四国山岳紀行 No115-970518 大座礼山(おおざれやま) 1590m △2(大座礼)
                             高知県大川村 地図 土佐小松(北西)  山岳紀行トップヘ


         東光森山からの大座礼山                    瀬場谷からの大座礼山(右)

東光森山登山を果した私達は、引き続き向かいに聳える大座礼山に登ることにした。大座礼山(1590m) は四国のほぼ中央部に位置する、脊梁山脈の一部である。山頂部は少し高知県側に位置している。近年、山頂直下に四国で有数のブナの巨木があり、一躍有名になった。しかし尾根筋に生えているため、土壌の流失がひどく、徐々に根元を侵食していて、このブナの生命が危惧されている。

最近、登山口には一人一握りでもいいから、ブナの露出した根元に土を運んでほしいと、登山口にビニール袋と土を用意してブナの保護を訴えている。県境の大田尾越から高知県側に少し下ったカーブの所に登山口に至る林道入口がある。私達が大座礼山を訪れたときは、まだ林道改修工事も始っていなく、林道も昔のままであった。


                          大座礼山登山口

現在は林道の拡張と延長工事も完成して300m先の登山口までアクセスが容易になっている。沢の流れ落ちる緑豊かな登山口には、白い花を一杯着けたコンロンソウが群落を作って私達を迎えてくれた。沢の豊富な水がこの山の自然林の豊さを感じる。嶺北ネイチャーハントの登山口の標識に導かれて、いよいよ大座礼山へアタック開始である。


                        エンレイソウとツクバネソウ

急坂を駆け上がって暫らく植林と自然林の混生する中をつめると、水量豊富な沢に突き当たる。少し早いがこれからの急登に備えて、ここで息を整えるのもいいだろう。最初の水場を過ぎて暫らくつづら折れの急坂が続く。小さな沢に架かる丸木橋を渡ると道は緩くなって、東に今朝登って来た東光森山が谷を隔てて聳えている。


                       東側に峨蔵山塊が聳えている

そしてその左奥にエビラや二ッ岳の峨蔵山塊が衝立のように聳え、その右肩に赤星山が頭を覗かせている。足元にはツクバネソウ、エンレイソウ、樹木はウリハダカエデ、ウチワカエデなどが多い。尾根肩を回り込んで清水の豊富な沢を跨ぎ、シャクナゲ林を過ぎると、広葉樹の中にブナなども混じった自然林の中の快適な水平道を進んで行く。


                      沢を渡り爽やかな自然林の中を行く

木の枝が道に落ちているので近ずいて見ると、枝にしかず1メートル以上もある青大将である。青大将を後続の連中の中に、蛇嫌いな人が一人いるので見てもらおうと、わざわざ目線の木の枝にぶら下げた人がいた。案の定、後ろで悲鳴がこだました。井野川越えで一休みしていると後続の蛇嫌いの人が上がってきた。


                          井野川峠で小休止

「目の前に紐かと思ったら蛇がぶら下がとったんじゃ、あれを見てしんどさなんか一変に吹っ飛んだわい、」   急坂を登りつめるとブナの巨木が現れる。枝張りといい、根張りといい、このように均整のとれた巨木はあまり見られない天然記念物級である。しかし冒頭でも記したように、根元の土壌が流出して大分根張りが露出してきているので、台風ででも倒れると大きな自然を失うことになる。


            倒壊したブナの巨木                       この山の最大のブナ

この少し下の斜面にもこれに次ぐブナの巨木があったが、一昔前、九州に大災害をもたらした台風によってなぎ倒された。今でもその残骸が残っている。少し先の尾根筋にも数本のブナの巨木があるが、規模は小さくこの巨木には及ばない。ここのブナでもう一つアクシデントがある。一番尾根の奥にあるブナの幹には穴が開いていて水が溜まっている。


                       尾根筋にはブナの大木が並ぶ

先の蛇の嫌いな人が手を突っ込んでかきまぜると、中から大きなヒキガエルが飛び出して来た、驚いてまたまた悲鳴を上げた。「うわっー、たまげた、こなんとこにオンビキがいるとは、心臓が止まんりょったわい、」 いつも何かと皆を笑わせる人である。ブナ林を過ぎて最後の急坂を登りつめると頂上である。


                       ガレ場を登れば山頂は近い

開けた狭い頂上には二等三角点と嶺北ネイチャーハントの山名標識があるが、最高点はここから50m ほど稜線を北西に進んだピークであるが、林の中で眺望はない。頂上からは北東から南東にかけては、エビラを中心とする峨蔵山塊が大きな山容で聳えて、東に続く赤星山を盟主とする法皇山脈。


                      山頂からは西に石鎚山も見えている

眼前には今朝登って来た東光森山から東に続く四国の脊梁山脈が波打つ。その果てにぼんやりと東の雄、剣山系が霞む。西には平家平、チチ山、瓶ヶ森そして西の雄、石鎚山や筒上山が奥に一段と高く聳えている。どこまでも続く雄大な眺望を満喫して私達は大座礼山を後にした。

《コースタイム》 登山口 10分→第一の沢 30分→第二の沢 35分→井野川越え 25分→ブナの巨木
          15分→頂上 10分→ブナの巨木 20分→井野川越え 30分→第二の沢 25分→
          第一の沢 10分→登山口 歩行時間 約 3 時間30分  難易度 12B45
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