四国山岳紀行 No092-951013 中津山(なかつさん) 1447m △1(中津山)
                             徳島県三好市  地図 阿波川口(南東)  山岳紀行トップヘ


          寒峰からの中津山(右)                        矢筈山からの中津山

徳島県の東部、深い祖谷渓谷を挟んで西に国見山、東に中津山が聳える。中津山(1447m) は昔から信仰の対象とされた山で、端正な三角形をした山容豊かな山である。登山口は国道32号線の祖谷口に架かる青いアーチ橋を渡り、吉野川の支流祖谷川沿いに、県道を行くと出合という集落に着く。橋を渡ると中津山13キロと書かれた石標があり、ここから村道をつめて行くと、中津山頂上に達する。


         吉野川祖谷口の橋を渡る                     祖谷川沿いにある出合地区

出合の集落はその昔、行商人などで賑わった宿場町でもある。橋を渡りここから村道へと入って行く。 4キロほど走って本名という集落を抜け、そこから中津山頂上直下まで林道をつめて行く。集落の上の小高い稜線に出ると、右側に神社があり、林道はそこから左へ登って行くが、道幅が狭いのと途中に急坂のカーブの切返しが幾つかあるので、小型四駆車以外は無理である。


                    出合の橋を渡った所に登山口の道標がある

途中北側に深い中津渓谷を見ながら林道を 9キロほど走ると頂上直下の林道終点に到着する。車を置いて 5分ほど歩くともう1447m の山頂である。頂上には一等三角点があり、側に大師像が立っている。大師像の前には竜神の祠が祀られており、祠の前には広さ100u ほどの池があるが水は無く、近年までは水が涸れたことが無かったそうだが、周囲の林を伐採したためか、保水力が無くなってしまったようである。


           自然林の中を頂上へ                        頂上の一等三角点

池の向こうには最近新築したばかりの神社が建ち、周囲の様相は一変してしまっていた。神社には権現と明神が祀られ、古くから農業の神として信仰を集めているらしく、雨乞いの神である竜神が祀られている。そんな歴史を刻んだ新しい石標の説明版が建てられていた。


                         弘法大師像と竜神の祠

説明板によると、中津山は古来より由緒ある山で、中津山大権現と倶利伽藍不動明王を本尊とし、池田町で一番高い霊験あらたかな信仰の山で、山頂には黄金の池を有し、どちらから見ても富士山に似ているところから、中津富士、松尾富士とも呼ばれ、全国各地から登山参拝する人が後を絶たない霊山である。


                       山頂の池と中津山大権現の社

弘仁(810〜823年)の頃、大旱魃で人々は水が涸れ、瀕死の状態で雨の降るのを待ちこがれていたところ、弘法大師は黒沢の池に於て、当山大権現の霊験あらたかなるを論り、蜜檀を構えて、修法満願となるや煌々と照り輝いていた太陽が黒雲に覆われて、中津山大権現が現れて竜神となって大雨を降らせたという。


                      神社の裏手に回れば視界が開ける

神社の裏手に出ると視界が開けて、西から南そして東にかけての眺望が展開する。西には伊予の高峰が聳えて、二ッ岳から赤石山系の山々、笹ヶ峰、南から東にかけては土佐、阿波県境にかけての山並が続く。工石山、白髪山、野鹿池山、梶ヶ森、更に東に峰嶺を隔てて土佐矢筈山、その東には綱附森、手前には広大な高原を従える天狗塚の三角錐、そして西熊山、三嶺と続く。



                    山頂からの眺望 赤石峨蔵山塊が意外と近くに

近くには寒峰が立ちはだかる。そして阿波矢筈山から烏帽子山にかけての広大な山岳風景が展開する。木々の紅葉はまだ少し早いが、登山道脇には秋の草花が咲きこぼれる。そんな表情豊かな秋の中津山を後にした。


                         センノウとヤマノジギク

《コースタイム》 井川池田インター 15分(車)→祖谷口 10分(車)→出合 30分(車)→林道終点
          5分→頂上  歩行時間 10分 難易度 @2345
          駐車場 林道終点広場 登山道 整備されている
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