四国山岳紀行 No074-950513 大座礼山(おおざれやま) 1590m(大座礼) △2
                             高知県大川村 地図 土佐小松(北西)  山岳紀行トップヘ


                        膨大な山容の大座礼山

高知県大川村の県境に近い大座礼山(1590m)は、四国中央部の脊梁山脈にどっしりと座する風格ある山である。大座礼山へは高知県側からは大川村の小松から、県道 6号線をを北上し、また愛媛県側からは別子山の筏津から太田尾越えへと向かう。峠から少し南に下った所に標識があり、ここから林道に入ると登山口がある。


                       大座礼山林道入口と登山口

頂上直下にはブナの大木があらん限りの枝を広げている様は、見る人を圧倒せしめる。また北側にはアケボノツツジの群落があり、山肌は美しいピンクに染まる。林道を300mほど入ると沢があって、その少し先の山側に登山口の標識がある。ここから急坂を駆け上がると道は平坦になって、少し進むと水量豊富な枝沢に突き当たる。これからの急登に備えてここで一本立てて行くのもよいだろう。


                        自然林を進んで沢を渡る

沢を横切って対岸の登山道に取り付く。暫らくじぐざぐの急登が続くので息が切れないようゆっくり登って行こう。それだけに高度がどんどん上がり、振り返れば東光森山が大きく聳えているのが目に飛び込んでくる。この時期、登山道脇に賑やかに咲くミツバツツジが疲れを癒してくれる。足元を見れば可憐な草花も豊富である。コンロンソウ、ワチガイソウ、エンレイソウ、スミレなど風にそよぐ。


                        エンレイソウとワチガイソウ

急坂を登りつめると道は緩くなって最後の沢を横切ると、後はブナやカエデなどの爽やかな広葉樹林の中の平坦な道を進んで行く。植林帯に変わると井野川越えの峠は近い。道脇にスズタケが多くなってくると峠に出る。峠から南に下る道は井野川方面に至る道だが、現在はあまり利用されていないので荒れている。大座礼山へはここから右へ稜線の登山道を登って行く。


          快適な広葉樹林の道                        井野川越えから右へ

ここも急坂が続くがゆっくり登って行こう。周囲にはミツバツツジやアブラチャンなどが賑やかに咲いていて目を楽しませてくれる。急坂ではこれらを観察しながらゆっくり登って行くのも、疲れを感じさせない一つのテクニックといえよう。振り返ると南側のピークにはアケボノツツジで所々ピンクに染まっている。このぶんだと大座礼山の山頂付近もアケボノツツジが期待できそうである。


                        ミツバツツジとアブラチャン

前方に大きなブナが見え始めると、西側斜面にこの山第二のブナの巨木が目に飛び込んでくる。(一昔前の九州に大災害をもたらした台風によってなぎ倒されて現在は朽株だけが残っている) 続いて尾根に出るとこの山最大のブナの巨木が目の前に現れる。あらん限りの枝を天高く広げている。枝というより四方に伸ばした幹といってもよいだろう。


         この山最大のブナの巨木                     ブナの巨木を見ながら山頂へ

株元の根張りはまた凄い、徐々に表土が流出したのか根張りが露出しており、巨大な盆栽のように見える。その根元に抱えられた一本の細いカエデがいたわしそうに立っている。進んで行くと次々に年輪を刻んだブナの巨木が現れるが、少し小振りである。よくぞ今まで過酷な条件下で生き残って来たものと、その生命力に感心させられるが、落雷にでもあったのだろうか、中には幹や枝の裂けたものもあって寿命が危惧される。


                       急なガレ場を登ると山頂に着く

ブナの巨木の精霊を浴びながら尾根を進むと、いよいよ最後の登りのガレ場の急坂に取り付く。この辺りからアケボノツツジが現れ始める。木の根や枝を掴みながら急坂を登りつめると、間もなく三角点と嶺北ネイチャーハントの山名標識がある開けた空間の山頂に着く。頂上からは西に平家平、寒風山、伊予富士、瓶ヶ森、石鎚山、岩黒山から筒上山、手箱山の山塊、その奥に大川峰の山並み、その手前に明神山、四国カルストの山並、不入山、鳥形山など遠くの山まで見えている。


         ブナ林の中を北側へ向かう                     山頂から東光森山方面

東側は近くに東光森山から野地峰まで、二ッ岳などが見えているが遠くは雲が湧いていて見えない。山頂周辺にもミツバツツジなどが咲き誇り、目を楽しませてくれる。北側にはアケボノツツジの群落と岩場があるので散策に向かう。この山の最高点の1590m のピークを越えてブナ林の中を進んで行くと、アケボノツツジの群落が現れる。


                    大座礼山北面はアケボノツツジの群落

花のトンネルを暫らく下って行くと岩場の崖ぶちの県境標識のある所に着く。ここから東に太田尾越えへの道が下っているが荒れているようである。断崖層の稜線沿いに刈り込みの中を下って行けば三ツ森山へ達するが、眺望は無くともに道は荒れているようである。山頂から1 時間ほど下った所で引き返すことにした。見上げると大座礼山北面はアケボノツツジでピンクに染まっている。


                      眼下に吉野川と平家平方面の山並

岩場まで戻ると眼下の眺望が素晴らしい。深く落ち込んだ谷間に蛇行する吉野川、その奥に大橋ダムが光り、両側に四国中央部の山並みが大きく競りあがる、南に稲叢山から西門山などの大きな山塊、西から北側にかけては平家平から三ツ森山、赤石山系が手に取るように聳えている。その峰々にもガスがかかり始めたので下山に移る。広大な眺望に後ろ髪を惹かれる思いで大座礼山を後にした。



                      山頂から西に遠く石鎚山が見えている

《コースタイム》 登山口 10分→第一の沢 30分→第二の沢 35分→井野川越え 25分→ブナの巨木
          15分→頂上 10分→アケボノツツジ群生地 10分→県境 30分→頂上 10分→ブナ巨木
          20分→井野川越え 30分→第二の沢 25分→第一の沢 10分→登山口
          歩行時間 約 4 時間20分 難易度 12B45
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