四国山岳紀行 No277-030504 三ツ森山(みつもりやま) 1430m △3(西三森)
                    愛媛県新居浜市/高知県大川村 地図 日ノ浦(北東)  山岳紀行トップヘ

         三ツ森峠南からの三ツ森山                     シロバナアケボノツツジ

三ツ森山は県境の奥にあって余り目立たない山であるが、直下の三ツ森峠は別子鉱山開抗期には土佐からの集炭路として大勢の人が往来して炭中宿もあった。峠手前に残る石垣がその遺構と言われている。現在は別子側から住友林業の林道が峠を越えて高知県側に延びており、登り易くなった反面、昔の峠道の面影が消えて一抹の寂しさを感じる。ここから見上げる三ツ森山は堂々とした三角錐で聳えており、その山容から東光森山に対して西三森山とも呼ばれている。


          車道より見える銚子滝                        平家平への登山口

この山へは幾つかのルートがあるが今回は高知県側の小北川から小麦畝谷の林道を詰めて平家平登山口から登ることにした。このルートは鉄塔の立つ稜線に出て平家平分岐より三ツ森峠に向かうので、少し大回りになるが三ツ森峠まで稜線歩きを楽しむことが出来る。大川村の小松を過ぎて西へ県道17号線を7k余り進むと平家平、三ツ森山への大きな標識に従い右折して小麦畝方面に向かうと、右手に銚子滝が見える橋を渡り2k余り西進して行き、もう一つ志遊美谷の橋を渡ると三ツ森山への登山口がある。          


          登山口の下にある送電塔                       登山口の標識

ここからはかっての小麦畝集落を経て三ツ森峠に向かう交易路として良く踏まれた道で歩きよい。単に三ツ森山を目指すのであればここから登ると良い。今回はもう一つ先の小麦畝谷を越えると小北川集落の入り口に平家平への大きな標識があり、ここから登山口をめざす。間もなく舗装が切れて道は二つに分かれるが右へ進む。谷を渡り落石の危険のある道を詰めて行くと広場があり、カーブすると送電鉄塔があるすぐ上に登山口の標識がある。ここに車3台の駐車スペースがある。ここからなおも林道は奥に延びているが1.5k程先の砂防堤工事現場で行き止まりとなっている。


                    登山道から見上げる稜線(左端は平家平)

登山口からは支尾根に取りついて植林帯を行くようになるが、すぐに視界が開けて眺望の良い尾根道を進んで行くと左側に標高1006.5mに4等三角点があり、うっかりすると見過ごしてしまう。東には大座礼山が存在感を示して北に連なる。断崖尾根が三ツ森山へと続いており、西から北にかけては冠山から平家平の雄大な山容が見上げる稜線へと連なる。そして真直ぐに送電線が稜線に延びており、これからあの鉄塔の立つ稜線まで登って行くのかと思えば身が引き締まる。


           植林の中を登って行く                       道脇にある三角点

よく踏まれた道は再び植林帯の中に入ってわずかに下り、少し登り返すと次の送電鉄塔208の下に出るがここまで登山口から 15分。なおも植林帯の中をジグザグを繰り返しながら高度を稼いで行く。途中断崖になった切り開けに出ると眼前に平家平の稜線が迫り、ダイナミックな眺望が素晴らしい。これから登って行く送電鉄塔が立つ稜線までの地形がほぼ確認できるほど眺めが良い。再び植林帯の中をジグザグを繰返しながら進んで行くと、1413の標識と208←→209の鉄塔道標、平家平への道標が有る分岐に出るが道標に従って左に進む。


                     三ツ森峠への分岐点にある指標と道標              

右に進めば三ツ森峠から南に新しく途中までつけられた上の林道終点に繋がる分岐で、途中踏み跡は薄くなる所があるが帰りはこの道をここまで辿ることになる。登山口からここまで40分。ここから道はトラバース気味に山腹を左に捲いて行く。10分程で水量の多い小沢の水場に着く。少し休憩して小沢に懸けられた鉄板の小橋を渡って再び急な植林帯のジグザグを登るようになる。途中209←→210の鉄塔道標を見て植林帯を抜けると水平道になり、再び幾つかの鉄板の小橋を渡って行き、鉄の階段の急坂を登りきると眼前に210鉄塔が姿を現す。



