四国山岳紀行 No102-961010 翠波峰(すいはみね) 900m △3(水波山)
                          愛媛県四国中央市 地図 伊予三島(南西)  山岳紀行トップヘ


                      法皇山脈の中央部にある翠波峰

愛媛県東部宇摩地方を東西に走る法皇山脈、その中央部に翠波峰(892m)がある。法皇山脈の由来は、平安時代に白河法皇が京に寺院を建てるため、全国から資材を求められ、宇摩から献上した木材が大変立派だったので、褒美としてこの木を切り出した山々を「法皇」と名付けることを許されたことによるらしい。翠波高原は、翠波峰を中心とした約100ha の準平原で、翠波峰からの眺望は素晴らしく、北の眼下に四国中央市街や瀬戸内の島々、瀬戸内海に面した法皇山脈から、南は金砂湖から雄大な四国山地まで 360度の大パノラマが楽しめる。



                         翠波高原の菜の花畑

翠波高原は以前、大段山と呼ばれ昭和48年頃まで、乳牛の放牧場として利用されていた。山頂から跡地一帯は県立自然公園に整備されて春は菜の花、夏から秋にかけてはコスモスの一面のお花畑となり、山岳観光スポットとして有名である。



                       コスモスの揺れる翠波高原

この山へのアクセスは国道11号線から、319号線に入って高速道の下を潜って市街地を眼下に見ながら、高度を上げて法皇トンネル(長さ1663m)を抜けると、すぐ右側に落差 50mほどの水ケ滝を見て山肩をカーブして下って行くと、間もなく「翠波高原」と彫られた青石の所から、左へ山側に分岐している車道を上って行く。幾つかの急カーブを高度を上げながら進んで行くと、整備された翠波高原の広い駐車場に着く。


                          翠波権現への登り

駐車場の奥に簡易食堂と売店、トイレがある。目の上には東西にピークを持った翠波峰が手招きしている。更に車を進めて行くと頂上直下まで車道が登っているが、それでは登山の面白さが無いので、駐車場に車を置いて行くのが良いだろう。広い車道をコスモス展望台の前を通って車道を稜線まで歩いて行く。菜の花やコスモスの咲くシーズンであれば、お花畑の中の遊歩道を展望台まで歩いて行くのも楽しい。


                      石段を登れば翠波権現の社に着く

駐車場から車道の延びる稜線まで10分あまりである。稜線道に出たら東へ頂上へ向かう道と、稜線を走るスカイラインの道がある。スカイラインの道を東へ10分ほど進むと、「水波大権現」と書かれた道標がある。今回はここから登って行くことにする。広い登山道は水波権現への参拝道で、ゆったりとした静かな植林帯の中の道脇には、意外と珍しい季節の草花が見られる。



                      社の裏からは眼下に金砂ダム湖

間もなく奥に神社の鳥居と急な石段が見えて来る。この水波権現は宇摩地方の水元の神様で、文政 6年(1823)に奉納された鳥居や狛犬、石灯篭が並んでいる。昭和59年には社と石段及び参道の大がかりな修復が実施された。祭神は火雷神、水波能女神の雨乞いの神で、かって水飢饉で悩まされていたこの地方の人々は、旱魃が続くとここで雨乞い踊りを盛大に行って、天に水の恵を乞うていたそうだ。旧暦 6月には一部の人に引き継がれて、水の恵みに感謝する祭事が行われているようである。



                       社の西側から稜線道を東峰へ

急な石段を登りつめると水波権現の社が鎮座する、社の後ろの岩場の上に立つと南側の眺望が開け、眼下に金砂湖が青く水を湛え、背後に重なる山並と相まって絵のような絶景が展開する。暫らく素晴らしい眺望を楽しもう。登山道は社の前から自然林の中の稜線を縫うように登っており、急坂ではあるが距離は長く続かず、社から10分ほどで整備された静かな東峰の頂上に到着する。



                          東峰からの眺望

ここからは西から東にかけて眺望が開け、四国山地の山並がぐるりと眺望できる。西に高く赤星山、二ッ岳と続き、南西奥には大座礼山、東光森山から東に続く野地峰辺りの脊梁の山並、南には大森山から佐々連尾山の山塊、東に遠く剣山系が遠望できる。そして足元から波打つ法皇山脈が徳島県境まで続く。その左奥に阿讃山脈西端の盟主、雲辺寺山が盛り上がっている。



                         三角点から東峰を望む

眼下には四国中央市街が広がり、南側には金砂湖が青く水を湛える。すぐ下にはコスモス園や遊園地が見えており、向かい側には展望台の上に西峰が聳える。東峰と西峰の中間の890mのコブに新しい三等三角点があり、その手前から大岩の側を少し下って行くと、車道終点の公園広場となっており、トイレやあずまやがある。奥に小高い西峰のピークが目に飛び込んでくる。



          西峰頂上から山頂広場                      左のピークは西峰頂上

ここからは眼下に四国中央市街が東西に広がり、燧灘の島々の向こうに中国山地が望まれる。また香川県西部にかけての眺望も良い。西には峰続きの鋸山から豊受山、そして赤星山と高度を上げる法皇山脈が素晴らしい。少し南に下って西峰展望台に立つと、四国山地の雄大な山並みや、金砂湖やコスモス園を眼下に見渡せる、


                         西峰展望所からの眺望

尾根肩の先端に設けられたこの展望台に立つと、宙に浮いたような錯覚を覚える。そのせいか翠波高原で一番展望の良い所である。眺望を満悦したら眼下に見える駐車場まで下っていこう。展望台の手前から東に車が通れるほどの遊歩道を下って行き、遊具施設のある子供広場の中を駐車場を目指して下るとよい。翠波峰は雨乞いの山から観光の山となり、名の通りどちらを眺めても、みどりとなみの見える山である。

《コースタイム》 駐車場 30分→水波権現 10分→東峰 5分→三角点 10分→西峰展望台 15分→
          駐車場 歩行時間 約 1 時間10分 難易度 1A345
          駐車場 270台 登山道 整備されている 
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