四国山岳紀行 No212-010528 橡尾山(とちおやま) 1222m △3(栃尾)
                愛媛県四国中央市/高知県大豊町 地図 野鹿池山(南西)  山岳紀行トップヘ


                        脊梁山脈に聳える橡尾山

四国横断自動車道、笹ヶ峰トンネルの西方の県境にカガマシ山1343m と橡尾山1222m がある。最近両山に跨る約100haのブナ原生林が脚光を浴びている。またカガマシ山に至る支尾根のシャクナゲの群生は県下一と言われ、花時にはピンクに彩られる。両山の登山口は県道川之江大豊線の笹ヶ峰随道の愛媛県側の1キロ手前に登山口の標識がある。ここから急坂を支尾根に取り付く。


                          県道脇の登山口

植林帯の中を30分ほど登って行くと、ブナ原生林とシャクナゲ群生地に向かう遊歩道との分岐に着く。右へ真直ぐ行けば遊歩道で、左の急坂を登って行けば峠に向かう登山道である。ここから少し左に登って行くと切り開けのある見晴台に着く。見晴台からは東に展望が開けて奥に塩塚峰が見えているが、周囲の樹木が生長して来ているので、ここからの展望の視界が遮られつつある。周囲にはホンシャクナゲが咲いており、目を楽しませてくれる。


            沢を二箇所渡る                           オオガクウツギ

分岐に戻って遊歩道をシャクナゲ群生地に向かう。植林帯を過ぎて途中に水の流れる沢を過ぎる頃から、原生林に変わってブナを始めとする大木が所々に見受けられるようになる。林床に咲くガクウツギの白い花が目立って来る。


                         清々しい原生林を行く

二つめの水量の多い沢を跨いで進んで行くとシャクナゲ群生地に辿り着く。樹冠一杯に濃いビンクから薄いピンクまで、びっしりと大きな花を付けた様は豪華である。シャクナゲのトンネルを潜りながら急な支尾根を主稜線へと登って行く。


                      シャクナゲの支尾根を登って行く

支尾根を登り詰めるとやや平坦地に出るが、再び右の尾根に取り付いて急坂を登って行くと、主稜線の尾根道に飛び出す。カガマシ山へは右(西)に歩を進める。岩場にかかると背後に視界が開けて橡尾山から、東にかけての山並が広がる。このコース随一の展望のある場所だ。


                       自然林の中の主稜線への登り

南東に高知県の山並、手前に峰続きの橡尾山、その向こうに野鹿池山から黒滝山にかけての山塊、更に遠く剣山系の山並が霞む。南側には白髪山が大きく聳える。笹がしだいに深くなってブナの若木が目立つようになると頂上は近い。笹を掻き分けながら進むと山頂標識と三等三角点のある頂上に着く。頂上付近は雑木と笹に囲まれて視界が望めない。


                        笹原の空間に三等三角点

ここから更に西の佐々連尾山方面に縦走路があるようだが、利用する人がいないのか道は笹の中に消えている。江戸時代の古事記によると、この山頂からの眺望は非常に見晴らしが良い所であったと記されているが、時代の流れと共に現在は周囲の樹木が生長して展望は無くなっている。往路を引き返し橡尾山へと向かう。


                        岩場からは眺望が開ける

頂上近くの笹原の中には僅かながらブナ林が成長している。そこから少し下った稜線から外れて北に視界のある木陰で休憩を取る。眼下に広がる山並を眺めていると自然は本当に壮大なものだ。人間は大自然の中ではアリのような小さな存在に思えてならない。こうして山を歩いていると身体も心もリフレッシュして、明日への活力が湧いてくる。


                         稜線を橡尾山へ向かう

単調な稜線の切り開けの中を1キロ近く進むと橡尾峠に着く。峠手前の鞍部はススキが茂って夏場は歩きにくい。峠は高知県仁尾ヶ内方面からと愛媛県側の登山口から登って来た道と稜線道との十字路になっており、帰りはここから左(北)に下り、登って来た登山口に下るようになる。橡尾山へは稜線道を真直ぐ進んで行く。


                        峠から東へ橡尾山へ向かう

最初は広い稜線なので、踏み跡と目印を確認して進まなければルートを外し易いので注意しょう。橡尾山まではあまり整備されていないので、スズタケが絡んできて倒木などがあり、足元が見えなく歩きにくい箇所がある。泳ぐように笹原を通過して樹林帯に入り、笹ヶ峰方面に延びる道を見送って右に少し進むと頂上に着く。周囲は鬱蒼とした樹林に囲まれて眺望は無い。


                      橡尾山の山頂は林の空間に三角点

狭い空間に三等三角点だけが寂しく立っていた。往路を峠まで下って北へじぐざぐとブナの原生林を下って行く。二抱え以上もあるブナの大木が天高く聳えて森林を形成している。小鳥がさえずりオゾンたっぷりの爽やかな空間だ。ブナ林を過ぎると道の悪い所があるので、注意して滑らないように下って行けば最初の遊歩道に出る。後は登山口まで植林帯の中の往路をを下って行く。

《コースタイム》 新宮インター 20分(車)→登山口 25分→遊歩道分岐 25分→シャクナゲ群生地
          45分→主稜線 25分→カガマシ山 40分→峠 20分→橡尾山 15分→峠 25分→
          遊歩道分岐 20分→登山口 歩行時間4時間  難易度 12B45
          登山道 シャクナゲ群生地までは良い 他はやや悪い 支尾根 悪い踏み跡程度
          駐車場 無 登山口の路肩に3〜4台可
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