四国山岳紀行 No263-030210 伽藍山(がらんやま) 216m △4(伽藍山)
                               香川県高松市  地図 白峰山(北東)  山岳紀行トップヘ


         狭箱山登山口から伽藍山                 左から六ッ目山伽藍山狭箱山

香川県には富士型をした形の良い里山が多く点在する。その中でも高松西インターの西側に、おむすびを並べたように仲良く並んでいる山が目にとまる。御厩小富士三兄弟と呼ばれており、大きさから言えば長男の六ッ目山、次男の伽藍山、末っ子の狭箱山である。長男の六ッ目山は以前に登っているので、今回は残りの二山にアタックした。次男の伽藍山は長男に比べて低いので短時間で登れそうだが、甘く見てはいけない。南から北側にかけては大岸壁を懸けており、人を容易に寄せつけない形相を見せている。見上げるほどにわくわくする山である。

西側の万灯地区から登れそうなので、山側に向かっている民家の間の路地に入って行き、登山口を探すがなかなか見つからない。畑で作業をしていたお爺さんがいたので尋ねると、「この山の南側の県道の側の富士運送のとこから、山へ登れる車であれば車で行けるから、歩いて行くんならそこから少し先に遍路道があるから」と不可解なことを教えてくれた。

県道に出て高松側に少し車を進めると、富士運送の看板があり、敷地内の奥に山側に登っている道があった。その道の上は富士運送の駐車場になっており、そこから無舗装の車道が山に登っている。道はかなり急勾配で車のタイヤがスリップしだした。四輪駆動に切り替えると難と言うことはないが、お爺さんの言った事が解った。500mほど坂道を上り詰めると車が15台ほど駐車できるコルの広場に着く。


          車道終点のコル広場                        広場から登山道に入る

道はコルの下の青光山萬燈寺という小さなお寺で終っている。コルを少し下った所から右へ山側に延びている林道に歩を進める。この道は岩壁の下にある奥の院のお堂まで続いているが、狭いので軽の四駆以外は入らないほうが無難だろう。二度ほどつづら折れを繰り返すと、南から登って来た遍路道と合流する。この道はお爺さんの言ってた、「そこから少し先の…」県道脇にある登山口から来た道である。富士運送から高松寄りに4〜500m の所に小さな石仏があり、そこがこの山の登山口となっているようだ。


         広い道はお堂で行き止まり                     お堂の上は岩壁が迫る

ここから道は尾根筋をまっすぐ行くと、岩壁の下の奥の院のお堂に着く。お堂は森に囲まれて静かな所だ。周辺には年代の石仏が鎮座して、お堂の後ろの岩壁には大きな不動明神が刻まれていて睨圧している。ここから少し引き返すと山側に踏み跡が登っており、尾根を詰めると岩壁の下に祀られた毘沙門天の石仏に行止まる。少し引き返すと右側に入っていく道があり、岩壁の下を捲いて次の支尾根に取りつく。


          岩に彫られた不動明神                     お堂手前より支尾根に取り付く

支尾根には大きな岩の手水鉢があり、小高い岩場には波切不動明王などの石仏が下界を見下ろしていて、背後に岩壁がそそり立つ。尾根の末端は少し広くなっていて、ここからは眼下に眺望が一気に開ける。街並みを隔てて正面には鷲ノ山が横たわり、北側には五色台の山塊が、南には六ッ目山が大きく迫り絶好の展望所である。


        行く手に立ちはだかる岩壁                     岩場に祀られた神々の石像

さてここからは道が無い。岩壁の真下に着く。垂直に近い岩壁が頭上に覆いかぶさってくる。鎖も無いしロープも無いのに、どうやってこの岩壁を登ればよいのだろうか。よく見ると岩面に足架かり、手架かりの窪みが彫られているが、クライミングの経験の無い人は危険である。周囲に掴む物が無いので怖いこと、4〜5m ほど何とか登ったが今度は斜めに蟹の横這いである。狭い斜めになった足元は間隔を置いて、小さな足掛かりが岩に彫られているだけである。


            岩場を登って行く                        眼下に高松自動車道

下も上も絶壁で何も掴むものが無く、壁に張り付いているようで非常に危険である。よけいに体が硬くなり冷や汗が出る。鎖かロープが欲しい所だ。下から見ると岸壁の真ん中に人が張り付いているように見えるだろう。この山の雰囲気から見て、おそらく昔から人を寄せ付けない、修験者だけが登った山だろう。冬なのに緊張のあまり汗びっしょり、何とか岩場を乗り越えた。そこには朽ちた木株にロープの切れ端が残っていた。


           スリルの岩場を登る                       西に国分方面と鷲ノ山

岩場を過ぎると急坂ではあるが、木が生えているので掴まりながら登れる。がらがらの岩道を登りつめると、岩場に囲まれた中に石鉄山別宮があり、入り口には自然石の石灯篭が一対建っている。奥の石積みの中には石鎚山からの分神である智、仁、勇の神々が祀られている。


         石鉄山別宮の上を巻くと頂上                  岩の間に祀られた石鉄山別宮

頂上へはここを左に捲くようにして登って行くと、八大竜王天神の祠が祀られた頂上に着く。
東側には四等三角点があり、木立の間から高松方面の視界が広がる。少し下には石垣で築いた遺跡があるが何かはっきりしない。


          伽藍山頂上四等三角点                     頂上にある八大竜王天神

伽藍山という名の通り古くから信仰の対象にされていた山だろう。下りの岩場は転落しないよう特に注意して下ろう。小さい山ながらスリルと充実感に満ちた山であった。

《コースタイム》 伽藍山コル広場→15分 奥の院→10分 岩壁下→25分 頂上→40分 コル広場 
          歩行時間 1時間30分 難易度 123C5
          駐車場 富士運送上駐車場 20台 コル広場 15台 登山道 岩場から悪い
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