四国山岳紀行 No060-941006 堂ヶ森(どうがもり) 1689m △3(堂ヶ森)
                       愛媛県西条市/久万高原町 地図 石鎚山(南東)  山岳紀行トップヘ


           衝立のように聳える堂ヶ森                     保井野登山口にある標識

石鎚山の西側、西条市と久万高原町の境に聳える二ノ森は、1900m を越える石鎚山と肩を並べる高い山である。更にその西側には頂上に大きな電波反射板がある堂ヶ森(1689m) が聳える。十月上旬、少しきついがこの二つの峰をアタックすることにした。最初の取り付きである堂ヶ森へは、桜三里の落合から県道を10キロあまりつめると、最奥の保井野の村落に着く。村落を抜けて林道をつめると、堂ヶ森への道標がある所が登山口である。


             清々しい緑の中をいく                        ユキザサの実

登山道は旧放牧場の囲いに沿って約30分ほどで、相名別れへの道標のある分岐点に着く。ここから登山道は植林の中の谷筋をつめて行く。人工林が切れて二次林の自然林の中を進んで行くと沢に突き当たる。沢を横切って原生林の中を急登すること 1 時間あまり、つづら折れの登りが続く。周囲の明るい緑が清々しく足元にはこの季節に咲く草花が目を癒してくれる。


           空池の標識休憩ポイント                 林間に咲くトリカブト(猛毒)

歩き始めて 1 時間30分つづら折れの道が終わると稜線に出る。ここは権木と笹が茂る窪地になっていて、空池を巻くようにして稜線の登山道に取り付くようになる。ここからは堂ヶ森の本格的なきつい登りとなる。空池を過ぎて急な登りにかかると、周囲の林層は一変してシャクナゲの木が目立って来るようになる。暫らくの間、シャクナゲ街道と名付けられた中の登りが続く。花の時期にはさぞかし美しく咲き誇ることであろう。 


         シャクナゲ街道の登りにかかる                   色付き始めたドウダンツツジ

高度が上がったせいか、この辺りから美しく色付き始めた紅葉が目立つようになってきた。依然と登山道は堂ヶ森への直登のきつい登りが続く。高度が上がるにつれ紅葉の色も一段と輝きを増してくる。木立の間からは石鎚山の岩峰が姿を現す。この辺りからはドウダンツツジの紅葉が美しく映える。急登の途中に登山道から少し下った所に、水量は少ないが清水の落ちる水場がある。先はまだ長い、ここで一息入れていこう。


         木立の間から石鎚山が見えている             高度が上がるとブナが目立つ

ブナの大木が目立ち始め、足元に笹が茂りだすともう森林限界は近い。原生林を抜けると広大な笹原が広がり、梅ヶ市からのコースと合流する。堂ヶ森の頂上へはここから約40分の行程である。昭和55年にこの辺りで遭難した、松山商科大生のメモリアルが笹原の中にひっそりと立っていた。ここからは西に視界が開け道後平野を始め、四国南西部の山並が広がる。眼下に青く水を湛えた面河ダム湖、その右上に石墨山が大きく聳えている。


          相名分岐から石墨山を望む                     堂ヶ森への長い登りが続く

登山道は堂ヶ森の南側を巻くようにして登って行く。頂上には二基のマイクロウェーブの反射板が見えている。そよ風に靡く白いススキの穂、そして太陽の光を一杯に浴びて咲いているリンドウの花が印象的であった。堂ヶ森の稜線に出ると二ノ森の向こうに石鎚山が頭を覗かしている。東から南西にかけて広大なパノラマが広がる。堂ヶ森の頂上にある三角点は北側に立つマイクロウェーブの鉄塔の下にある。


          堂ヶ森の頂上に立つ反射板                 堂ヶ森山頂から東を望む

堂ヶ森頂上で暫らく休憩して二ノ森へと向かう。ここから二ノ森へは約 1 時間30分の行程である。所々にシコクシラベの白骨林が絵になる風景を醸し出している。真っ赤に紅葉したドウダンツツジが美しい風景の中に彩を添える。振り返ると先ほど越えてきた堂ヶ森が衝立のように聳えているのが印象的であった。南側に五代ヶ森の稜線が近ずいて見えて来ると、眼前に鞍瀬ノ頭(1889m) が迫る。その山頂は旧小松町、丹原町、面河村の境界になっている。


        鞍瀬の頭の向こうに二ノ森がある                笹原の中に広がる白骨樹林

稜線に出ると五代ノ別れで眼前に二ノ森が姿を現す。ここから二ノ森へは更に30分ほどの行程である。シラベと笹原の中を泳ぐように登って行くと、ぽっかりと開けた二ノ森の頂上に着く。一等三角点があり、南に五代ヶ森、そして高知県側の高い山並が続く。眼下には山肌を削った石鎚スカイラインが走る。東に続く石鎚山と北側はガスに隠れて見えなくなっているのが残念であった。


         一等三角点がある二ノ森頂上                   五代の別れからの堂ヶ森

二ノ森山頂からの石鎚山の眺望ができなかったが、堂ヶ森からの広大な笹原の稜線歩きは生涯心に残ることだろう。スカイラインが出来てからはこのルートは、石鎚山のメインルートからはずれ、利用する人が少なくなったが、それだけに美しい自然が保たれているのではないだろうか。そんなことを実感しながら二ノ森と堂ヶ森を後にした。

《コースタイム》 保井野登山口 30分→相名分岐 1 時間→空池 1時間30分→堂ヶ森 1 時間→
          五代ノ別れ 30分→二ノ森 20分→五代ノ別れ 40分→堂ヶ森 1 時間→
          空池 1 時間→保井野登山口 歩行時間 約 7 時間40分 難易度 123C5
          駐車場 登山口にあり 登山道 整備されているが急坂多い
ページの最初に戻る