四国山岳紀行 No256-020822 筒上山(つつじょうざん) 1860m △3(筒城山)
           愛媛県久万高原町/高知県仁淀川町/いの町 地図 筒上山(北西)   山岳紀行トップヘ


          東側から見た筒上山                        南側から見た筒上山

8月も下旬に入ったとはいえ四国はまだ真夏である。かろうじて朝晩は秋の気配がして涼風を感じるようになる。四国の山を登り始めて40年もなるが、石鎚山脈から南に派生する岩黒山や筒上山には幾度か登っているが、その先端の手箱山にまだ登る機会が無かったのが自分ながら不思議であったが、思い切って岩黒山から筒上山を経由して手箱山へ縦走することにした。


                       岩黒山を後に筒上山へと向かう

岩黒山から南に尾根の先端手前まで少し下り、そこから道は右に折れてジグザグに急降下して暫らくモミや雑木林の中の下りとなる。岩黒山の南側をトラバースしてきた道と合流して左に進み、右に石鎚山が見えてくると丸滝小屋のある峠は近い。峠には「大峰宗覚心寺派丸瀧山修行道場」の立派な小屋があり、鳥居の奥の断崖上に丸瀧蔵王大権現の祠が祀られいる。


        縦走路にでると丸滝越えは近い                 丸滝越えにある丸瀧山修業道場

筒上山へは鳥居の前から少し下り気味に稜線を捲いていく。このあたり5月頃にクリーム色の花を咲かせるヒカゲツツジが多い。深い谷を隔てて丸滝山の岩壁が垂直にそそり立っていて迫力を感じさせる。間もなくコルに出てここから道は急降下となって足元に注意しながら下って行き、断崖に懸けられた鉄板の橋を幾つか渡りながら、険しい痩せ尾根の下をトラバースして行くと、ブナなどを主体とした原生林の中を行くようになる。


                    丸滝山の岩峰を見ながら筒上山に向かう

幾つかの小さな沢を横切るあたりには、この時節に咲くメタカラコウ、モミジガサ、カニコウモリ、ツリフネソウなどの群落があって目を楽しませてくれる。静かな原生林は鳥類も多く色々な小鳥のさえずりが聞こえる。水平道が終わって急な登りにかかると道脇にロープが張られていて立ち入り禁止となっている。


                   日陰を好むサラシナショウマとキレンゲショウマ

このあたりは稀少植物のキレンゲショウマの数少ない群生場所であるが、心無い見学者で踏み荒らされて生育不良となっており、年毎に減少しているのでロープ内に立ち入らないでほしい。道脇近くにも咲いているので観察や撮影は出来る。そのほかにミヤマノジギクやショウマ類も多い。


                  鉄階段を登り切り割りを過ぎれば手箱越えは近い

最後の鉄製の階段を上って切割の岩の間を抜けると、視界が一変して広場になった大峰宗道場のある城壁のような石垣の下に出る。ここにはホソバミヤマハハコが白い花の大群落を作り、その間に所々にピンクのシコクフウロが風に揺れてお花畑を形成している。


                    シコクフウロやミヤマハハコなどのお花畑

目を転じれば大きく谷を隔てて瓶ヶ森から東に連なる県境の山並が素晴らしい。そして頭上には筒上山のドームが迫る。石垣の上の広い敷地には大峰宗覚心寺の立派な道場が建っている。その敷地の縁に沿い鳥居をくぐって筒上山に登山道が続いている。ここは池川方面から登って来た登山道と合流点の手箱越えと称する所である。


                      石垣の上に聳える筒上山のドーム

道は次第にきつくなって石段を登りつめ、さらに小さな鳥居をくぐると鎖場の下に着く。見上げると40m ほどの鎖とロープが掛かっているが、木立や足場が多いのでわりと登り易い。岩場を登りつめてドームの上に出ると風景は一変して笹原の中の緩い登りとなる。所々にコメツツジが点在して初夏には白い花が一面に咲き、秋には紅葉して彩を添える。


                     岩場を登ると笹原のドームが広がる

すぐに道は右に分岐するが帰りはここへ下って来ることにして真直ぐ進む。眺望の開けた快適な道端には白骨樹などもあって絵になる山岳美が広がり、間もなく北側の平らになったピークに着く。祠が2基南に向って鎮座しており、開けた眺望が展開する。北西側には石鎚山から二ノ森にかけての大きな山塊が存在感を見せている。


                     石鎚山を眼前に北側のビークに向かう

さらに西に目を転ずれば大川嶺からカルスト台地の山々が続き、近くには椿山や秀麗な山容の雨ヶ森がよく目立つ。北東側には瓶ヶ森から東に続く脊梁の山々が何処までも続く。北側はダケカンバの林があって稜線コースの踏み跡が下っているが、道が悪いので初心者にはお勧めできない。南側はここより少し高いピークがあり、大山祗神社の立派な祠と紳鉾が建っていて側に3等三角点がある。




                   山頂より東側の眺望 重畳たる四国脊梁山地が続く

ここからの眺望も申し分ない。下りはここから尾根を南に下って行き、尾根のはずれ手前から右に下ると最初の鎖場の上の道に出る。慎重に鎖場を下ると眼下に道場が俯瞰できる。その向こうにはこれから向かう峰続きの手箱山への長い峰が手招きしている。手箱山へ向かう


            頂上の大山祗神社                        これから向かう手箱山

《コースタイム》 土小屋登山口 1時間→岩黒山 30分→丸滝小屋 1時間30分→手箱越え 10分→
          鎖場 20分→筒上山 15分→手箱越 1時間→手箱山 35分→手箱越え 55分→
          丸滝小屋 50分→土小屋駐車場  歩行時間 約8時間  難易度 12B45
          駐車場 登山口に約150台 登山道 整備されている
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