四国山岳紀行 No091-950928 雲辺寺山(うんぺんじやま) 927m △2(雲辺寺山)
                   香川県観音寺市/徳島県三好市 地図 讃岐豊浜(南東)  山岳紀行トップヘ


          大谷池からの雲辺寺山                      我拝師山からの雲辺寺山

香川県と徳島県の県境西部に聳える雲辺寺山(927m)は、頂上には四国霊場の一つ 「雲辺寺」 があり、古くから信仰の対象とされてきただけに四方から登山道が通じている。今は香川県側の観音寺市大野原町五郷から、昭和62年に山頂に至るロープウェイがつけられ、山頂一帯はマイクロウェーブなどの近代化設備が建ち並び、また最近スキー場も開設され、誰もが容易に登れるようになった。雲辺寺山は東西 150キロに及ぶ阿讃山脈の西端に、堂々とした山容を横たえている。


                         麓の萩原寺と豊稔ダム

弘法大師ゆかりの八十八ケ所を結ぶ遍路道は、現在 「四国のみち」 として整備されている。麓の香川県側には日本最古の石積みダムや、萩原寺があり、秋には境内一杯に紅白の萩が咲き競う様は見事である。萩原寺は雲辺寺の院の一つであった中の坊が、弘安 3年(1280)、地蔵菩薩を本尊とする地蔵院を開き、後に萩原寺となったものである。


         110人乗りのロープウェイ                       山頂駅前にある句碑

豊稔池はアーチ式石積みダムで、その突堤の形は西洋の古城を連想させる。五郷からロープウェイに乗れば、僅か 7分で標高920mの山頂駅に着く。山頂駅の前には 「雲辺や 瀬戸の秋景 ほしいまま」  と刻まれた句碑が立ち、ここからの眺望は絶景である。ロープウェイを下りればそこは雲辺寺境内、唐から帰った弘法大師がここに寺を建て、千手観音を祀り49ヶ院を開いた。


                       四国高野といわれた雲辺寺
 
四国霊場札所としては最高地にあり、かって四国高野と呼ばれていた。山頂近くの参道はモミやスギの老樹が覆い茂り霊気に包まれる。天正 5年(1577)、四国制覇を夢見た土佐の長宗我部元親が、阿波で戦勝し讃岐へ兵を進める途中、国境に聳える雲辺寺山に登り、讃岐平野を見下ろすこの峰に立って、四国制覇をめざして国取りの心を固めたのである。


                         自然林の老樹が残る

そのとき雲辺寺の僧から「元親公は土佐の国主だ、他国の人を苦しめ国を奪うことは許されない」 と忠告されるが、元親は聞き入れず戦火を広げた。そのため当時の寺も焼失している。しかし四国統一を果たした成果が、ある日一気にして豊臣秀吉に浚われた。そんな戦国時代の非常な歴史をこの山にも残している。


                      ゲンノショウコとツルニンジンの花

寺から東峰に続く山頂一帯は、モミ、アカガシなどの大木が茂り、県立自然公園として保護されており、林床にはモミジガサ、ゲンノショウコ、ミヤマタデなどが群生し、珍しい植物も見受けられる。東峰にはNTTのマイクロウェーブの巨大な塔が立ち、その西側には二等三角点がある。ここから西に目をやれば、四国電力やJRなどのマイクロウェーブの建ち並ぶ西峰が一望できる。


           西峰の無線中継塔                        東峰から西峰を望む

最高点は西峰の寺の北側にあり、頂上には毘沙門天の巨大な像が建ち、讃岐平野を見下ろしている。北側の広場には芝生が植えられ、頂上公園として整備されており、ここからは眼下に讃岐平野や瀬戸内海、県境の金見山、大谷山の向こうに、四国中央市の三島、川之江地方の製紙工場の巨大な煙突が見える。その向こうに法皇山脈が連なり、奥に予土国境の山並が霞む。


                        芝生広場から山頂を望む

西峰山頂は国土交通省、JR、四国電力、西日本放送などのマイクロウェーブの鉄塔が建ち並び、四国近代化の拠点になっている。しかし開発の手による自然の破壊が進み、山頂一帯の豊富な自然林が徐々に姿を消しつつあり、時代の流れとはいえ早急に保護すべきである。讃岐から伊予にかけて眼下に広がる雄大なパノラマ台として、また南には阿波の国見山、中津山が眺望できる。


                        パラグライダーが空を舞う

最近パラグライダーの上級者基地として脚光を浴びている。この山は四国の辻と呼ばれ、昔、交通戦略上の要地であった。讃岐と伊予を見下ろす雲の辺の峰、雲辺寺山の芝生広場は平成13年12月ナイター設備の整ったスキー場となり、今新しいものと古いものが溶け合う観光とスポーツの山として、大きく変貌している。

《コースタイム》 大野原インター 30分(車)→曼陀トンネル北口 20分(車)→雲辺寺駐車場 10分→
          雲辺寺 20分→東峰三角点 25分→ロープウェイ山頂駅 10分→西峰 10分→雲辺寺
          10分→駐車場 歩行時間 約 1 時間30分 難易度 @2345
          駐車場 雲辺寺駐車場(有料) 登山道 四国のみちとして整備されている
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