四国山岳紀行 No176-990601
石室頭(いしむろかしら) 1682m △無
愛媛県新居浜市/四国中央市
地図 別子銅山(南東)

険しい八巻山の岩峰
瀬戸内海の海岸近くに聳える石鎚山系の支脈の赤石山系、その中心をなす主峰の東赤石山から西に続く岩稜は橄欖岩からなり、鉄分を含んで赤茶けた色をしている。四国の山の中でも特異な地質を形成している。その中でも八巻山一帯は峨々たる岩稜が続き、この山特有の珍しい高山植物も見られる。八巻山→石室頭へは東赤石山へのコースを取り、赤石越えからアタックすることにした。

豊後から見た奥に東赤石山 筏津登山口から登り始める
別子山の筏津登山口から登り始める。登山口から20分程で昔集落のあった、豊後という瀬場登山口からの合流点に着く。林を抜けると視界が開けて奥に目指す赤石の岩峰が姿を現す。間もなく最初の水場に着く。ここからは急坂となって八間滝の右岸に高巻して行くようになる。この時節、新緑が瑞々しく林床にはガクウツギなどの白い花がこぼれ咲く。急坂を登りつめて行くと八間滝が近いのか滝の音が大きくなって来る。

八間滝の右岸を高捲する 長い瀑を落とす八間滝
南側には谷を隔てて東光森山が三角錐で聳えている。対岸に流れ落ちる八間滝を木の間越しに見て水平道を行くと、谷へ下って丸木橋を渡るとすぐ上に分岐点の標識がある。左へ行けば赤石山荘へ直接通ずる道、今回は右に東赤石山へのコースを取る。じぐざぐの植林帯の中を登り切ると、南に視界が開けて東光森山と大座礼山が仲良く肩を並べているのが見える。

滝の上からは沢を渡って左岸へ取り付く
道は水平道となって朽ちかけた丸木橋を二つほど渡って小さな滝の上に出る。梯子を登って川原状の沢を横切って左岸に取り付く。沢筋にはこの時節ヤブデマリなどの白い花が目に付く。樹林の切れ間からは南側の眺望とそして目指す赤石の岩峰が迫って来る。植林帯の登りから決壊場所を過ぎると沢上部の水場に着く。ここから一時間ほどのきつい登りにかかるので一休みして行こう。

沢上部の水場からは岩場の登りが続く
ここからは単調な急登が続くが、周囲の自然林と小鳥のさえずりなどが心地よく疲れを癒してくれるので、ゆっくりゆとりを持って登って行こう。長い急坂を登り詰めるとトラバース道に出る。左に進むと視界が開けて赤石越えへの分岐点に着く。真直ぐ進めば赤石山荘へ、赤石越えへは右の胸突きの急坂を登って行くと15分程で赤石越えに着く。

岩稜から峨蔵山塊を望む 赤石越えから西に進む
東赤石山へはここから右に10分余り、今回は左にコースを取り八巻山へと向かう。岩峰に立ち振り返ると東赤石山の屹立した岩峰が聳え、その向こうに権現山から二ッ岳にかけてのアルペン的な山塊が連なり、この尾根に立った者のみが味わえる素晴らしい展望が開ける。眼下には土居町から新居浜市にかけての街並みが広がり、瀬戸内海へと続く。

稜線に咲くホンシャクナゲ 岩間に咲くキバナノコマノツメ
この時節の高山植物が岩間に彩を添える。ホンシャクナゲ、キバナノコマノツメ、ユキワリソウ、シライトソウ、などが風に揺れる。赤石越えより岩稜を越えながら30分程で八巻山1689m
の頂上に着く。ここからの眺望は 360度、暫らく頂上からの雄大な眺望を楽しもう。西には笹ヶ峰から黒森山にかけての山塊、その吊り尾根の奥には石鎚山が頭を覗かしている。

八巻山頂上に立つ 八巻山から東赤石山
東には権現山から二ッ岳にかけての峨蔵山系が聳え、その左奥に赤星山が肩を張る。南側は重畳たる脊梁山脈が連なる。北側は瀬戸内海燧灘が広がり霞に消えている。西側はこれから向かうアルペン的な岩稜が続いている。八巻山を下ってコルから再び岩稜に取り付き、アップダウンを繰り返しながら石室頭に向かうスリルに満ちた岩稜歩きが続く。

石室頭から前赤石へと険しい岩峰が続く
滑り落ちそうな急坂を岩を掴みながら石室頭1682m のピークに辿り着く。周囲は足元が切れ落ちて目眩がするほど高度感のあるビークだ。眼前には前赤石1677m
のピークが屹立して、その向こうに西赤石山が頭を覗かせている。

切れ落ちた険しい石室頭に立つ
何処までも続く壮大な岩稜は小規模ながら四国の北アルプスと言っても良いほどだ。石室頭から少し西へ下った所から、踏跡を南に下れば赤石山荘に着く。頭から覆い被さるような八巻山の岩峰が印象的であった。
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厳しい環境に咲く雪割草(左)と白糸草(右)
《コースタイム》 筏津登山口 20分→豊後分岐 20分→八間滝 15分→瀬場谷分岐
25分→
滝上の沢 40分→沢上部水場 60分→トラバース道 15分→赤石越え分岐
20分→
赤石越え 20分→八巻山 40分→石室頭 30分→赤石山荘 3
時間→瀬場登山口
歩行時間 約 8 時間 難易度 1234D
駐車場 筏津山荘上側に有り 登山道 整備されている 稜線は悪路
