四国山岳紀行No253-020628 東赤石山(ひがしあかいしやま) 1707m △3(赤石)
                       愛媛県四国中央市/新居浜市 地図 弟地(北西)  山岳紀行トップヘ


橄欖岩(かんらんがん)からなる高山植物の豊富なこの山は海岸線に近いため、植物の垂直分布もけんきょに現れており、この時期に咲くタカネバラを見るために、梅雨の晴れ間に別子山側から登って見ることにした。この山も幾度となく登っているが雨が多いこの時節に登るのは始めてである。別子山の瀬場登山口までは家から車で1時間ほどだが、この山は歩行時間が長く朝早く登山口に着かなければならないので、5時に家を発ち瀬場登山口から登りはじめる。


           瀬場登山口から登る                        豊後の石垣が残る

空は曇っているがまあまあの天候のようだ。案外きついジグザグの登りが続くが昔はこの上に豊後(ぶんご)という集落があって、この道は生活道でもあった。今を思えば山村の人々はこのようなきつい山道を行き来していたのを思うと、モーターゼーションの発達した現代人には考えられない苦労があったと思う。そんなことを思いながら登って行くと石垣が現れて、人家や畑の名残があちこちに見うけられる。


                     豊後を過ぎると東赤石山が奥に見える

勾配が緩くなった自然に帰った雑木林の中を登りつめると、筏津登山口からの登山道と合流する。ここで少し休憩して水平道を進んで林を抜けると、前方奥に東赤石山が聳えているのが確認できる。水場のある沢から急なジグザグを登り詰めて道は水平道となり、八間滝の音が大きく聞こえてくる。振り返ると南側に端正な形の東光森山が聳えている。少し進むと谷を隔てて八間滝が木の間越しに、長い瀑を落としているのが見えてくる。


           長い瀑を引く八間滝                       瀬場谷を渡って左岸へ

桟道を渡り四国電力の巡視路を右に見送り、瀬場谷にかけられた丸木橋を渡ると、前方に大きな標識の立つ分岐点に着く。ここから左に行けば赤石山荘へ、右に行けば東赤石山への直登ルートとなる。いつもながら右のルートを進んでいく。植林の中のジグザグを繰り返して尾根肩の水平道に出ると、谷の向こうに再び東光森山が見えてくる。大座礼山は今日はガスに隠れているようだ。このあたりは今は盛りと赤いヤマツツジが咲いていて新緑に彩を添えている。



                         新緑に映えるヤマツツジ

朽ちかけた丸木橋を渡ると滝上の沢に出る。ここで暫らく休憩タイムを取る。沢岸にはこの時節ショウマなどの草花が見うけられる。はしごを上ると広くなった沢に出る。転石を跨いで対岸の左岸に渡り、暫らく沢沿いに植林の中を進んで行き、ジグザグを繰り返しながら高度を稼いで行く。小さな沢筋にはこの時節に咲くヤマアジサイの青い花、アワダチソウやガクウツギの白い花々がお花畑を作っており、苦しい登りの中に目を楽しませてくれる。


           純白なアサガラの花                        上沢の最後の水場

崩壊場所を過ぎて再び沢の上部に出る。清水で喉を潤して暫らく休憩をしてこれからの急登に備える。アサガラの木が白い花の穂を垂れている。ここからは林の中の長い岩場の急登が続くが、周りの新緑が瑞々しく素晴らしい。脇には段々とシモツケの濃いピンクの花が目立つようになって来る。白い花のモリイバラがその下に咲いている。


           岩場の急登が続く                       ヤマアジサイも咲き始め

そして始めて見るタカネイバラの赤い花が目に飛び込んでくる。花が大きく色が濃くよく目立つ花だ。しっとりと露に濡れて周囲の新緑に映えている。月山で見たオオタカネイバラより木も花も一回り小さいが、花の色は濃いのでよく目立つ。上るに従い花の数も多くなってくる。ピンクのヤマアジサイも咲き始めている。


                       登山道脇に咲くタカネイバラ

トラバース道に出ると白い花のイワシモツケが一面に咲いている。赤石越え直下からは再び急登になるが、一面の白いイワシモツケのお花畑の中にタカネイバラの赤い花が彩りを沿えて実に美しい。稜線に近くなるに従いガスが濃くなってくるが明るいので雨の心配は無いようだ。ここで初めて下って来る一人の青年に出会う。頂上の様子を尋ねると風が強いが雨は降っていないとの事、赤石越えに出るとやはり風が強い。


          山頂直下の岩場の登り                       岩間に咲くイワキンバイ

ガスが流れる稜線の岩場に出ると帽子が飛ばされるほど風が強い。岩場に咲くツクバネウツギやイワキンバイの黄色い花が風に揺れている。ガスのため眺望が利かないので頂上の岩場をパスして、三角点の有る場所に向かう。東に五葉松とシャクナゲと権木の間をくぐり抜けると、少し広くなった開けた場所に平成10年に再埋された新しい三等三角点がある。


                         東赤石山の三等三角点

東赤石山の三角点はまぼろしの三角点と呼ばれていて、明治35年に埋設されて以来、存在するものの所在が不明であったようだが、新三角点より西に5m 程の位置に埋設されていたらしい。新三角点は最高点より約1m 低い標高1706m の所にある。ガスが無ければ峨蔵山塊を眼前に見晴らしの良い所である。風が強く見晴らしが利かないので早々に来たコースを下って行った。天候は今一つだったが目的を果たせた山行だった。                     関連ページ 東赤石山の花2


                         タカネイバラとモリイバラ

《コースタイム》 瀬場登山口 20分→豊後 20分→八間滝 20分→分岐 30分→滝上 40分→沢上水場
          45分→トラバース道 20分→赤石越え 15分→三角点 15分→赤石越え 15分→
          トラバース道 35分→沢上水場 30分→滝上 20分→分岐 15分→八間滝 15分→
          豊後 15分→瀬場登山口  歩行時間 約6時間  難易度 123C5 
          登山道 整備されているが急坂多い
          駐車場 瀬場登山口 無し 路肩に5〜6台可 筏津登山口 筏津山荘上に10台  
          筏津山荘駐車場は要許可 登山口は駐禁
ページの最初に戻る