          鉄橋を幾つか渡って行く                     沢の清水でひと休憩

ここから稜線に立つ211鉄塔まで送電線下の切り開けの中のジグザグを一気に稜線を目指す。最後の登りは苦しいが眼下に開けた眺望は疲れを吹き飛ばすほど素晴らしい。足元に咲く白い小スミレが群落を作る。間もなく稜線の鉄塔真下に出ると北側の視界が目に飛び込んでくる。眼前に赤石山系が連なりダイナミックな眺望が展開する。その向こうには瀬戸内海ののどかな眺望。西に続くチチ山別れへの稜線は所々アケボノツツジのピンクに染まっている。その向こうに存在感を示す沓掛山の鋭峰と黒森山が、そして至近距離に平家平の頂上が迫る。


          稜線に立つ送電鉄塔                       稜線からルートが見える

東にはこれから向かう稜線の向こうに三ツ森山が手招きしている。振り返ると土佐の山並が幾重にも重なり太平洋まで続いている。登山口からここ稜線まで1時間45分。さて今回はここから稜線を三ツ森峠まで下って三ツ森山を目指す。よく踏まれた潅木帯の稜線道は所々ブナの大木もあり、この季節のムシカリ(オオカメノキ)の白い花やアケボノツツジが新緑に彩を添える。鶯が近くでのんびり鳴いている、人の気配を感じてかケキョ、ケキョと逃げ去って行く。途中大岩を左に捲いて山標補点の有る1440m の小高いピークを過ぎると三ツ森峠まで下りが続く。


           1440mピークの登り                       近ずいて来る三ツ森山

峠まで標高差200m余りの下りは案外きついが、段々と近ずいて来るアケボノツツジで彩られた三ツ森山に励まされる。11時20分三ツ森峠到着、稜線の鉄塔から峠まで50分。峠は広い林道が横切って昔の面影が無くなっていて、一瞬戸惑うが対岸の地蔵さんが昔の変わらぬ表情で迎えてくれた。これから山頂500m足らずの水平距離にして高度差200m余り有るので、かなりの急勾配を登る事になる。少し休憩して息を整えて登りにかかろう。やはり最初から急な登りである。


           三ツ森峠からの登り                     ミツバツツジのトンネルを行く

鉄塔を過ぎた辺りから賑やかにミツバツツジやアケボノツツジが迎えてくれるので、急な登りも気分的に癒してくれる。ふと見上げると真っ白なアケボノツツジが咲いている。始めて見る白いアケボノツツジに感動 ! 真っ白な花弁が青空に映えて美しい。


                       珍しいシロバナアケボノツツジ

巨岩の側を捲いて岩の上に立つと平家平からチチ山にかけての稜線が一望できる。さらに急坂を登り詰めて行くと至る所に今は盛りとアケボノツツジが咲き誇る。


          よく目立つアケボノツツジ                     大岩を巻いて登って行く

道は平坦になると頂上に着く。嶺北ネイチャーハントの標識と三等三角点が有り、狭い山頂の周辺は林に囲まれて眺望は無い。三ツ森峠から頂上まで撮影しながら1時間かかっている。石に腰を下ろし弁当を食べて下りは30分で三ツ森峠に下る。帰りは峠から南に延びている林道を下る。振り返ると今登って来た三ツ森山が三角錐で聳えている。林道を15分程下ると水量豊富な水場に着く。水は林道に溢れて下の沢に流れ落ちている。


         平家平と冠山が見えている                     大岩の上からの眺望

ここから林道は分岐して一つは下へもう一つは山側へ上っていて戸惑うが、真直ぐ下ると小麦畝からの登山道に下ってしまうので上に向かう林道を行く。林道は尾根を二つ程回り込んで1k余りで行き止まりとなり、ここから植林帯の中の踏み跡に入って行く。古い丸木橋の架かった小沢を過ぎて谷を捲き、再び植林帯の中の踏み跡を進んで行くと、往きに通った1413の標識と208←→209の鉄塔標識の有る所に出る。


         三角点のある三ツ森山頂上                    咲き乱れるアケボノツツジ

三ツ森峠からここまで40分の行程で、あとはよく踏まれた来た道をどんどん下って行くと車の止めている登山口に着く。ここまで標識の所から25分、充実した山行であった。

《コースタイム》 県道入り口(車) 30分→登山口 40分→1413の分岐点 10分→水場の沢 30分→
          210鉄塔 20分→稜線 50分→三ツ森峠 60分→頂上 40分→三ツ森峠 20分→
          林道分岐 20分→1413の分岐点 25分→登山口 歩行時間 5時間25分
          駐車場 登山口に3台 下の広場に10台程 難易度 123C5
          登山道 全体に整備されているが帰りの林道終点から1413の分岐まで踏み跡程度
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