四国山岳紀行 No146-980531 西赤石山(にしあかいしやま) 1626m △3(銅山)
                            愛媛県新居浜市 地図 別子銅山(南東)  山岳紀行トップヘ


         岩場から南東方面を望む                       銅山越えより西赤石山     

新居浜市街方面から見ると南に大きな山脈が屹立している。その中央部に聳えているのが西赤石山である。今回は渓谷と稜線付近の景観を撮影に別子山側から登った。別子ダム側の日浦登山口からのコースをとる。登山口には大きな案内板があって鉱山の遺跡が記されている。その側の広い石段を上って行くとこの時期、赤いヤマツツジ、沢筋には咲き始めた青いヤマアジサイや白い花のガクウツギが迎えてくれた。


                        ヤマツツジとヤマアジサイ

繁栄の昔を偲ぶ広い道はよく整備されており、小足谷川に架かる最初の板橋を渡ると、すぐ先には煉瓦の塀だけが残る「接待館跡」があり、傾いた塀の下には黄色い花のサワギクが咲いている。そこを過ぎると今度は劇場跡などがあり、また学校跡、病院跡などが続き、当時の繁栄振りが偲ばれる。その前から谷を覗いて見ると砂防堤から落ちる水は滝となって深い谷に落ちている。


                        小足谷川と途中にある滝

道は間もなく橋を渡って右岸を行くようになる。やがてパイプから水の湧き出る広場に着く。ボーリングの際、地下水脈に当りダイヤのビットが取残されたので、ここを「ダイヤモンド水」と言うようになって、以来絶え間なく清水が湧き出ているという。ここを過ぎると左に小滝を見て深い谷に架かる板橋を渡り、左岸に出て坂を上がり再び小さな吊橋を渡る。


          湿地に生えるサワギク                         オオガクウツギ

谷を覗くと赤茶けた溶岩の異様な渓谷の佇まいを見せている。この先砂防堤があって谷は川原状となり、対岸には溶鉱炉跡の赤茶けた崩壊地が見えて来る。少し進むと間もなく道脇に道標が現れる。真直ぐ進めば「目出度(めった)町跡」を経てとなっているが、帰りのコースに使うことにして、今回は右に折れて谷に架かる鉄板の橋を渡り、梯子を上って左岸に取り付き寛政谷コースを行く。


             ベニウツギ                             川原状の本谷

急坂を登り詰めると分岐があって指導標に従い銅山峰へのコースをとる。少し進んで再び谷の砂防堤の上を歩いて対岸に取り付く。下を見れば目が眩みそうだ。砂防堤の縁にはロープが張られているので注意して渡ろう。急坂を登って行き、道は本谷側に回り込んで石畳の道をトラバース気味に登って行くと、右に坑道の穴が見えて来る。


           銅山越えより東山                          岩場の多い本谷

対岸にある遺跡の説明板などを見ながら進んで行くと、目出度町跡経由で登って来た道と合流する。ここから再び急坂を登って行くと、右側奥に最初に作られた歓喜坑跡に着く。辺りは整備されて水場もあり、休憩には良い場所だ。登山道に戻って急坂を進むと牛車道との分岐に着く。左へ行けば牛車道経由で銅山越えに行けるが近道を行く。


            ツガザクラの実                           東山のザレ場

急坂は身に堪えるがどんどん高度を稼いで行く。南側に開ける眺望が素晴らしい。息を弾ませながら葛篭折れの急坂を登り詰めると、牛車道から登って来た道と合流する。ここから道は緩やかになってワンピッチで銅山越えに着く。ここは東西に延びる縦走路と峠越えの交叉する場所で、当時に別子山から新居浜へ鉱石や生活物資を運んでいた中持衆の安全を願って、石垣の中にお地蔵さんが祀られている。


                        トゲアザミとヒオドシチョウ

そんな昔を偲びながら地蔵さんの石垣の横を通って、西赤石山への稜線道に入って行く。岩場にさしかかると、今は花の時期は終わっているが赤茶色の実を着けたツガザクラが群生している。ツガザクラは本州では 2.500m 前後の高山にしか生育しない植物が、どうして四国のこの山だけに生えているのは誠に不思議である。小高い東山にもツガザクラが一面に群生している。



                       岩場からはパノラマが広がる

ヒュッテからの分岐を過ぎて崩壊地のコルにはトゲアザミの紫紅色の花が鮮やかだ。再び少しきつい登りが尾根まで続くが距離は短い。落葉松林の尾根に出ると道は緩やかになって、林の中を少し下って行き、登り返して岩場を越えて行くと、前方に西赤石山の山頂が大きく迫ってくる。岩場を二つほど越えて行くと山頂だ。


          眼下に新居浜市街                           岩場から大座礼山

岩場からの眺望は高度感があり、今登って来た稜線が眼下に、北側は岩山の向うに新居浜市街が俯瞰できる。笹ヶ峰と沓掛山のコルに石鎚山が頭を覗かしていて印象的である。山頂からは南に平家平を始めとする脊梁の山々が連なり、眼下には別子ダムが青く光る。東に目を移せば縦走路の果てに東赤石山塊の岩峰がが聳えている。


           梢で鳴くカッコウ                          山頂より東赤石山塊

銅山越えからの下りは牛車道を下って行く。至近距離でカッコウが鳴いている。めったに見られぬ鳥なのでそっと近ずいて観察する。鳩を細長くしたような以外と大きな鳥だ。木の枝先に止まって盛んに鳴いている。そんなのどかな山道を銅山の遺跡を眺めながら西赤石山を下って行った。

《コースタイム》 日浦登山口 20分→接待館跡 20分→分岐 30分→歓喜坑 20分→銅山越え
          30分→東山 60分→西赤石山 1時間15分→銅山越え 1時間15分→日浦登山口
          登山道 整備されている 歩行時間 5 時間30分 難易度 12B45
          駐車場 登山口に有り
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