四国山岳紀行 No152-980802 八巻山(はちまきやま) 1698m △無
                    愛媛県新居浜市/四国中央市 地図 別子銅山(南東)  山岳紀行トップヘ


                     東赤石山の西に聳える岩峰の八巻山

八巻山1698m は東赤石山の西側に連なる岩峰で、四国一の高山植物のメッカーとして知る人のみが訪れる山である。この山へは赤石越えから西へ岩稜を辿るコースと赤石山荘から直接目指すコースがある。今回は北側の五良津方面からアタックすることにした。国道11号線関の戸峠から 「東赤石山登山口」 の案内板に従い、高速道路の橋げたを潜って関川沿いに五良津林道を5キロほど辿ると住友鉱業赤石鉱山索道中継所の有った河又集落跡に着く。

ここから更に林道を少し行くと、柾木の滝方面との分岐を左に見送って更に 3.5キロほど進むと本沢に出る。ここは02年の台風で橋が流され林道も一部崩壊した。05年に復旧工事は完成したが本沢から上の林道はまだ土砂崩れのままなので、本沢の上の沈下橋から先は車は進めないので、ここから1.5キロ先の登山口まで30分余り荒れた林道を歩くことになる。


                       林道脇にある五良津登山口

正面に権現越えのガレ場が見えて来ると登山口は近い。右側にある登山口の標識に従い林の中へ分け入って行く。道は荒れていて歩きにくい所があるが高度を稼いで行くと、ヒノキ林の中で右から来た旧登山道と合流する。踏跡を道なりに進んで行くと次第にシャクナゲが見られるようになり、辺りはヒノキや五葉松の大木が多くなり木の根が絡み、足元は苔むして深山に入った雰囲気が漂う。


                     原生林の中を登って行くと氷穴がある

古い朽ちた桟道や梯子などを跨ぎながら、暫らく深い森林の中を登って行くと 「氷穴」 の下にに着く。ここは昔冷蔵庫がわりに貯蔵庫としていたようで、薄暗い岩穴の中は夏でもひんやりとした冷気が漂い、少し居ると寒いほどである。氷穴を見学して朽ちた桟道を注意しながら渡り、少し行くと岩の洞窟から清水が流れ出る水場に着く。この先は上部からの崩壊場所があり、ここに来て始めて東に視界が開ける。


                     赤石権現からはガレ場の急登が続く

道は南側に回りこんで鉱山跡への廃道を左に分けて、赤石権現の祠のある場所に着く。周囲は五葉松が生長している。ここからはガレ場の急登が1時間あまり、赤石越えまで続く正念場だ。岩の上はよく湿っていて滑りやすいので注意しながら登っていこう。息があがりうんざりする頃、頭上に八巻山の岩峰が見えて来ると赤石越えは近い。


           アカイシゴヨウマツ                         赤石越えから西へ

石垣の上の広場は索道基地跡で、高く築かれた石垣は城壁を思わせる。近くには水量は少ないが水場がある。ここからシャクナゲの間の急坂を登りつめると赤石越えに出る。ここは十字路となっており、左に向かえば10分あまりで東赤石山の頂上に立つことができる。今回は左に進んで八巻山へ向かう。


          峨々たる岩稜が続く稜線                     固有種のオトメシャジン

小権木の間を潜ると岩峰の登りとなる。さりとて危険ではないが小規模ながら、穂高の岩稜を思わせる少々のスリルが味わえる。岩間にはこの時節、この山にだけ生育するオトメシャジンが、薄紫のスズランのような可憐な花をつけて風に揺らいでいる。他にコウスユキソウ、タカネマツムシソウ、シラヒゲソウ、イワキンバイなど目を楽しませてくれる。


                         岩間に咲く高山植物

岩場のアップダウンを繰り返しながら、赤石越えから30分ほどで八巻山の頂上に着く。振り返ると東赤石山の頂がこの山域の盟主に相応しく堂々と聳えている。西側には前赤石までの峨々たる岩稜が連なり絶景である。北側からはガスが吹き上がっては消えて行く。南側は霞んでいて遠望は利かない。岩場で暫らく休憩して往路を下って行った。


                      八巻山山頂から東赤石山を望む

《コースタイム》 新居浜インター 15分(車)→関の戸峠 20分(車)→河又 20分(車)→登山口 10分→
          旧道分岐 1 時間10分→氷穴 20分→赤石神社 1 時間10分→赤石越え 30分→
          八巻山 30分→赤石越え 45分→赤石神社 1 時間25分→登山口  
          登山道 少し荒れている  難易度 123C5
          歩行時間約 6 時間30分(林道復旧工事終了までは約 7 時間30分)
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