四国山岳紀行 No275-030501 赤星山(あかぼしやま) 1453m △2(赤星山)
                             愛媛県四国中央市 地図 弟地(北東)  山岳紀行トップヘ


          二ッ岳からの赤星山                        三度ヶ嶽からの赤星山

赤星山は海岸線から近距離に位置し、その姿は富士に似て美しく、西行法師が行脚の途中、川之江付近で「西南の秀嶺」に感嘆したと伝えられる。夏、さそり座のアルファー星アンタレスの赤い星がこの山の上に輝くことから、この山の名前が付いたと言われている。頂上には赤紫色の可憐なカタクリが群生し、その規模は四国でも一、二を競う広さと言われており、近年開花時期には見学の登山者が絶え間ない。と言うことで5月上旬に登ってみた。


                     カタクリの花見学で賑わう山頂付近

登山口は南北にあり、今回は標高の稼げる南側の中尾の上の登山口に向かう。伊予三島から国道319号線に入り、法皇トンネルを抜けて金砂湖に架かる赤い鉄橋の平野橋を渡って右折、県道6号線を富郷、別子山方面に向かう。富郷橋を渡って左岸に入り、足谷トンネルを抜けると間もなく橋の手前の中尾への標識に従って右折する。舗装道なので走りよいが道が狭いので対向車に注意しょう。


                     林道中尾谷線から見た二ッ岳と赤星山

最初の民家を過ぎて間もなく大きくカーブした正面に【山火事注意】の大きな看板がある。ここから左に向かう未舗装の林道中尾谷線に入るが途中からは道は非常に悪いので、腰高の四駆車以外は入らない方がいいだろう。乗用車は集落入り口の集会場の駐車場に止めさせてもらって、一番上の民家横の登山口から登られると良い。


          道筋に咲くタチツボスミレ                      林道入口にある道標

さて林道に入って1キロあまりで分岐を右に入ると道は急に悪くなって、石が露出してガタガタで中央が盛り上がり、腰の低い車は幾度と無く底を擦ることだろう。こんな道が3キロ程続くと送電鉄塔の見えるT字路に着く。右に行けば400m 程で行き止まりとなって先ほどの中尾集落の登山口へ下る小道と、山頂に向かう登山道がが林の中に延びている。今回はそちらに行かずに左の稜線コースを取る。


         T字路上の駐車場から歩く                       登山口にある小滝

T字路の広場に車を止めて左に林道を詰めて行くと山側に小さい滝が現れる。滝の側から稜線に取り付く登山道に入る。道は左にトラバースして高度を上げながら向こう側の谷側に回りこんで行くと、開放的な広い雑木林の中を進んで行くようにる。


           広い雑木林を行く                          稜線の峠に出る

道は小谷を跨いで登ると稜線に出る。ここまで滝の所から20分である。ここからは真直ぐ下らずに右へ稜線に向かう小道を進んで行くと、10分程でNo146の住友共電の送電鉄塔の下に着く。鉄塔の向かい側の林の中の小道を進んで行くと、間もなく道は下るようになるが手前に赤テープの目印から右に稜線に取り付く踏み跡を辿って行くが、ここから稜線に出るまで馬鹿尾根で踏み跡は釈然とせず迷い易い所であるので確かりと目印を追って行こう。


                       送電鉄塔を過ぎて尾根に取り付く

登るに従い足元にカタクリの花が多く見られ群落を作っている場所である。その他ヤマエンゴグサ、ユキザサ、エンレイソウ、コバイケイソウ、ヤマオモトなどが多く見られる。稜線に近ずくと岩が多くなり稜線に出ると余り人が通らないのか、所々ブッシュが道を覆い歩き辛い所がある。


                      林間に咲くエンレイソウとエンゴグサ

道は間もなく稜線を越えて少しくだり気味にトラバースして行くと、突然道が切れて上部からの土石流で崩壊して深い谷に落ちて無くなっている。深くて危険なので30m 程上に捲いて崩壊地を渡る。下を見ると一直線に抉られて新しく出来た沢が谷底に落ち込んでいる。崩壊場所を渡って対岸に取り付き、踏み跡を下ると確かりした道にに出る。


