四国山岳紀行 No244-020427 鉢ヶ森(はちがもり) 1270m △3(鉢ヶ森)
                           高知県大豊町/香美市 地図 奈呂(北西)  山岳紀行トップヘ

                       西側の縦走路からの鉢ヶ森

鉢ヶ森は香美市香北町美良布の北に位置し、弘法大師や安徳天皇にまつわる伝説がある山である。山名の由来は安徳天皇がこの地方に現れる妖怪を鎮めるために兜の鉢を頂上に埋めたという伝説からきている。この山の登山口は西側の河野地区の奥にある大師堂を経由してのコースと、東側の松尾越えを経由してからのコースが一般的である。今回は東側のコースから登ることにした。


           分岐にある標識                          峠手前の落石箇所

南国インターを降りて 195号線に出て香北町の美良布から物部川を渡り、川ノ内川の右岸を10キロほど遡上すると西側の登山口に着くが、今回は川ノ内川を遡上せずに入り口の橋を渡ると山側に折り返して上がっている車道に車を進める。入り口に谷相方面の標識がある。段々畑の中に点在する人家の脇を道は大きく迂回しながら高度を上げて行く。ハーブ園の側を通って最後の民家の前を過ぎると谷相林道に変わる。


           峠の北側の登山口                        無線中継施設の廃墟

途中から舗装が切れるが道幅が広いので走りよい。右手には御在所山が大きく聳えている。峠の手前は落石が多く大きな石が道を塞いでいて通行困難な場所があった。やっと落石箇所を通り抜けて峠に出る。東側には廃墟と化した無線中継施設のコンクリートの建物が無残な光景を曝していて異様な感じだ。峠から大豊町側に200mほど下った所のカーブに登山口の標識がある。


                        十字路を真直ぐに進んで行く

標識の所から坂をかけ上がると水平道となってツツジや笹の多い中を峰の北側をトラバースして行くとコルに着く。松尾越えという登山道の峠で松尾方面からの登山道と合流する。周囲には大きなブナが茂り峠の雰囲気を漂わせている。「ゴトゴト山→」と書かれた指標があって道はスズ竹の茂みの奥に向かう。少し下り気味に笹藪を漕ぎながら進んで行くと十字路に出る。


         真直ぐ行かずに山側に入る                   賑やかに咲くトサノミツバツツジ     

右へは大豊側へ下る古い道で、峠越えの車道が付いてからは通る人も無く廃道と化している。左へは一旦稜線に出て稜線道を辿って山頂へ向かうコースであるが、西側からのコースが開発されて以来、あまり利用されていないので所々荒れている。ここは真直ぐ進んでゴトゴト岩経由で頂上に向かう。尚も少し下り気味に進んで行くと目印のテープがあって左手の小道に入る。決して真直ぐ谷に下ってはならない。


                     ゴトゴト岩の周辺はミツバツツジが映える

間もなく前方が開けて白い岩石の折り重なるゴトゴト岩のガレ場に着く。今は盛りとミツバツツジが周りをピンクに染めて余りの美しさに歓声を上げてしまった。ツツジの花に取り囲まれるように白い岩石が川のような景観を造り上げている。自然の造形美に見とれて暫らく呆然と佇んでいた。名の通りゴトゴトと響く石を踏んでツツジのトンネルの中を抜け、スズ竹の中の急坂を少し登ると水平道となってトラバース気味に頂上直下を巻いて行くようになる。


            トサノミツバツツジ                       苔のついた岩石が無数に

周囲は芽吹いたばかりの新緑が清々しい。その木々の間に苔むした岩石がしだいに多くなって先程と違った景観が現れる。よく見ると苔の間からコミヤマカタバミが白い花をつけて風に揺れている。なんと言う清らかさだろうか。ここから道は稜線に向かって木の幹に掴まったりしながら急登して行く。踏み跡が判り難い所があるが右上方に見えている大岩を目標に登ればよい。


           苔石の横の急な登り                      苔の間に咲くコミヤマカタバミ

ずり落ちそうな急坂を登りつめて大岩の上に出ると、道は緩くなってダケカンバなどの混じる笹原を抜けると見晴らしの良い町界尾根に出る。南から北に大きく眺望が開けて開放的な風景に再び歓声が出るほどである。北側には鉄塔の立つ梶ヶ森が聳えてその右奥には阿波国見山と中津山が頭を覗かせている。足元から北に緩やかな稜線が延びており、ツツジが所々鮮やかに咲いて彩を添えている。


          開放的な縦走路に出る                       頂上直下のブナ林を登る

稜線道に3人連れの女性が登って来ているのが見えている。ここは西側から登って来た稜線道との合流点で、左に進んでブナの間の坂を登りつめると頂上に着く。頂上は古い石の祠が鎮座して不動明王と山の神が祀られており、前方に注連縄(しめなわ)が架けられていた。狭い頂上は木立が成長して眺望は今一つである。東には藪の間から尾根道が下っているので、踏み跡を少し下ってみたが余り利用されていないらしく藪の中に消えていた。


                         頂上は祠が祀られている

頂上に戻ってみると縦走路に見えていた3人連れの女性が着いたばかりであった。弁当を食べながらいろいろ話をする。河野登山口から登って来たそうだ。ゴトゴト岩のツツジが綺麗な事を教えてあげると、ぜひ寄って見て帰りたいと下って行った。分岐まで下って北に延びる稜線道を1219m のピークまで散策してみる事にした。多少アップダウンがあるもののミツバツツジが多く咲いていて気持ちの良いコースだ。


         開放的な縦走路奥に茂ノ森                     縦走路より鉢ヶ森を望む

1219m のピークからは遮るものが無く高原状の開放的な眺望が広がる。更に梶ヶ森方面に向かう縦走路が延びており一度は歩いてみたいコースだ。振り返ると先ほど登って来た鉢ヶ森がどっしりとした山容で聳えていた。

《コースタイム》 峠登山口 20分→松尾越え 10分→ゴトゴト岩 25分→苔石の所 5分→稜線 10分→
          頂上 20分→1219m 峰 20分→稜線道分岐 20分→ゴトゴト岩 20分→峠登山口
          歩行時間 2 時間20分 登山道 部分的に笹が絡む所と急坂あり 難易度 12B45  
          駐車場 無し 登山口の路肩に駐車
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