四国山岳紀行 No081-950605 天神丸(てんじんまる) 1632m △2(天神丸)
                           徳島県那賀町/美馬市 地図 谷口(南西)  山岳紀行トップヘ


         スーパ林道からの天神丸                     登山口手前からの天神丸

剣山と高城山の中間に位置する天神丸(1632m) は、どこからみても特微のある三角錐で聳えている。山頂はかって戦国時代に見張り陣が置かれていた所で、天神丸という山名も「天の陣の丸」が訛ったものらしい。天神丸へは山川町側からは国道 193号線を雲早トンネルを抜けて、剣山スーパー林道を西へ約26キロほど行くと天神丸の登山口に着く。


                    林道脇の登山口 奥のコルから稜線へ取り付く

スーパ林道からは四国の東の屋根が連なり、延々と付けられた林道から仰ぐ深くて高い山並に圧倒される。遠くに剣山、手前に高城山、その向こうに目指す天神丸が聳える。国道 193号線から分かれて、がたごとのスーパー林道を 1時間30分ほどで登山口に着く。ガラ場の横のクマザサの登山道を天神丸北側のコルに向かう。


           取り付きは笹が絡む                        ツルギミツバツツジ

ダケカンバの林の中を15分ほどで稜線に取り付くようになる。この季節、ミツバツツジやシャクナゲの花が林の中に明るく演出して迎えてくれる。赤いテープと踏後を頼りに南西方向の頂上を目指して、案外きつい稜線登りとなる。周囲は権木に覆われて見通しが利かないが、所々に咲くシャクナゲやミツバツツジの花が、今は満開となって咲き誇り目を楽しませてくれる。


                     ダケカンバのコルから左へ急登して行く

この辺り一帯は月の輪熊の生息が確認されており、もしかしたらと思う警戒心が走る。特に見通しの利かない笹薮でのばったり遭遇は致命傷になりかねない。そんな所では音や声を出して熊にこちらの存在を先に知ってもらって退散してもらうしかない。そういうわけで熊の出没するような所では、熊避けの鈴や笛などが有効といわれている。


                       シャクナゲを掻き分けて山頂へ

きつい登りであるがシャクナゲのトンネルを抜けると頂上は近い。コルから40分ほどで林に囲まれた頂上に着く。狭い頂上には二等三角点があり、周囲は林のため視界が利かない。ここはかって戦国武士が剣山を見張っていた場所と伝えられる。剣山地は土佐国との境を接し、このため阿波国の西方を守る木屋平・森遠城主の松家伊賀守は天神丸の北側の山腹に三ヶ所の見張り陣を設けた。


                        珍しい白花のシャクナゲ

そのうちの一つが天神丸の山頂で、同時に太郎笈(剣山)に忍者と犬を置いて、土佐の長曽我部勢が侵入してくると犬が吠え、それらを合図に天神丸で烽火を上げて、下の森遠城に異変を知らせたという。今は山頂に雑木が茂り、かっての見通しが利かなくなっているが、つわどもどもの夢の跡である。


                          天神丸山頂三角点

天神丸に一般の登山者が訪れるようになったのはつい最近のことで、剣山スーパー林道が昭和60年に通じたことで、誰もが容易に登れるようになった。地域の林業と産業昂進のために森林開発公団が、昭和47年から14年の歳月と124 億円をかけて開設した。道路の整備が進んでいない当時は、奥深い険しい山だったに違いない。


                      賑やかに花を付けた白ヤシオツツジ

国を守るためこの山の頂上に立ち、昼夜監視を続けた武士の心境はどんなものだっただろうか。この奥深い山にスーパー林道で入れるようになった反面、いつまでこの自然が守れるのか私達の課題ではなかろうか。林道脇の山の斜面には、つわどもどもの夢を物語るかのように、山肌一面白くうっすらと雪化粧をしたように、ヤシオツツジが満開となって咲いていた。


                     スーパー林道からの膨大な山容の山並

《コースタイム》 雲早トンネル 90分(車)→登山口 15分→コル 35分→頂上 25分→コル 10分→登山口 
          歩行時間 約 1 時間30分 難易度 12B45  
          駐車 登山口の路肩に 登山道 やや悪い
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