四国山岳紀行 No243-020426 鬼ヶ臼山(おにがうすやま) 209m △4(鬼臼山)
                                香川県三豊市 地図 仁尾(南東)  山岳紀行トップヘ


         鴨谷方面から見た鬼ヶ臼山                    頂上に立つご神体の巨岩

鬼ヶ臼山は高瀬町の南に位置してその変わった山名は次の伝説から来ている。昔、この鬼ヶ臼に一人の荒々しい男神がいた。この男神は、里へ出ては人を取り、この臼に入れてついたという。取った人の首は次から次へと谷へ投げ捨てたので、この谷をいつか地獄谷と呼ぶようになった。その首は谷を埋めつくして山となったので、「首山」という地名が今に残っている。臼からあふれ出る血は川となり、血の池を作った。

このような男神の乱暴を見かねたやさしい女神は「私の赤子とあなたの馬をこの山頂から飛ばせる競争をして、もし私の方の赤子が勝ったら、あなたは今までのように人を取ることはやめて下さい。もし、あなたの馬が勝ったなら、今まで通りになさい。」と言った。村の人たちが固唾を飲んで見守る中、勝利の軍杯は赤子にあがった。今でも巨岩の上面に赤子の足跡がしるされている。


                        馬の足跡と称する岩の窪み

また、そのすぐ近くに競争に負けた馬が失意のあまり、首を突き入れて息絶えたといわれる穴がある。そのあと女神は血潮のたまった所を巨岩で蓋をしてしまった。それからは村には再び平和がよみがえったという。今もこの巨岩の下からは、赤い血潮が湧き出ると言われ、池の水は常に赤みを帯びていて、恐ろしかった昔の面影を漂わせている。何とも怖い伝説を秘めた山である。


                       県道脇に登山口と案内板がある

この山の登山口は南北にあるが今回は北側の末地区の峠にある登山口から登ることにした。頂上にお城展望所がある朝日山公園の西麓、平尾地区から西に分岐する右側の町道に車を進めて関西化学工業の工場を右に見て進んで行き、池の側を通って行くと池の西側で道はカーブして、峠のような所を通過して少し下った左側に案内板があってここが登山口となっている。

案内板には前記の鬼ヶ臼の伝説などが描かれていて興味深い。ここは路肩が広くなっていて、車を置いて町道下の小道を下って行くと池があり、伝説の「赤子の足跡、馬の足跡」と書かれた案内板があって、その少し下に祠とそれと思われる赤子の足跡や馬が首を突っ込んだという窪みのある大岩があった。


          池の側の農道を詰める                       要所には道標がある

戻って池の渕の軽四輪が通れるほどの小道を進んで行くと、柿の木のある畑跡に着く。ここに鬼が臼400mと書かれた指標に導かれて草の覆い茂った小道を辿って行く。間もなく北条への分岐の指標を見て左へ進んで行くが、しだいに足元の草が深くなって、大きな栗の木が頭上を覆って来るようになる。


         北条への道標の立つ分岐点               栗の木の下を潜り抜けて行く

この辺は栗畑だったようで今は放棄されているのか荒れていて、栗の大木が倒れてその下をくぐって行く箇所もある。両側に門柱のように立っている木の間を過ぎて、丸太の階段を一気に駆け上がると稜線のコルに出る。ここは四差路になっていて指標があり、反対側に下れば山奥からの登山口に至り、右に進めばりゅうおうざんと書かれた西側のピークヘ、左に山神大明神の表札の鳥居をくぐって目的の鬼ヶ臼山に向かう。


          稜線に出ると鳥居がある                     整備された登山道が続く
 
坂のきつい所は丸太の階段が付けられて歩き易くよく整備されている。道は稜線の北側をトラバースぎみに進んで南に回り込むと岩の重なる山頂に着く。そしていわくありそうな異様な感じの大岩が突っ立っている。しかも岩は人面に似ており、映画に出てくる生贄(いけにえ)を捧げる神の岩に酷似している。


        ご神体の大岩に圧倒される                      大岩の下に祀られた祠

岩には注連縄(しめなわ) が巻かれていて基部には小さな祠が祀られており、側には鬼が人を搗いたと思われる平たい岩がある。その前には壊れかかった三角点がある。周囲は樹木が生長して展望はいまいちなので、岩の上に登りたいと思ったが恐れ多くも御神体なので躊躇が、経を奉納して煩悩を祓って岩の上に立たせて貰う。

        南側に峰続きの最高点のピーク                  西側に延びる高松自動車道

狭い岩の上は足元が切れ落ち、身が宙に浮いたような感じで思ったとおり展望は素晴らしく、西は雲辺寺山から豊中方面、七宝連山から北の詫間方面にかけての山々、弥谷山から手前に火上山や我拝師山が見渡せる。南には尾根続きのこの山の最高点209mが視界を遮る。足元が不安定なので早々に岩を下りるが、ホールドが少ないので細心の注意が必要だ。


         北側に高瀬町から三野町                     西側に豊中町から観音寺市

不動明王にご無礼を陳謝してコルまで引き返し、峰続きのりゅうおうざんへと向かう。案外きつい坂道を登って行くと間もなく雑木林に囲まれた頂上に着く。入り口に小さな祠があるのみで何も無いピークである。ここは視界が無いのですぐ引き返す。コルからは来たコースを下って行った。


                    峰続きの龍王山頂上は林に囲まれ祠がある

コルから登山口までは春の草花が多く咲いていて、それらに訪花する蝶類も多く見受けられ春たけなわの里山であった。

《コースタイム》 末登山口 10分→北条分岐 10分→コル 10分→鬼が臼山頂上 5分→コル 5分→
          龍王山 5分→コル 20分→末登山口 歩行時間 約1時間 難易度 @2345 
       駐車場 登山口路肩に5〜6台 登山道 四国の道として整備されているが夏場は草が絡む
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