四国山岳紀行 No088-950804 天狗ノ森(てんぐのもり) 1485m △3(栂山)
            愛媛県久万高原町/高知県仁淀川町/津野町 地図 王在家(北西)  山岳紀行トップヘ



                       四国カルスト最高峰の天狗ノ森

高知県の津野町と仁淀川町、愛媛県久万高原町の境にある天狗の森(1485m) は、天狗高原で知られる四国カルストの最高峰である。四国カルストは仁淀川町の鳥形山から、西予市の大野ヶ原に至る長さ25キロの石灰岩地帯で、山口県の秋吉台、福岡県の平尾台と共に三大カルストの一つに数えられている。


                       登山口の天狗荘とキャンプ場

天狗の森へは国民宿舎天狗荘の駐車場奥から、遊歩道を20分ほどつめると小高い所に出る。展望の開けたこの「瀬戸見の森」からは、西に大野ヶ原まで続く四国カルストが一望でき、南には高知県の延々と波打つ山並の向こうに太平洋が鈍く霞む。瀬戸見の森からは、東に林の中を尾根伝いに天狗の森へ向かう。


           瀬戸見の森へ向かう                       瀬戸見の森からの眺望

20分ほどで視界が開けて大きなドリーネが点在してくると頂上は近い。間もなく三角点のある四国カルスト最高点の天狗の森に着く。南側には不入山が黒々と大きく聳え、その東側には鶴松森、そして山頂が大きく削られた、石灰採掘の鳥形山が目に飛び込んでくる。北側は権木が成長して視界が遮られているが、西から南、東にかけての大パノラマが展開する。


          天狗ノ森山頂へ向かう                         天狗ノ森山頂

暫らく休憩してここから東へ、尾根続きの黒滝山を経由し引割峠へ向かう。真正面には黒々とした三角錐の黒滝山、その向こうには更に高く鳥形山が印象的である。天狗の森を下って黒滝山のコルまで、緩やかな下りの二次林の中を行く。天狗の森から約 1キロ30分程でコルに着く。コルにはあずまやが設けられ、ここから下の遊歩道からのコースとの分岐点になっている。


            黒滝山とのコル                          黒滝山へ向かう

黒滝山へは稜線道を更に東へ真直ぐ進んで行く。小さなピークを越えてコルから20分ほどで黒滝山のピークを通過する。狭い黒滝山のピークは樹林に覆われ眺望は無い。原生林が茂り深山の感じがする所である。黒滝山からは一気に下って、国民宿舎方面から延びて来た下の遊歩道の「四国のみち」に下り立つ。整備された遊歩道を更に南東へ、ブナや紅い木肌のヒメシャラの林を過ぎて、分岐から30分ほどで引割峠に着く。


            黒滝山の登り                            引割りの亀裂
 
説明板によると大引割、小引割は天狗の森と鳥形山のほぼ中間点、海抜1110m に位置し、白木谷属群(古生代二畳紀)に属する赤色及び赤褐色のチャート(珪岩)にできた二本の亀裂である。大引割は長さ約80m 、幅 3〜8m 、深さ30m の大亀裂、小引割は長さ100m、幅1.5〜5m、深さ20mで両亀裂は30m の間隔でほぼ並行して東西に走っている。


                      真っ暗で底が見えない台地の亀裂

成因については、第四洪積世(100万年〜2万年前)の隆起を伴う地殻変動により生じたという説もあるが、有史以前の大地震によってできたという説が有力である。このような巨大な亀裂が、現在も埋没せずに残っているのは学術上貴重であるとして、国の天然記念物に指定されている。大地が裂けた絶壁から下を覗けば足が竦み、何ともいえない自然の造形に驚くばかりである。


                        四国のみちを天狗高原へ

真っ暗な地底の裂け目から恐竜が頭を覗かしそうな不気味さを感じる。小引割へは大引割の北側を少し迂回して行くと、同じように大地の裂け目の小引割が見られる。見学の際は転落しないよう充分注意しょう。大引割、小引割を後にして引割峠から出発点の国民宿舎駐車場まで、延々と付けられた遊歩道の「四国のみち」を4.6 キロ約 2時間の行程である。


                         ヒメユリとコバノギボウシ

ポイントにはベンチや道標が整備されており、途中変化に富んだ自然を観察しながら、ゆっくりと歩くのも良い。国民宿舎手前からは道脇にアジサイなどが多く植えられていて、花時は楽しめそうである。


                        ドリーネの広がる天狗高原

駐車場に帰ったら小高いドリーネの広がる天狗高原を散策してみよう。高台に立てば今日登って来た天狗の森から黒滝山、鳥形山に至る山並が一望でき、足元には可憐なヒメユリの花が高原のそよ風に揺らぎ、いつまでも見飽きたらない眺望が広がる四国カルスト天狗高原であった。

《コースタイム》 天狗荘駐車場 30分→瀬戸見の森 20分→天狗の森 20分→コル 30分→黒滝山
         20分→遊歩道 30分→引割峠 2 時間→天狗荘駐車場 登山道 整備されている
          歩行時間 4 時間30分 難易度 12B45
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