四国山岳紀行 No144-980429 梶ヶ森(かじがもり) 1400m △1(大兀森)
                               高知県大豊町 地図 東土居(南西)  山岳紀行トップヘ

                        吉野川の奥に聳える梶ヶ森

梶ヶ森1400m は高知県大豊町にあり、古くから多くの人に親しまれてきた。頂上まで車道が延びて車で登れる山であるが、やはり歩いて登ってこそ自然の醍醐味が味わえる山である。今回は七合目にある龍王の滝への駐車場から登ることにした。ここから滝までは500mほどで静かな植林の木立の間の水平道を行く。


                        駐車場から登山開始となる

奥から滝の音が聞こえてくると道は勾配がきつくなり、岩混じりの道を登りつめると前方の木立の間に龍王の滝が見えて来る。手前で登山道と滝へ向かう道とに分かれるが、右にコースを取り滝へと向かう。この滝は平成二年日本の滝百選に選ばれており、水量豊富な落差20m の瀑となって落ちている。周囲は針葉樹や落葉樹の古木が多く深山の趣を醸し出している。


                      龍王の滝を左に巻いて登って行く

滝からは定福寺奥の院450m、山頂へ1910m の指導標識に従って滝を左に巻いて登って行く。滝の上部に出ると更に小さな滝が連続しており、ここからの眺めも捨てがたい。龍王の滝の上へは登山道から離れてシャクナゲの茂る子尾根をつめて沢に下りると滝の落ち口に着く。真下に滝壷を見ることができるが転落しないよう注意が肝心だ。


                       爽やかな渓流沿いに進んで行く

滝から上は小滝の連続する広い渓流沿いを緩やかに登って行くようになる。登山道脇にはこの時期スミレなどが群落を作り、可憐な花びらをそよ風になびかせている。他にイチリンソウなども目に留まる。間もなく林の間に真言宗の定福寺奥の院が見えて来る。この辺りは史跡であり、弘法大師の若き頃の修業地として色々の伝説がある。


                         イチリンソウとツボスミレ

その観音像は弘仁年間(810〜823年)檀林皇后の願いにより弘法大師の御作と伝えられ、その昔に源の頼光が酒天童子を征伐す。万事この菩薩に願い立てて無事に目的を達せられたと言う。京都の北老の坂印幡堂より明治14年ここに勧請して堂宇を建立して祀られたとある。この奥の院は十一面観世音菩薩、第一番霊場とされて現在に至り信仰されている。


                        定福寺奥の院から右へ進む

ここから道は二つに分かれて真直ぐ急坂を登って行くと、大師が座禅を組まれたと言う岩間堂がある。今回は右にコースを取って真名井の滝を経由して頂上に向かうコースを取る。清々しい新緑の中を谷を渡り、急坂を登って行くと真名井の滝の下に出る。真名井の滝の側には不動明王が鎮座し、二段の滝となって落差40m の崖を滑り落ちている。


             真名井の滝                          真名井の滝へ向かう

滝の横の絶壁には鎖がかかり、新しい鉄製の階段が付けられて、それを上って滝の上に出る。滝の上に出るとその上にも大きな滝がかかり、それらを巻いて登山道は急登する。滝の横の急坂を登りきった所がシャクナゲの森で、辺りはシャクナゲやカエデが茂る静かな空間である。ここから道は左右に分かれる。


         シャクナゲの森の道標                         真名井の滝の上へ

左へ行けば山荘梶ヶ森まで 750m 梶ヶ森頂上までは1750m、右に行けば天狗の鼻まで 440m、山頂までは1090m の道標が立つ。今回は右のコースを取る。シャクナゲの森を抜けると足元に熊笹が広がり、静かな森林の中を行くようになる。ブナの大木もあって所々にミツバツツジノ咲く心の落ち着く空間である。


          東に1290m峰が聳える                       静かな自然林の中を行く

階段状の登りにかかると視界が開けて、東側の1290m 峰が大きく聳えて谷間の空間をミツバツツジがピンクに染めている。息を弾ませながら登りつめると、釈迦地蔵の鎮座する天狗の鼻に出る。前方に中継塔の建つ梶ヶ森の頂上が目に飛び込んでくる。ここから山頂まで650mの道標が立つ。


                        天狗の鼻から山頂を望む

釈迦地蔵の後ろの天狗の鼻の先端に立つと、足元は深い絶壁となって宙に浮いたような高度感に足がすくむ。転落しないよう注意しょう。対岸には梶ヶ森の頂上が大きな山塊で迫っている。ここから頂上へはキャンプサイドまで下りて、車道を横切りながら階段状の急坂を一気に登りつめると、一等三角点のある梶ヶ森の頂上である。


                          頂上に一等三角点

側の祠の中には三面合神が祀られている。頂上付近は中継塔が多数建ち、山の景観を損ねているが眺望は素晴らしい。眼下に吉野川の流れ、その奥に国見山と中津山、東には遠く東の雄、剣山系の山並、そして西には遥かに遠く西の雄、石鎚山系の山並が連なる。梶ヶ森は素晴らしい眺望の山であった。


        登山道が頂上まで延びている                    山頂は中継塔が立ち並ぶ

《コースタイム》 龍王の滝駐車場 15分→龍王の滝 20分→奥の院 15分→真名井の滝 10分→
          シャクナゲの森 30分→天狗の鼻 30分→頂上 20分→天狗の鼻 30分→真名井の滝
          10分→奥の院 15分→龍王の滝 15分→駐車場 歩行時間 約 3 時間30分
          登山道 整備されている 難易度 12B45
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