四国山岳紀行No207-010511 稲叢山(いなむらやま) 1506m △1(稲村ヶ台)
                          高知県土佐町/いの町 地図 日比原(北東)  山岳紀行トップヘ


       大座礼山から見た稲叢山と西門山               平家平から見た稲叢山と西門山の山塊

ほぼ四国の中央部に長い峰を横たえる山塊がある。西端に1506m の稲叢山、そして峰続きの東側に1497m の西門山がある。登山口は高知県本川大橋ダム側の本川揚水発電所前から、峰越え林道一の谷、脇山線を登り、稲村トンネルを抜けた所が両山の登山口となっている。また土佐町側から黒丸を経由して稲叢ダム湖を目指すルートもある。


                     石積み式ダムの稲叢ダム湖と稲叢山

稲叢ダム湖は夜間余った電力で大橋ダムから揚水して、本川発電所で発電する調整池で、最大60万キロワットの高知県下の電力消費分を、ほぼ賄える電力を供給している。稲叢ダム湖は面積2キロ平方メートル、深さ80m あり、静かな湖面に稲叢山の影を映している。今回は稲村トンネル南口にある登山口から登ることにした。


                       稲村トンネル南口から登って行く

確かりとした登山道はモミやブナの茂る中を登り詰めると、「窓」と呼ばれている峠のような所に着く。右西門山、左稲叢山と書かれた道標がある。西門山へは時間があれば帰りに寄ることにして稲叢山へと歩を進める。道脇には季節の草花が咲き目を楽しませてくれる。


                        シコクスミレとミヤマカタバミ

シコクスミレ、マルバコンロンソウ、ホソバツクバネソウ、ミヤマカタバミが咲き、トサノミツバツツジの紫紅色の花が新緑に映えて美しい。緩い坂を登って尾根に出ると樹齢100 年以上と思われる、アケボノツツジの古木が花のトンネルで迎えてくれた。視界が北に開けて県境のダイナミックな山並が眺望できる場所だ。


                        アケボノツツジの古木がある

送電鉄塔の下をくぐり、コルに下りて尾根の東側を巻きながら、ブナを始めとする原生林の中をトラバースして行くと、稲叢ダム湖から登って来た登山道と合流して尾根道を行くようになる。登るに従いミツバツツジとアケボノツツジが華やかに迎えてくれる。紫紅色のミツバツツジとピンクのアケボノツツジの花の競演が暫らく続く。


           岩盤の山頂にでる                        稜線からの脊梁山脈

尾根の開けた所からは北に伊予富士や寒風山、笹ヶ峰、平家平などの脊梁の山並がダイナミックに峰を連ねている。そんなわくわくするような尾根を暫らく進んでシャクナゲ林を抜けると、開けた稲叢山の頂に飛び出す。頂上には祠と二等三角点と山名標識、岩盤の頂上は狭いが眼前に第一級の展望が開ける。


                        山頂からの眺望は雄大

暫らく素晴らしい眺望を楽しもう。眼下には大橋ダムが蒼く水を湛える。目を北に転じれば伊予富士から瓶ヶ森にかけての山並、その奥に石鎚山、西に筒上山と手箱山、南に戸中山、奥に雨ヶ森が霞む。春霞のため太平洋までは望めない。東にはこれから向かう西門山が大きく見えている。


           眼下に大橋ダム湖                         頂上にかかる岩壁

頂上の西側は岩壁となっており、ちょっとしたスリルが味わえる。見飽きたら無い眺望を楽しみ稲叢山を後にする。窓と言われる分岐点に戻り、西門山のコースに入って行く。稲叢山とは対照的に西門山への登山道は極端に踏み跡は薄くなる。所々背丈ほどある笹を掻き分けながら進んで行く。


          窓の分岐から西門山へ                      前山が立ちはだかる

途中ブナやヒメシャラなどもあり、林を抜けるとアケボノツツジが迎えてくれる。やがて正面に黒々とした西門山の前山が姿を現すと、道はコルまで落ち込んでいて木に掴まりながらの急降下となる。ブナの原生林と笹原の広々としたコルを抜けると、両側が切り立った岩壁の底のガレ場を登って行くようになる。


         岩間のガレ場を登って行く                      山頂手前広場の標識

いわゆる自然に出来た岩の門である。西門山の山名はここから来ているらしい。岩の間の滑り落ちそうなガレ場の急坂を登りつめて、シャクナゲ林を過ぎると再び尾根を行くようになる。ここからもアケボノツツジが華やかに迎えてくれる。小高いピークを幾つか越えながら少し下ると、窓の分岐から1時間30分ほどで、西門山の山名標識の立つ広い開けた中継反射板跡地のコルに着く。


                   稲村ダムより流れ出る瀬戸川とアメガエリの滝

ここからの眺望は北に笹ヶ峰辺りが望める。三角点のある場所へは更に林を潜って15分程の林の中にある。あまり歩かれていない山なので、登山道はやや荒れている箇所があって迷いやすい所もあり、初心者が一人で入るべきではない。西門山はルートハントできる中級者向きである。

《コースタイム》 稲村トンネル登山口 15分→窓 20分→鉄塔 20分→分岐 35分→稲叢山 1時間→ 窓
          40分→コル 45分→広場 15分→西門山 1時間30分→窓 10分→稲村トンネル登山口 
          歩行時間 5時間 登山道 稲叢山は整備されている。西門山 悪い
          駐車場 登山口に有り 難易度 稲叢山 1A345 西門山 123C5
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