を刻み、千手院を創建した。両大師が創建した二院を総称して根香寺となった。千手観音を刻んだ木の根株が香気を放っていたことから、根香寺という寺名になったという。のち白河法皇の勅願所となり、寺領を賜っていたが、度重なる兵火で衰退してその後、高松松平初代藩主、松平頼重公によって再興された。


                       牛鬼伝説が漂う根香寺境内

また根香寺には牛鬼伝説などが伝わる。駐車所左側に怪奇な牛鬼の像があるが、今から 400年前、この山に牛鬼という怪獣が出現して人畜を害した。因った人々は京の弓の名手、山田蔵人高清に退治を頼み、高清は当寺の千手観音に願をかけ、みごと牛鬼を射止めたという。高清は祟りを恐れ、その角を切り取って村人から寄進された米十五俵を添えて、根香寺に奉納してその菩提を弔ったという。この像はその時描かれた牛鬼の絵姿をもとにしたもので、今もその牛鬼の角と言われるものが寺宝として残っている。青峰はそんな歴史と近代化が交合する山である。

《コースタイム》 アクセス道入口 15分→頂上 10分→アクセス道入口 歩行時間 約25分 
          難易度 @2345
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