四国山岳紀行 No113-970511 千本山(せんぼんやま) 1084m △3(千本山)
                          高知県安芸市馬路 地図 赤城尾山(南東)  山岳紀行トップヘ


          魚梁瀬湖の奥に千本山                     甚吉森登山道からの千本山

高知県の東部、山深い中に昭和40年に完成した巨大なロックフイル式ダム湖がある。魚梁瀬地方は日本有数の温暖多雨地帯であり、このため樹林の育成に適し、藩政の昔からお留め山として、明治以降は学術参考保護林として育樹され、秋田や吉野山と共に日本三大美林を形成してきた。千本山とは名の通り無数の美林に覆われた山の意味である。この辺りの山々は頂上辺りまで杉の大木が多く、壮観な天然林の壮観を醸し出している。


                    ダム湖奥の石仙から橋を渡り和田山林道を行く

登山口は円山公園を左にダム湖の左岸を行く。西川と中川の渓谷が合流して、ダム湖に注ぐ石仙辺りで橋を渡り、和田山林道を行く。丸山から15キロほどで魚梁瀬千本山と書かれた大きな看板のある登山口に着く。千年橋というすぐ下の吊橋を渡ると樹高54m 幹周り6.8m、目通し2.1mの環境庁が全国の国有林の中から選定した「森の巨人たち百選」の一つである「橋の大杉」が出迎えてくれる。



                        千年橋を渡り対岸に向かう

整備された樹林の根が絡む登山道を登って行く。登り始めて40分ほどで親子杉に到着する。この辺りから杉の巨木が天を突き、倒木も目立つようになる。林床にはツルシキミが一面に生えている。何かを叩くような音が空間にこだましている。少し休んではまた聞こえてくる。キツツキが木の幹を突いている音のようだ。それが静かな森の中に大きくこだます。傘杉堂まではよく整備された遊歩道が続く。


                    途中には親子杉 写真場 八巻落としなどがある

一本の木で一軒の家が建つと言われる巨木が無数に林立する。特に途中の「鉢巻落し」や「写真場」辺りは壮観である。親子杉から20分ほどで鉢巻落しに着く。鉢巻落しの名前の由来は、手拭いで鉢巻をした人が杉の木の頂上を見上げたところ、鉢巻が後ろに落ちるほど真上に向かないと木の頂上が見えないことから、このような名前が付いたと言われている。


                       巨木の林立する中を進んで行く

鉢巻落しから10分ほどで遊歩道の終点である「傘杉堂」という場所に着く。ここにはあずまやとベンチがあり、東側の一角に魚梁瀬ダム湖方面が見える展望台が設けられている。幾重にも重なる谷間の奥に魚梁瀬ダム湖、その一角にへばりつくように丸山台地が見えている。南奥には野根山の山並が霞む。傘杉堂を過ぎると踏跡はぐっと薄くなり、千本山頂上へはここから約 1時間ほどの行程である。



                        傘杉堂と展望所からの眺望

この先は精英樹林が広がっており、優秀な魚梁瀬杉の種を採取していたとある。広葉樹の多い小さなコブを巻いて行くと、左へ1035m のピークに至る踏跡が登っている分岐がある。ここでよく間違えてこのピークへ登って千本山の頂上と間違える人があるので注意しょう。このビークにも千本山と書かれた標識が立っているが三角点は無い。


                      自然林の中に咲くウンゼンツツジ

右にコースを取り梯子の懸かった自動雨量観測所の下を通って、甚吉森へ向かう分岐を過ぎると、左へザレ場を薄くなる踏跡を気にしながら、トラバス気味に千本山の前山を巻いて行く。右手正面に頂上辺りの樹林が見えるコルから、スズ竹の中の登りを過ぎると、巨木の多い稜線に出る。倒木を跨ぎながら尾根を進むと間もなく頂上に着く。


                        千本山頂上三等三角点

頂上には三等三角点と山名標識があり、周囲は巨木が多く僅かに北東側に甚吉森方面が見いだせる程度である。蒼然と林立する魚梁瀬杉は、豊臣秀吉が京都仏光寺に大仏殿を建てるため、全国の銘木を選ばせた際、一位に推選されており、藩政時代になると、朝廷と幕府への貢献、藩の財政用のほかは伐採が禁止され、お留め山となった。明治維新以降、国有林となって、現在、千本山は貴重な学術参考保護林、憩いの風景林として指定されて今日に至っている。



                     セイガイツツジとシロバナウンゼンツツジ

《コースタイム》 南国インター 45分(車)→安田 20分(車)→馬路 30分(車)→丸山 5分(車)→石仙
          15分(車)→登山口 40分→親子杉 40分→傘杉堂 50分→頂上 50分→傘杉堂
          60分→登山口 歩行時間 約 4 時間 難易度 12B45
          駐車場 登山口に5〜6台 登山道 整備されている
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