四国山岳紀行 No109-970417 中蓮寺峰(ちゅうれんじみね) 756m △4(中蓮寺峰)
                    香川県三豊市/徳島県三好市 地図 阿波池田(北西)  山岳紀行トップヘ


         豊中方面からの中蓮寺峰                     財田方面からの中蓮寺峰

阿讃山脈の最も西に位置する雲辺寺山から、猪鼻峠まで延びる長い峰が中蓮寺峰(755m)と若狭峰(787m)である。この山への登山道は幾つかあるが、今回は財田町のバス停のある長野口から、南へ車道をつめて行くと広域基幹林道と合流する。分岐には「四国のみち」の道標があり、案内板のある登山口に着く。中蓮寺峰までは「モミジ橋」を経由して、約 3キロの行程である。更に中蓮寺峰からは稜線道を 1.7キロで若狭峰に到着する。


                     長野口バス停から南へ(画面左方向へ)

琴平に向かう国道 377号線から、国道32号線に抜ける県道 5号線の途中にある財田町の長野口のバス停から、南に延びる車道を行く。ここからは中蓮寺峰が眼前に聳えすぐそれと判る。左手山側を流れる香川用水東西分水溝を過ぎると、民家が途切れて目指す中蓮寺峰が迫って来る。広域基幹林道に出て「四国のみち」の道標を頼りに西に進むと、間もなく「四国のみち」の大きな案内板のある登山口に着く。

          林道入口にある案内板                      アクセス道から中蓮寺峰

ここから谷沿いに林道がモミジ橋手前まで入っているが、道幅が狭くつづら折れの急カーブが多くあり、車では無理なのでここから歩くことになる。登山口から40分ほどでモミジ橋に着く。側には大きなモミジがあり、それに因んでモミジ橋と呼ばれている。朱塗りのモミジ橋を渡って整備された階段道を登って行く。中蓮寺峰までは0.9キロ、登山口からは1.8キロと記された四国のみちの道標がある。


                           モミジ橋と道標

眼前には森林に覆われた中蓮寺峰の頂が見えている。モミジ橋からは急な階段道の苦しい登りとなる。急な階段道は歩幅が合わず、相当足に堪えるのでマイペースでゆっくり登って行こう。こういった登山道脇にも何らかの季節の草花が咲いている。それらを楽しみがら登って行くのも、疲れを忘れる一つのテクニックといえよう。道端にはこの時節、ヤブレガサ、スミレ、ハルリンドウなどが可憐な花を咲かせている。


                        樹間からの頂上と階段道

高度が上がるにつれ眼下に財田の家並み、西には雲辺寺山が大きく見えて来る。九合目あたりに来ると階段道も緩やかになって、天然林の中を行くようになる。この辺りは山桜の大木が多く、まだ梢に花をちらほら着けている。階段道の間隔が広くなって来ると整備された頂上広場に着く。広場にはあずまやと案内板があり、説明板には昔この山に金の鶏が住んでいて、早朝その鳴き声を聞けば金持ちになるという言い伝えがある。


                         ヤブレガサとホタルカズラ

古老の言い伝えによると、この鶏の鳴き声を聞いた者は、その年は幸運が巡って来るといわれ、強い関心を村民に与えた。金の鶏の鳴き声を聞こうと、里人は競って早起きするようになり、自然と早起きの良い習慣が生まれた。そして里人は勤勉に励んだので、家は富み豊かとなって喜び合うようになったという(財田の昔話より)。


                      階段が緩くなると頂上広場につく

平安時代、雲辺寺の隠居部屋として創営されたという中蓮寺は、阿讃山地を徳島県側に少し下った下野呂内の標高600mの位置にあって、本尊は金の卵であった。寺は戦国時代土佐の長宗我部元親が、阿波に進攻した際に焼撃ちに会って消失したため今は無い。中蓮寺峰の山名はこの寺の名前を戴いたものである。本家の雲辺寺山はここから西に点呼の間にあって、その大きな山容はすぐそれと判る。


                      広場東側の林の中に三角点がある

頂上周辺は山桜が多く、その木立の間から三豊平野が望まれる。この山の三角点は東側の小高い茂の中にある。若狭峰へは中蓮寺峰から尾根沿いに付けられた林道を 1.7キロほど歩いて行く。林道は猪鼻トンネル北口まで付けられており、国道32号線と合流する。NTT の無線中継塔の立つ若狭峰までは、三豊平野を眼下に見ながら稜線歩きが楽しめ、徳島県側の景色も望める。


         稜線道から若狭峰を望む                       稜線道から三豊平野

途中徳島県側の下野呂内から登って来た昔の道と合流する。かつて讃岐と阿波を結ぶ往還として栄えたそうで、猪鼻トンネルが開通して車による往来が可能になるまで、阿波、讃岐の人々の交流はこうした山越えの道に頼っていた。四国のみちの道標に導かれながら、新緑の林道を40分ほどで若狭峰に到着する。


                この道標の前の小鳥の説明版から若狭峰三角点に向かう

若狭峰の頂上は茂に隠れて判り難いが、林道が下りになって行く手前に、中蓮寺峰 1.6キロ、国道猪鼻峠 4.7キロの「四国のみち」の道標の立つ、少し広くなった小鳥の種類の看板のある所から、植林の中を駆け上がると、三等三角点のある787mの最高点に達する。


                      小高い林の中に三等三角点がある

山頂は狭く周囲は林で眺望は無い。この山一帯の稜線は「四国のみち」として整備されており、若狭峰頂上からの眺望は利かなかったが、稜線からの香川県側の眺望は良く、ハングライダーなどの基地があり、心に残る稜線歩きであった。なおここから舗装された林道を下ってNTT中継塔へ向かえば、その広場からは徳島県側の眺望が開ける。


                          アセビの花とスミレ

《コースタイム》 登山口 40分→モミジ橋 20分→中蓮寺峰 40分→若狭峰 30分→中蓮寺峰 15分→
          モミジ橋 35分→登山口  歩行時間 約 3 時間 難易度 12B45
          駐車場 登山口の広場に 登山道 四国のみちとして整備されている
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