四国山岳紀行 No193-000512 東光森山(ひがしみつもりやま) 1486m △3(東三森)
                     愛媛県新居浜市/高知県大川村 地図 弟地(南西)  山岳紀行トップヘ


        第一のピークから見た東光森山                 アケボノツツジの古木が見られる

東光森山は昔「東三ツ森山」と記されていたが最近は「東光森山」と記されている。名前の由来は定かでないが西の三ツ森山に形が非常によく似ているのである。というわけで東三ツ森山といわれるのも頷ける。三ツ森という名前の由来は諸説があるが、現実的には三つの連なる森(山)から来ていると思う。東光森山は自然林に覆われて芽吹きの季節には、山頂一帯はアケボノツツジやタムシバが咲き競い、遠くから見ると山全体の森が光っているように見えるからかもしれない。


           大田尾越の登山口                         岩場を越えて行く

この山の登山口は県境の大田尾越え(1100m) 南側から取り付くが、急峻な箇所があるので滑らないよう注意を要する。登山道は峠の道路わきから始まり林の中へと分け入って行く。少し登った第一峰の手前からは、早くもシャクナゲやアケボノツツジの花が眼に飛び込んでくる。岩峰を巻いて第一峰の急な登りにかかる。白く立ち込めた霧の中に浮かびあがるアケボノツツジの淡いピンクがよく映える。


          霧の中のアケボノツツジ                       シャクナゲも見られる

急坂を登った所にこれまた鮮やかにシャクナゲが咲いている。しっとりと霧露を纏ったブーケのような花弁はことなく美しい。静かな空間に小鳥のさえずりを聞きながら、山界標柱のある第一峰のピークを通過する。周囲は霧に覆われ眺望は無い。少し下って第二峰の登りにかかる。道筋にはミツバツツジが競い咲き苦しい登りも退屈しない。


          ピークにある山界標柱                        ミツバツツジも美しい

第二峰ピークにも山界標柱があり、ここからは割合平坦な道が暫らく続いて、峰の東端の小さな岩場を越えると再び下って行くようになる。ガスが無ければここからの眺望もよく、西には大座礼山から平家平までもが見えるはずだ。そして眼前に大きく東光森山がせまっているに違いない。そう思いながら次のコルへ下って行くと、急にガスの切れ間に黒々とした東光森山の山頂付近が現れた。


                        ガスが切れて山頂が姿を現す

ガスの流れが速く、すぐ消えてはまた現れる。南から北へガスが吹き抜けて行く。天候回復の兆しだ。生き物のように激しく渦巻きながら流れるガスと、原生林に覆われて黒々と立ちはだかる東光森山は、まるで動く墨絵のようである。コルを過ぎていよいよ第三峰目の東光森山の急坂にかかると、薄日が射し始めて幾筋もの斜光が森の中の霧に映し出され、周囲は光と森の幻想の世界となる。


          射光がもれて幻想的                           霧のいたずら

一瞬ではあるが正に光る森の正体を見た。これは作り話ではなく現実であり、すべて私の山岳紀行は私自身が実写記録しながらの山行なので、ここに記している事が事実かどうかは、ビデオ 「四国山岳紀行」 を参照して頂くと納得できるはずである。そんな光景を目にして深い原生林の中の急坂を登って行く。芽生えたばかりの新緑の中に、ひときわ鮮やかに咲くミツバツツジが眼を癒してくれる。


         岩場を巻きながら登って行く                    岩場の上からは絶景が

前方に現れる大きな岩場を北に巻きながら急登して行くと、ちょっとした台地の尾根に出る。岩の上に立てば眼下に今歩いて来た西側の眺望が開ける。ここから再び道は険しくなるが、岩場の周辺には樹齢100 年以上と思われるアケボノツツジが、樹幹一杯に花を着けて乱れ咲く姿は壮観である。


                       壮観 ! 賑やかに咲くアケボノツツジ

苔むした岩の点在する原生林の中を登って行くと、頂上直下の傾斜角40度は近いだろうか、支えが無ければ滑り落ちそうな急坂を登り詰めて、アケボノツツジの下を潜ると南に視界が開けて、頂上までワンピッチである。


                       急坂を登りつめると頂上に着く

息を弾ませながら登って行くと、嶺北ネイチャーの山名標識と三等三角点のある山頂に着く。狭い頂上は林に囲まれていて展望は無いが、今日は西に大座礼山が雲間に少し見える程度である。
ここから東に林の間を縫って野地峰方面に稜線道の踏跡が延びているようだが、途中にはこの東光森山のようなピークが幾つか控えており、ブッシュと岩場の連続で縦走は困難を極めるだろう。熟練者以外は入るべきコースではない。


                       ガスがかかり眺望はいまいち

眺望が望めないので少し休憩して頂上を後にする。アケボノツツジを鑑賞しながらコルまで下ると、正面に大座礼山、その向こうの雲の切れ間から沓掛山が顔を覗かしている。前景にはミツバツツジが花を一杯つけて風に揺らいでいる。絵になる風景だ。


         珍しいシロバナミツバツツジ                        南側の眺望

新緑とツツジ、花は終わりかけていたが珍しいシロバナミツバツツジもあった。登山口の峠からは二ッ岳から東赤石山にかけての雄大な山並が手に取るように見えている。この山の見所は何んといっても、乱れ咲くアケボノツツジとミツバツツジだろう。良い花の季節に登れた正に光る森の東光森山であった。


                     乱れ咲くミツバツツジとアケボノツツジ

《コースタイム》 登山口 40分→第一峰 20分→第二峰 10分→コル 40→頂上 30分→コル 50分→
          登山口 歩行時間 約3時間10分  難易度 123C5
          駐車場 登山口に2台 峠の路肩 登山道 よく踏まれている 急坂多い
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