四国山岳紀行 No079-950601 東宮山(とうぐうさん) 1091m △2(春宮山)
                        徳島県神山町/美馬市 地図 阿波川井(南東)  山岳紀行トップヘ


                     見る場所によっては端正な形の東宮山

徳島県神山町と美馬市木屋平との境に位置する、東宮山登山口より見た剣山系の山並である。聳える山並は左から雲早山、高城山、天神丸で、1500m 級の山並みが手に取るように見える。東宮山へは国道 193号線を神山町上分で剣山へ通じる、国道 439号線を西へ 5キロほど進むと伴蔵というバス停がある。


                     国道沿いの伴蔵バス停から林道に入る

バス停のすぐ西側手には山側に上っていく林道があり、林道入口には東宮山への標識がある。指導標に従い林道を30分ほどつめると、見通しのよい切り開けの広場に着く。ここが東宮山の登山口となっている。ここからは眼下に神山町の街並みが箱庭のように見える。この広場に車を置いて登山靴に履き替え、いよいよ登山開始となる。


                     登山口から間もなく東宮御所神社に着く

山側に付けられた登山道を登って行くと、 5分足らずで、社や通夜堂などの建つ東宮御所神社に着く。登山道は社の裏手から急な登りとなる。登山道脇にはフタリシズカの花がひっそりと咲いていた。登山道はしばらく急な登りが続くが、ブナやカエデの原生林が茂り新緑が清々しい。神社から20分ほどで社のある頂上に着く。


                       神社裏から急坂を登って行く

社は神山町側に一つ、木屋平側に一つと、二つの社が祀られている。共に東宮御所神社の奥の院だそうで、数段に築いた石垣の上に立派な流れ屋根造りの社は、氏子の変わらぬ信仰心が伺われる。狭い頂上には二等三角点があり、周りは急峻に落ち込んでおり、ブナやスギなどの高木に遮られて眺望は利かない。


                         頂上の社と二等三角点

標高1000m あまりの山だが原生林に覆われているので、深山の雰囲気のする山である。東宮とは皇太子の呼称でその宮殿のこともいう。貴人所縁の山名である。東宮御所神社は毎年五月の祭りには、出店も並んで神山、木屋平からの参拝者で賑わったそうだが、今は過疎化でその面影もなくなっているようである。しかし立派な表参道や通夜堂が昔の繁栄を物語っていた。



                      登山口からの眺望と眼下に神山町

貴人伝説の漂う山頂を下り、広場から眼前に広がる剣山系の雄大なパノラマをもう一度ゆっくり眺めよう。西暦1185年壇ノ浦の合戦に破れた平家一門は、幼い安徳天皇と共に阿波に落ち延び、この山に御在所を置いたといわれている。世の中の栄枯衰勢を思い出しながら、貴人伝説の東宮山を後にした。

《コースタイム》 林道入口 20分(車)→登山口 5分→東宮神社 25分→頂上 20分→登山口 
          駐車場 登山口の広場 登山道 整備されている 歩行時間 約50分 難易度 12B45ページの最初に戻る