           大規模な崩壊箇所                          倒木を潜って行く

間もなくモミの林を抜けると中尾から登って来たシャクナゲの尾根道に合流する。ここまで滝の所から1時間35分、ここからシャクナゲの尾根道を頂上へ向かう。シャクナゲ林の中に所々に白いモクレンのようなタムシバの花が青空に映える。向かいの尾根筋には今は盛りとピンクの花を付けたアケボノツツジが新緑の中に彩りを添えている。その東の尾根の向こうには豊受山が存在感を見せている。


          尾根道の合流点に出る                       シャクナゲの尾根道

ここのシャクナゲは蕾がほとんど付いて無いので今年も裏年のようだ。この花は4年から6年周期に賑やかに花を咲かせる習性を持っているらしい。シャクナゲの尾根を過ぎると少しきつい登りにかかる。ここが頂上を前にして最もシンドイ所だが頑張ろう。


            赤星神社の祠                          尾根筋からの豊受山

急坂を登りつめると赤星神社の祠が佇む。台石には一金三十二円、二十円など年代は不明だが藤原何とか中尾百姓連?と刻まれており、当時奉納した時の記録だろう。天に近いこの山にも昔から雨の少ないこの地方の里人達の信仰の願いが息づいている。この辺りからカタクリの花が道脇に見え始める。頂上に近ずくにつれて群落が多くなり目を楽しませてくれる。


                        頂上付近のカタクリの群生

近年この山のカタクリの花が雑誌などで紹介されて、この時期見物のハイカーが多くなり、心無い者に踏まれたりして保護が必要になって来ており、今年から群落場所に立入り禁止のテープが張られているので入らぬように心がけてほしい。カタクリは芽生えて花を咲かせるようになるまで7年の年月を要し、絶滅しやすい植物であるのでなおの事である。


                          山頂の二等三角点

カタクリの咲く林の中の道を抜けると広い赤星山の頂上に飛び出す。中尾から登って来たという先客の今治の家族5人が弁当を広げていた。北詰に2等三角点が有って側に大きな標識が立っている。眺望は素晴らしく眼下に土居町から新居浜市、鏡のような燧灘を隔てて中国地方が霞む。南西に二ッ岳が屏風のようそそりに立ち、その向こうにエビラ、黒岳、権現、東赤石と続く。


                        開放的な頂上からの眺望

南から東にかけては県境の脊梁山脈が波打つ眺望の山である。そうこうしているうちに次々と人が登って来てかなり賑やかになって来たので下山する。シャクナゲ尾根の分岐からは来た道は辿らずに真直ぐ中尾への道を下って行く。やはりこちらの道は本道でよく踏まれていて歩きよい。シャクナゲ尾根を下った所の植林帯の所の道は少し荒れているが他は問題ない。


         台風の爪あとが残る檜林                       林間に咲くミツバツツジ

この辺り平成2年の19号台風で根の浅い桧はなぎ倒されたりして、まだに無残な姿を曝している。相当強い暴風が通り抜けたのが想像できる。気持ちの良い雑木林の中を下って行くと道の分岐に出る。左へ下ると中尾集落の登山口に下るが、今回は上の登山口に車を置いているので右に向かう。西にトラバース気味に下って行くと林道の終点に飛び出す。あとは林道を400m 程下れば車の止めてあるT字路に辿りつく。

《コースタイム》 県道中尾口 15分(車)→林道入り口 3分(車)→分岐 15分(車)→T字路 10分→
          滝の横登山口 20分→稜線 10分→送電鉄塔20分→カタクリ群生地 10分→稜線
          20分→崩壊地 10分→シャクナゲ尾根分岐 15分→赤星神社 5分→頂上
          頂上 15分→シャクナゲ尾根分岐 10分→植林崩壊地 20分→分岐 20分→
          林道終点 5分→T字路出発点 歩行時間 3.5時間  難易度 12B45 
          登山道 滝の上から稜線までは良い 稜線から鉄塔まではやや良い
          鉄塔上分岐からは踏み跡程度道無し 稜線からは藪が絡む 崩壊地からはやや良い
          駐車場 T字路付近に有り
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