四国山岳紀行 No052-940815 稗己屋山(ひえごややま) 1228m △3(千本峠)
                         高知県安芸市馬路 地図 土佐魚梁瀬(北西)  山岳紀行トップヘ


        満々と水を湛えた魚梁瀬湖                     見上げる稗己屋山の稜線

四国第二の貯水量を誇る魚梁瀬ダムは珍しい石積式重量ダムである。三年の歳月をかけ昭和40年に完成した。各地で水不足が深刻化しているこの渇水期の季節に、満々と水を湛えた魚梁瀬ダム湖が広がる。稗己屋山(1228m) へは安田川を遡り、このダム湖の奥の西川渓谷から和田山林道をつめると、林道終点手前に稗己屋山への登山口の標識がある。


         林道終点付近の登山口                     薮を掻き分けて稜線へ向かう

林道は途中土砂崩れがあってそこから林道歩きとなる。下山後食べようと手前の沢に持って来た西瓜を冷やしておいた。林道は大きく迂回しながら高度を上げて行く。1 時間ほどで林道終点手前の登山口に着く。斜面を這い上がると登山道は深い笹やススキに埋もれ、泳ぐように掻き分けながら進む。稜線はすぐ上に見えているのだが、棘のあるイバラも混じって思うように前に進まないので時間がかかる。そんな中を1 時間ほどで稜線に出る。


           伐採から取り残された杉                  稜線から稗己屋山を望む

一帯は原生林が伐採された跡なのか、笹とススキの覆う禿山の中に、朽ちた切り株や半分白骨化した杉の古木が点々と残っており、無残な木肌を晒している。稜線に出て一汗拭いながらそんな無残な立木を見ていると、もう少し自然に対する思いやりがあったのではないかと思う。山が泣いているそんな感じがした。稜線に出てから頂上までは1キロほどだが、笹のブッシュが覆っているので時間がかかる。


           笹薮掻き分けながら山頂へ                 倒木の多い樹林帯を行く

頂上付近は林が残っており、林の中に入ると笹が減って歩きよくなるが倒木などを跨ぎながら進む。稜線に出てから小1 時間で林の中の頂上に着く。刈り払われた空間に三等三角点があり、山名標識が立っていた。曳川登山同好会と高松軽登山同好会の山名標識が立っている。林に囲まれた頂上からは眺望がない。ブッシュと眺望のないこの山にメンバーは、どうしてこんな山を四国百山に選んだのだろう、今まで登って来た山の中で一番のボロ山だと言う。しかし山にはその山の歴史と表情があり、すべてが悪い所ばかりはない。見方を変えれば良いところも見出せると思う。


           三等三角点のある山頂                   山頂で休憩のメンバー

頂上で暫らく休憩して、往路の稜線を笹薮掻き分けながら稜線の取り付き点まで戻る。ここからの眺望は良く、西に今登って来た稗己屋山、南に谷を隔てて天狗森が大きく聳えている。東側には樹木に覆われた千本山の奥に、甚吉森から湯桶丸に続く山並、北側は宝蔵山に至る村境の尾根が続く。その向こうは雲に隠れて遠望は利かない。この辺りの山には日本三大美林の魚梁瀬杉が茂る。


         どこでもよく見かける標識                  谷が深い魚梁瀬の山々

この辺りはそんな木々が伐採されたのか、禿山となり取り残された杉の大木が寂しそうに点在する。あるものは枯れ果てあるものは風に晒され、寿命を余儀なくされている。そんな殺伐とした風景を見ていると、山は私達に何か警告しているようである。人間よもっと山を大切にしろと。満々と水を湛えた魚梁瀬ダム湖を眼下に見ると、山からの水の恵を感謝しなければならない。


          重量式石積みの魚梁瀬ダム                稜線から南に天狗森を望む

林道を下りながら沢に冷やしておいた西瓜が気になる。沢に近ずくと烏が一羽飛び去ったので悪い予感がした。やられたと思ったが後の祭りである。半分以上食べられている。こんな高い所に烏が居たとは誰も信じたくなかったので尚悔しかった。そんなハプニングのあった稗己屋山であった。魚梁瀬湖畔に下って公園でテントを張りキャンプする。新しく開業した魚梁瀬温泉で疲れを取る。明日は野根山だ。
                                                  野根山へ行く

《コースタイム) 丸山団地 50分(車)→林道土砂崩れ地点 50分→登山口 40分→稜線 50分→頂上 
          頂上 1 時間10分→登山口 40分→車 登山道 荒れている
          駐車場 無  歩行時間 4 時間10分(林道歩き含む) 難易度 123C5
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