四国山岳紀行 No110-970420 野地峰(のじみね) 1279m △4(野路)
                高知県大川村/愛媛県四国中央市 地図 土佐小松(北東)  山岳紀行トップヘ


                          南側から見た野地峰

野地峰(1279m) は四国脊梁山脈の中にあって、白滝鉱山の歴史と共に歩んできた山で、藩政時代の採鉱から昭和47年の閉山に至るまで、大川村はもとより、高知県の歴史を担ってきた鉱山である。寛文12年(1627)銅や硫化鉄の鉱床が発見され、文化12年(1815)に麻谷鉱山として、本格的に採鉱が開始されるに至った。現在の白滝鉱山は、明治以降の採鉱によって発展してきたもので、昭和47年頃の坑道が標高800mの坑口から海面下116mにも達していた。

また、地底を走るレールの総延長は 200Kmにも延びていたそうである。そして白滝には大川村の人口の約半分の、鉱山に関係した2000人近くの人々が暮らしていた。以来 300年続いた鉱山は、昭和47年(1972)でその歴史を閉じ閉山に至った。閉山後は大川村が跡地を譲り受け、村おこしの施策「自然王国白滝の里」として復活させ、野地峰もそのハイキングコースとなっている。


                         山村広場から登山口へ

登山口は車道終点の山村広場から、東へトロッコ道跡を200mほど行った所にあり、ここから頂上まで一直線に伸びる尾根に取り付く。植林帯の中のじぐざぐ道を登りつめ、笹原の視界が開けると頂上は近い。


                        登山道はよく踏まれている

頂上には四等三角点と、白滝権現の地蔵さんが鎮座している。かって県境を越えて峠を往還する人々の安全を見守ってきた。今は地蔵さんの首が無くなっており、時代の流れが感じられる。


                          眼下に白滝の里

ここからの眺望は抜群で、眼下に今登って来た鉱山跡地の白滝の里が手に取るように見え、その向こうに高知県中央部の山並が続く。北側には今建設中の富郷ダム(昭和49年着工〜平成12年竣工)が眼下に見え、背後に大きな山容の赤星山、そして豊受山から高度を下げながら法皇山脈が東に続く。


                        頂上の首無し地蔵と三角点

この峰続きの東側には黒岩山の向こうにピラミダルな大登岐山、そこから北に派生する天堤山などの峰々、その向こうに兵庫山、玉取山、更に大森山や佐々連尾山の県境の山々が続いている。西側は尾根続きの向こうに赤石山系が覗く。そして東光森山や大座礼山が大きな山容で見えている。



                         先ずはビールで乾杯 

下りは稜線を西に進み、鉱石運搬索道の滑車台跡まで行って、そこから山村広場に下ることにした。谷を隔てて奥に二ッ岳、エビラ、権現山の峨蔵山塊と、続く東赤石山塊がダイナミックに見えて来る。眼前には東光森山方面に続く無名峰の山並が近ずいて来る。


           滑車台跡へ向かう                         北側に法皇山脈

そのコルに下る手前から笹原の中を南に下って行くと、山脈を越えて伊予三島方面へ鉱石を搬出していた索道跡に着く。白滝鉱山閉山後、30年余の風雪に曝されて、無残に朽果てた木製の滑車台がこの山の歴史を物語っていた。


           コルに残る索道跡                          西に赤石峨蔵山塊

少し下って行くと水の無い涸沢があって、山村広場の方へ下っているようなので、私達はルートを離れてこの沢を下ってみることにした。沢は大きな石がごろごろしており、水も無く容易に下って行けると判断したのが甘かった。相当下っただろうか案の定、沢は勾配がきつくなって小さな滝が多くなり前進不能となった。


                         沢下りはとんだ羽目に

どちらへ進むか少し休憩を取りながら地形を模索する。仕方がないので左岸に這い上がって支尾根に取り付いて行く。支尾根はブッシュの連続で、木々の小枝を掻き分けたり、掴まったりしながらの悪戦苦闘の連続である。眼下にトロッコ道跡が見えて来るまでは相当長い時間に感じられた。


                      林の中に彩を添えるツツジとツバキ

急がば回れの教訓に逆らって沢を下ると大抵こういう事態になる。山々の木々が一斉に芽吹き始め、林床にはヤブツバキ、トサノミツバツツジが咲く。一足遅く白滝の山にも春の訪れが感じられ、野地峰は鉱山の山から観光の山に衣替えを始めたばかりである。

《コースタイム》 広場登山口 55分→野地峰 50分→索道跡 15分→沢 60分→広場登山口
          歩行時間 約 3 時間 難易度 1A345
          駐車場 山村広場 登山道 整備されている
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