四国山岳紀行 No216-010612 沓掛山(くつかけやま) 1691m △無
                       愛媛県新居浜市/西条市 地図 別子銅山(南西)  山岳紀行トップヘ


                       笹とシラベに覆われた沓掛山

沓掛山は笹ヶ峰とチチ山の前衛の山して、その北側によく目立つ鋭鋒で聳えている。笹ヶ峰方面から見ると南斜面は急な笹原が広がり、北側はコルを挟んで急峻な黒森山に繋がっており、東西は切れ落ちた断崖の岩場となっている。この山は石鎚山系や赤石山系の主稜線からはずれているために登山者も少なく、それだけに静かに自然に触れながら歩ける山である。


                       登山口には大きな案内板がある

一般的な登山口は笹ヶ峰と同じく、西条から R11と分かれて R194 を加茂川沿いに高知方面に向かい、下津池から登呂橋を渡って林道を笹ヶ峰登山口に向かう。林道は途中から舗装が切れて更に 1.3キロ走ると、沢に架かる橋の手前の登山口に着く。橋から先は通行止めとなっている。あたりは広場になっていて10台ほどの駐車スペースがあり、登山口には大きな案内板がある。


                      人工林と自然林の中を登って行く

私が若い頃は下津池から歩いて随分時間の掛かったものだが、時代の流れと共に林道が延長され、ここまで車で上がって来れるようになり、3時間も短縮されて随分と楽になったものだ。ここから宿までは笹ヶ峰登山道を登って行く。ややきつい坂もあるが植林と自然林の交互する登山道はよく整備されていて歩きやすい。道は暫らく渓流沿いに小さな滝や滑を見ながらの登りが続く。


                         ガクウツギと渓流の小滝

この時節、道脇にはガクウツギが白い花を枝一杯に着けて賑やかである。前方に岩が多くなって涸れ沢のような道を登り詰めると宿という場所に着く。この平らな空間はかつては旧別子銅山に運ぶ木炭を貯蔵していた場所で、今は植林が成長してその所々に当時を忍ばせる石垣や水場が残っている。ここから右へそのまま進めば丸山荘を経て笹ヶ峰山頂へ達するが、今回は左へコースをとって西山越え経由で沓掛山へ歩を進める。


                        宿からは西山越えに向かう

宿のただっ広い盆地のような植林帯の中を進んで行き、自然林の交叉する坂道を上り詰めて行くと西山越えの分岐にに着く。沓掛山へは標識に従い左に折れて、カエデ、リョウブ、シロモジ、ブナなどの混生する稜線の爽やかな自然林の中を進んで行くようになる。林床にはガマズミの白い花、少し湿った場所にはギンリョウソウも見受けられる。なぜかこの時節は白い花が多い。


           西山越えの分岐を左へ                         ギンリョウソウ

爽やかな自然林の観察をしながらの気持ちの良い尾根道が続く。雑木林からカラマツ林に変わって林を抜けると、眼前に笹原のスロープを纏った沓掛山が突然と姿を現す。ここから頂上まで大きく開けた笹の中の急坂が続いている。


                    爽やかな自然林を抜けると沓掛山が現れる

笹原の登りにかかるとアキレス腱が痛くなるような急坂だ。それだけにゆっくり登って行かなければ息が切れる。途中見事なウラジロモミが何本かあるが、苛酷な環境なのか下枝が枯れて既に樹勢が尽きている。うぐいすの鳴き声に励まされながら急坂を登り詰めると、沓掛山の山名標識のある狭い頂上に着く。


                       笹原の中のきつい登りが続く

北から東にかけてはウラジロモミの若い林で視界が遮られつつあるが、北側には木立の間にラクダの背のような黒森山の鋭鋒が頭を覗かしている。開けた南東の方向には東光森山から大座礼山、そして東側には赤石山系のダイナミックナ山並が続く。南側はコルを隔てて笹ヶ峰、チチ山が大きく聳える。


            北側に黒森山                            沓掛山の山頂

西側には桧の生えた大きな岩が鎮座する。残念だがその向こうに見える石鎚の山並はガスに隠れて今日は見えない。岩の西側を少し散策してみたが次第に笹が深くなるので引き返し、山頂からの雄大な眺望を堪能してシコクシラベの生える沓掛山を下って行った。


            東に赤石山系                           南にチチ山笹ヶ峰

《コースタイム》 下津池 40分(車)→登山口 60分→宿 30分→西山越え 40分→沓掛山頂上 35分→
           西山越え 15分→宿 40分→登山口  歩行時間 3 時間 40分 難易度 12B45
           駐車場 登山口に15台程 登山道 整備されている
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