四国山岳紀行 No097-960706 瓶ヶ森(かめがもり) 1897m △2(亀ヶ森) 
                       愛媛県西条市/高知県いの町 地図 瓶ヶ森(南東)  山岳紀行トップヘ


          石鎚山から見た瓶ヶ森                     瓶ヶ森林道東側からの山容

西日本最高峰の石鎚山の東側に、氷見二千石原の広大な笹原を持つ瓶ヶ森(1897m) が聳える。瓶ヶ森への登山ルートは幾つかあるが、氷見二千石原の下には大岩壁をめぐらしており、どこから登っても何時間もかけて、登らなければならない険しい山であった。近年、瓶ヶ森林道がこの山の南面直下を通り、誰もが手軽に登れるようになったのはよいが…。


                        林道登山口とコルの道標

今回は東側の西黒森との鞍部から頂上を目指すことにした。西黒森との鞍部からは、じぐざぐと登山道が登っているのが確認できる。頂上はすぐ上に見えているのだが、一時間ほどはかかりそうである。林道の広くなった路肩に車を置いて登り始める。吉野川源流碑が入り口に建てられている。その側から階段道をコルまで登って行くと、稜線道に出る、


          西黒森とのコル付近                         葛折れの急坂が続く

右西黒森、左瓶ヶ森と記された道標が立ち、そこから稜線道を西に進んで行き、間もなくじぐざぐと高度を稼いで行くようになる。きつい登りではあるが、どんどん高度が上がり、南から東にかけての眺望が開けてくる。南には幾重にも重なる高知県の山並、東には西黒森の黒々とした山塊が眼前に迫り、その左下には谷に沈む雲海が素晴らしい景観を添える。


                       振り返ると東に雲海と西黒森

道筋にはこの時節、トゲアザミ、ヤマブキショウマなどが咲いていて、目を楽しませてくれる。岩場にはコメツツジの可憐な花も見受けられる。西黒森の頂上が目の高さに近ずいて来ると頂上は近い。西側の尾根続きの男山の向こうに、手箱山から石鎚山にかけての山並が顔を覗かす。男山への分岐からワンピッチで女山の頂上に着く。


                        道筋にはトゲアザミが多い

頂上には石土山大権現の祠が祀られ、側には二等三角点が立っている。眺望は雄大で眼下に広がる雲海、島々のように浮かぶ山々、北側に双峰の高森、更に東に目を移すと、沓掛山と笹ヶ峰のコルの向こうに赤石山系が峰を浮かべ、眼前の西黒森の右肩に伊予富士、東黒森、自念子の頭が仲良く並んでいる。その奥には平家平から東に続く脊梁の山並が霞む。


            石鎚山を背景に                        女山山頂の祠と三角点

西側の男山の向こうには手箱山、筒上山、岩黒山に繋がる大きな山塊が横たわる。そして氷見二千石原を前景に、石鎚山が堂々とした姿で聳えている。女山からの雄大な眺望を楽しんで男山に歩を進める。尾根筋にはミツバツツジがまだ花をつけており、目を楽しませてくれる。男山にはもう一つの石土権現が祀られており、この時期、本家の石鎚山同様に善男善女の信仰で賑わっている。


                         広大な氷見二千石原

祠の前では智、仁、勇のご神仏三体がご開帳され、錫杖の音と般若心経を唱える声が響く。その後、ご神体の像を体にこすり付けて無病息災を願う。この日、男山の山頂は白装束を纏った信者で賑わっていた。男山からは急坂を西に下って行くが、稜線の南側は崩壊している所があるが、柵のロープを越えなければ安全である。


            男山の石鎚講                         残り咲きのミツバツツジ

眼下に広がる氷見二千石原、シラベの奥に青い屋根の県営ヒュッテと、赤い屋根の白石小屋が印象的である。途中の踏跡から亀壷へ下って行く。亀壷は笹原から清水が集う潤いのある水場で、少し漉って飲んでみたが30年前と変わらぬ美味しい水であった。この新鮮な水場を何と勘違いしたのか、泉の底に一円や五円や十円硬貨が多数沈んでいるではないか、命の飲み水に誰がこんな非常識なことをしたのだろうか。


                       途中にある指標と亀壷の清水

また上部の遊歩道にはオオキジが盛られ、テイッシュペーパーが散乱していて思わず横を向く。私達登山者には考えられない事である。車道がついて誰もが容易に来られるようになった反面、かけがえのない自然が徐々に汚され失われていく。こんな光景を見て悲しい思いをしたのは私だけだろうか。


                       イシヅチアザミとモウセンゴケ

石鎚山系では三番目に高い瓶ヶ森、石鎚山のごつごつした男性的な山容に対し、瓶ヶ森は広々とした高原を持つ女性的な山である。氷見二千石原を前景に配した石鎚山の姿、この山に登った誰もがこの美しい風景に感動することであろう。この美しい自然を汚すことなく保ってほしいと思いながら瓶ヶ森を下って行った。


          変んな幹のゴヨウマツ                        変わった形の白骨樹

《コースタイム》 登山口 50分→女山 20分→男山 20分→亀壷 15分→駐車場 15分→登山口 
          登山道 整備されている 歩行時間 約 2 時間 難易度 1A345 
          駐車場 登山口の路肩に
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