四国山岳紀行 No141-980414 雨霧山(あまぎりやま) 360m △4(雨霧山)
                        香川県善通寺市/多度津町 地図 仁尾(北東)  山岳紀行トップヘ


       白方からの雨霧山(左)と弥谷山(右)                   隠し砦跡から見た雨霧山

雨霧山と弥谷山は香川県善通寺市の北西にある五岳連山の北側に位置し、海岸寺方面から眺めると東に雨霧山、西に弥谷山と仲良く峰を並べている。白方の集落から雨霧山と弥谷山のコルに向かって車道をつめて行くと、突き当たりに石地蔵の立つ遍路道の登山口がある。


           石地蔵のある登山口                       小沢を跨いで左岸へ

登山道は沢沿いに登っており、所々沢の中を歩くようになる。シャガの花が目立つようになると岩壁の下に、弘法大師涅槃のお堂がひっそりと佇む。歩きにくい沢の中を通ったりしながら谷をコルに向かって詰めて行く。


          弘法大師修業涅槃堂                        沢が登山道となっている

杉の植林の下はシダが覆い茂り足元が見えないほどである。やがてコルが近づいたのか、じぐざぐを繰り返しながら高度を上げて行く。七曲の道脇には石地蔵がにこやかな表情で迎えてくれる。


        シダの茂る人工林の中を進む                     石地蔵が迎えてくれる

明るい稜線のコルに出ると、道標が立ち左へ行くと雨霧山、右に行くと弥谷山へのコースとなっている。先ずコースを左に取り雨霧山に向かう。所々木立の間から南西側の眺望が開ける。眼下には高松自動車道が西に伸びて西讃地方へ、そして正面に我拝師山が大きく聳えている。


          コルに出て左に雨霧山へ                     稜線道から南側の眺望

途中には隠し砦跡があるので立ち寄ってみた。稜線の北側に回り込むと林の中に、それらしき平坦な場所がその名残をとどめている。ここからは雨霧山の頂が間近に見えている。稜線に戻って進んで行くと間もなく険しい急斜面を登って行くようになる。


           隠し砦跡は何もない                        本丸跡への急な登り

途中少し登った所で道は左右に分かれ、左に向かえば井戸跡を経て本丸に着くが、道は険しく荒れているとあるので右へ 「犬返しの険」 と呼ばれる急坂を登って行く。あまり急坂なので犬でもここから登れなくなって引き返すのだろうか。急坂を登りつめて頂上近くの稜線に出る。



                      急坂を登りつめると本丸跡に着く

東側の採石場のユンボの音が聞こえてくるようになると本丸跡に着く。ここは雨霧山382mの最高点である。木立の間から眼下に採石場が見え、その向こうに高松自動車道が讃岐富士の飯野山に向かって延びている。本丸から東へ少し下りながら崖の縁を通って更に二ノ丸跡に向かう。



                        本丸跡から東側の眺望

道脇にはアマドコロや青い星型の花を付けたホタルカズラの群落、タンポポやヒメハギの花が風に揺らぐ。城跡の石標のある二ノ丸の平坦地を過ぎると、間もなく三角点のある三ノ丸に着く。


                       ホタルカズラとアマドコロ

ここは標高360mで北東端の方形郭で、昔は展望所として眼下の見通しが素晴らしい場所だったようだが、周囲は雑木が生長して今は見通しが悪くなっている。それでも木の間越しに北は瀬戸大橋や丸亀坂出方面、南は善通寺方面、我拝師山などが垣間見られるので砦としては最高の場所であったようだ。


                         雨霧山三ノ丸の三角点

天霧城城主香川乃景が天正 6年(1578)土佐の長宗我部氏の城攻めに会う。栄枯衰勢のつわどもどもの夢の跡がここにも寂しくその名残をとどめていた。そんな事を思いながら往路を弥谷山へと向かう。本丸を下って行くとシラカシの林の間に谷を隔てて弥谷山が手招きしている。稜線道には小さな黄緑の花房を垂らすミズナラの花、そして紅く色づいたヤマグミの実が目に付く。


           三ノ丸から五岳連山                        弥谷越えの石地蔵

コルまで下り二体の大きな地蔵さんの前を通り過ぎると、道は左右に分かれる。左へ行くと四国霊場71番弥谷寺へ下って行く遍路道で、弥谷山頂上へは右の送電線巡視路へと進んで行く。間もなく道が下りにかかる手前で稜線への踏跡に分け入って行き、稜線を外さず登って行く。薄暗い林の中の踏跡を登って行くと、20分程で林に囲まれた二等三角点のある弥谷山の頂上に着く。


                       弥谷越えから弥谷山へ向かう

周囲は権木が茂り見通しが利かない。林床にはコバノミツバツツジが咲いて少し明るさを添えている。ここから西へ踏跡を少し下ると、送電線巡視路に出る。少し北に進めば北東側に視界が開け、木立の間から多度津や丸亀市街と海岸線、先ほど登って来た雨霧山が見えている。


                   弥谷山山頂付近のミツバツツジと雨霧山を望む

再び往路を引き返し下山して行く。雨霧山は中世の豪族、香川氏の千早城と並ぶ要塞であり、1364年から1585年の 220年余りの間、名山城として難攻不落であったとされており、弥谷山と並んで古き歴史を秘めた山である。

《コースタイム》 白方登山口 10分→涅槃修行堂 20分→弥谷越 25分→雨霧山 20分→弥谷越え
          20分→弥谷山 15分→弥谷越 20分→白方登山口  歩行時間 約 2時間10分
          登山道 雨霧山稜線道は整備されている  難易度 12B45
          弥谷山へはやや荒れている  駐車場 無 登山口の路肩に
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