四国山岳紀行 No103-961005 鰻轟山(うなぎとどろきやま) 1046m △無
                          徳島県海陽町/那賀町 地図 小川口(北西)  山岳紀行


                        霧越峠手前からの鰻轟山

徳島県海陽町と那賀町の境に聳える鰻轟山(1046m) は変わった山名の山である。三角点も無くあまり有名な山ではないが、高知新聞社発行の四国百山に出ている山であり、四国百山制覇にはどうしてもその足跡を記しておかなければならないので、登ってみることになった。鰻轟山へは国道 193号線を那賀町側から、土佐那賀街道を、また海南町側からは海部川沿いに、ひたすら登山口の霧越峠を目指して遡ることになる。

距離のことも考えて自宅を早朝の 4 時30分に出発した。吉野川市山川町から国道193号線を南下して行く。倉羅峠を越えて神山町上分に入って国道193号線と438号線が重畳して 1キロ東に進んだ所から右折れして橋を渡り、再び 193号線を南下して行く。どんどん高度を上げながら雲早峠を目指して行く。この辺りからやっと東の空が明るみ始めた。雲早トンネル入り口で車を止め一息入れる。清々しい山の空気を一杯に吸って大きく背伸びする。東の重なる山並がくっきりと深い紺碧色のシルエットになって、徐々にバックの空が赤み始める。


           登山口からの鰻轟山                       皆ノ瀬付近の海部川

今日もいい天気のようだ。雲早トンネルを抜けてスーパー林道を見送り、釜石渓谷を左に見ながら南下して行くと、右手に大釜の滝が轟音を轟かしている。この辺り道幅が狭く車の離合に苦労する所だが、早朝なので他の車に合わずに木沢の道の駅に着く。道の駅でトイレ休憩して出合橋を渡り、193号線と195号線の重畳する国道を 4キロ進んで平谷トンネルを出ると、すぐ左折して再び 193号線を南下して行く。


                           霧越峠登山口

進むにつれ道幅が狭くなり、舗装はされているものの林道のような道になり、これでも国道かと疑うような細い道が続く。相当走って霧越峠の 4キロほど手前で思わぬアクシデントが起きた。狭い道の真ん中に 1m あまりもある大石が居座っているではないか。落石のようだ。こんな大きな落石をまともに貰ったら車も命も無いだろう。押してみたがびくともしない。ここまで来て前進不能である。


                          深山の気配が漂う

国道入り口には通行止めの標識も無かったのでここまで来たが、霧越峠を眼前に残念である。引き返し廻って行くにしても距離にして 120キロほど、時間にしてゆうに 2 時間30分のロスである。それでも仕方がないので海陽町へ回ることにした。195号線まで戻って東へ川口から県道19号線を経由して、国道55号線に出て日和佐から海陽町までひたすら走る。海陽町から海部川に沿って 193号線をひたすら北上して行く。


                         稜線のコルからの眺望

皆ノ瀬で海部川と別れてからは高度をぐんぐん稼いで行く。峠が近くなると目指す鰻轟山が、写真で見た幾筋も谷を刻んだ険しい山容で迫って来る。海南町と那賀町の町境の霧越え峠には、道路開通の記念碑があり、そこから登り始める。ここから鰻轟山の頂上までは、ゆっくり歩いて約 1時間の行程である。登山道は暫らく尾根沿いをトラバース気味にゆったりと続いており、二次林の中を進んで行く。


                         原生林の中を登って行く

尾根筋に出ると原生林に変わり、スギやツガ、ヒメシャラなどの大木が目に付くようになる。何百年も生きて来た大木は枯れ苔むして、また新しい生命が育って行く、自然の新陳代謝が垣間見られる世界である。木立の間からは阿南海岸の島影が眼下に浮かび、東に日和佐川を源流とする、胴切山などの山並が見えている。爽やかな緑の林の中に、紅い木肌をしたヒメシャラの大木が目に付く。


                        急坂を登れば頂上に着く

頂上が近くなったのか胸突き坂に変わり、木立に掴まりながら登って行く。息を弾ませながら急坂を登りつめると、ぽっかりと開けた狭い頂上に出る。周囲は林に囲まれて展望は無い。高松軽登山同好会の山名標識だけがぽつんと立っていた。ビールで乾杯、ホップの利いた冷たい感覚が喉にしみわたる。ここから南西方向へ尾根伝いに請ガ峰(1009m)へ 1 時間30分ほどで行けるようだか、時間が無いので次の機会にして往路を下って行く。


            頂上の山名版                           四国一の轟の滝

鰻轟山、どこから来たのか珍しい山名である。麓の海部川の大鰻、轟の滝などの名前の由来が、この山の名前と関係があるのではないかとも考えながら、鰻轟山を後にした。そして四国一の轟の滝を見学して、西へ道と言い難い落石の多い悪路を、県境越えして魚梁瀬に下り、馬路を経由して県道12号線を南下し安田町に出て、国道55号線を南国市から32号線をひたすら北上し、更に 192号線を経由して自宅に帰って来たのは、日もとっぷりと暮れた 6時過ぎだった。全走行距離 500キロ近いアクセスの長い鰻轟山であった。

《コースタイム》 自宅 65分(車)→山川町 20分(車)→倉羅峠 10分(車)→神山分岐 20分(車)→
          雲早トンネル 30分(車)→出会橋 35分(車)→霧越峠手前落石箇所 30分(車)→
          出合橋 75分(車)→海陽町四方原 50分(車)→霧越峠 70分→鰻轟山 30分→
          霧越峠 20分(車)→皆の瀬 15分(車)→轟の滝 60分(車)→魚梁瀬 55分(車)→
          安田 15分(車)→安芸 40分(車)→領石 105分(車)→自宅 
          歩行時間 1 時間40分 難易度 1A345
          駐車場 峠の路肩に 登山道 整備されている 車走行距離 486K
鰻轟山