四国山岳紀行 No217-010617 大座礼山(おおざれやま) 1590m △2(大座礼)
                             高知県大川村 地図 土佐小松(北西)  山岳紀行トップヘ


                        平家平から見た大座礼山

高知県北部の脊梁山脈にある大座礼山は、ほぼ四国中央部に座するどっしりとした風格のある山である。頂上近くには四国でも有数のブナの巨木があって、あらん限りの枝を広げている様は見る人を圧倒させる。この山へのアクセスは高知県側からは大川村の小松から県道6号線を北上し、また愛媛県側からは別子山筏津から県道を大田尾越えへと向かう。


                   大田尾越から南に下った所に林道入口がある

峠から南に少し下ったカーブの所に標識があって、ここから林道に入ると登山口がある。林道は拡張工事中で300m先の登山口まで気をつけて歩かなければいけない。(現在は工事が完了して登山口まで車で行ける)林道を詰めて行くと広場の奥に沢があり、その向こうの石垣の上に登山口の標識がある。


          石垣の上に登山口がある                     ガクウツギが多く見られる

最初はきつい登りだが間もなく水平道となって、植林と自然林の交互する中を進んで行くと水量の多い沢に着く。沢を渡るとじぐざぐの急坂が暫らく続く。この時節ガクウツギの白い花が咲き、青い花のヤマアジサイもぼちぼち咲き始めており、目を楽しませてくれる。


        ヤマアジサイも咲き始めている                       最初の沢を渡る

小沢に架かる丸木橋を渡ると急なつづら折れもあと少しである。開けた所からは東光森山、その左に二ッ岳やエビラ山が大きく聳えている。シャクナゲの茂る坂を越えると原生林に囲まれた水量豊富な沢に着く。


            沢を跨いで行く                           ツクバネソウ

オゾンたっぷりの冷気が漂い、一息入れるには良い場所で最後の水場である。付近にはウワバミソウ、エンレイソウ、ツクバネソウなどが群落を作っいる。沢を過ぎると道は清々しい林の中の水平道が続く。確かりとした登山道は土佐と伊予を結ぶ旧往還道の名残である。所々に巨木の残る道は大座礼山の東側を巻きながら井野川越へと続いている。


          彩を添えるベニウツギ                       自然林の中を井野川越へ

自然林から桧の人工林に変わると井野川越の峠は近い。道脇にスズタケが多くなって来ると峠に着く。大座礼山へはここから右に尾根道の登山道を登って行く。じぐざぐの急坂を登り詰めて大きなブナの横を通り、尾根に出ると前方にこの山の主のようなブナの巨木が姿を現す。


                       尾根に出るとブナの巨木がある

目通り4.3m 樹高20m以上はあろうか、天高くあらん限りの枝を広げて数百年の生命力を誇示している。しかし長年の侵食で根元の土が減ったのだろう、がっしりとした根張りが次第に地表に現れている。多くの登山者に根元を踏みつけられていると、いかにブナの巨木とはいえ衰弱するのが目に見えている。最近少しづつ樹勢が衰えて来ているようだ。


                       四国では数少ないブナの巨木

根元にたっぷりと土を被せてあげたいが一人の力ではどうにもならない。登山のついでに各人が一握りでもよいから、登山口から土を運んでこのブナの根元にかけてほしいものである。更に進んで行くと大きなブナが何本か次々と現れて来る。ブナ林を過ぎると僅かの距離ではあるがきついガレ場の急坂となる。この辺りはカエデやシャラなどの緑が爽やかである。


         爽やかな自然林の中を行く                     急坂を登ると頂上は近い

ツツジなどの権木や木の根をを掴みながら急坂を登り詰めると、二等三角点のある開けた頂上に出る。頂上は狭いが東西に眺望が開けており、東に東光森山から続く県境の脊梁山脈が連なり、谷を隔てた北東側には二ッ岳やエビラ山の山塊が聳える。西側は平家平からの脊梁山脈が石鎚山へと続く。


                         山頂の三角点と東望

最高点の北側の尾根を越えて見晴らしの良い県境の岩場まで歩を進める。北側の稜線道はスズタケや権木が絡むがブナなどが多く森林を形成している。岩場からは眼下の谷間に吉野川が蛇行し、奥に大橋ダム湖が青く水を湛える。そしてそこから揚水している稲叢ダム湖のある稲叢山がその左上に聳えている。


          岩場付近からの南望                        岩場付近からの西望

そして稲叢山から東に派生する長い峰の西門山の山塊、西には平家平から笹ヶ峰にかけての大きな山塊と西に続く脊梁の山々、頂上から見えなかった北西側には、ここから延びる峰続きの先端に三ツ森山、その向こうに銅山峰を中心とする西赤石山系の山並、そして北側には東赤石山系の岩峰がダイナミックに連なる。見飽きたらない眺望を楽しみ、大座礼山を後にした。

《コースタイム》 林道入口 5分→登山口 10分→第一の沢 30分→第二の沢 35分→井野川越え
          25分→ブナの巨木 15分→頂上 10分→岩場 15分→頂上 10分→ブナの巨木 20分→
          井野川越え 30分→第二の沢 25分→第一の沢 10分→登山口 5分→林道入口
          歩行時間 4時間  登山道 整備されているが北側の尾根道は薮が絡む
          駐車場 登山口の路肩 難易度 12B45
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