四国山岳紀行 No268-030320 東部山(とうぶざん) 312m △3(東原)
                              香川県三豊市  地図 善通寺(南西)  山岳紀行トップヘ


           北側から見た東部山                       南側から見た東部山

東部山は香川県の善通寺の西に位置する五岳連山の南に横たわる里山である。この山は周囲に端正な形をした山に囲まれて、その存在感に乏しく目立たないために、あまり一般に登られていないようであるが、小さな山にしては小谷が多く入り込んで複雑な地形をしているので登りがいのある山である。周囲に集落が多いせいか中腹まで果樹園や竹の子が栽培されていたようだが、後継者の不足でかなり荒れている所が多い。

特に竹林は稜線近くまで勢力を伸ばして他の樹林を侵覆しつつある。里山が荒れる近年どこにも見られる現象である。この山の登口は数箇所あったが、竹林の蔓延で荒れていて現在まともに登れるコースは幸いにして南北からの四電の鉄塔巡視路のみである。困難ではあるが東側の西ノ脇地区からの昔の登山道から登ることにした。


         ミカン畑の横を登って行く                       登山口の終点の民家     

善通寺市から県道24号線の麻坂峠を南下するとすぐ溜池がある所から右に西ノ脇地区に入ると正面に見えているのが東部山である。集落の上の山側に向かう舗装された農道に入って行くと竹林の中を行くようになるが、道は狭いので軽四車以上は通行困難である。荒れた果樹園に向かう分岐を過ぎて竹林の中を進んでいくと舗装が切れて間もなく左に道はカーブする。


                       登山道は竹薮の中に入って行く

ここから真直ぐに広い登山道が竹林の中へ入っているので詰めていると、次第に道は細くなってとうとう荒れ放題の竹林のため前進困難となった。引き返していると竹林の中に人の気配がしたので近寄ってみると、農家のご夫婦が竹の子を探していた。この時期竹の子はまだ地中の中であるが、感を頼りに掘っているそうで猪にいつも先取りされてしまってあまり採れないらしい。


                        竹薮を抜けると稜線に出る

登山道を聞くと「昔はここを真直ぐ登れたきんが今はこの通りだべ、竹が絡んで道が潰れてしまっとるきん、登れないことはないが難しいだべ」と聞いて、とにかくここまで来たのだから竹林の中を直登する事にした。竹林の中は下草や木々は無いが手入れされていないので、古くなって枯れて倒れた竹が至るところに折り重なっている。腐っているのか踏みつけるとバリバリと砕けてしまうが、行く手を遮って歩きにくい事この上ない。


                       稜線には踏み後が続いている

15分程竹と格闘しながら直登すると稜線に出た。ふうやれやれ! 稜線の踏み跡を左へたどって行く、間もなく小さなピークの脇を通過すると前方に送電鉄塔が見えてくる。鉄塔まではワンピッチのゆるい下りだ。鉄塔周辺は芝生のようにきれいに刈り込まれてここからの眺望が良い。北に五岳連山がそびえて火上山と中山が至近距離に見える。南には大麻山と朝日山が間近に佇む。


                  送電塔周辺は整備されている北に火上山と中山

ここから南北に整備された四電の鉄塔巡視路が下っており、これを登ってくれば随分楽であると思うが、人生と同じく登山も楽して得られるものは少ないし感動も無い。苦労して得たものは生涯身につき貴重な人生の財産と成るものである。との教訓から私はいつも出来るだけ苦の方を選んでいるつもりだが、ついつい楽な方へ走ってしまうのは人間持って生まれた習性なのか。


         急坂を登れば頂上に出る                     北東に多度津方面が見える

鉄塔からは良く刈られた稜線の林の中の登りがしばらく続くが坂が急になって来ると頂上は近い。頂上は30uほどの広さで真ん中に3等三角点がぽつんと有るのみで標識も無い。一般にはあまり登られていないようだ。周囲は樫、クヌギなどの落葉樹に囲まれて眺望は無いが僅かながら西側の三豊方面や北側の五岳連山が木立の間から見え隠れしている。樹木が無かった昔は眺望の開けた高台であっただろう。帰りも来たコースを辿って下って行った。


                        頂上に三等三角点を確認

《コースタイム》 西ノ脇登山口 25分→竹林三叉路 15分→稜線 10分→鉄塔 10分→頂上 5分→鉄塔
          20分→竹林三叉路 20分→西ノ脇登山口  歩行時間 1 時間45分 難易度 1A345
        駐車場 無し 登山道 竹林三叉路までは軽舗装林道 竹林の中の登山道は消えている 
        稜線からは良い 南北からの四電巡視路は整備されている 
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