四国山岳紀行 No058-940909 明神ヶ森(みょうじんがもり) 1217m △3(明神ヶ森)
                       愛媛県松山市/東温市 地図 東三方ヶ森(北西)  山岳紀行トップヘ


松山市と東温市の境にある明神ヶ森(1217m) は松山市では最も高い山である。明神ヶ森へは南北に登山口があるが、今回は国道 317号線を奥道後から石手川ダム湖畔沿いに遡り、河中を過ぎて新しく拡張された 317号線を行くと、川の向こうに大井野の集落が見えて来る。大井野のバス停から橋を渡り、右に折れる林道を 5キロ半進むと、林道の終点から明神ヶ森への登山道が始る。林道の終点から沢が二つに分かれており、左側の沢を渡るとガレ場の多い沢沿いの踏跡を進んで行く。


                        林道終点と登山口の指標

この辺りの土質はざらざらした花崗土で、常に砂のような土が流れ落ちており、登山道も所々砂礫で埋まっていて歩きにくい。500mほど進むと道は右にカーブして小さな支沢の中を歩くようになるが、沢が終わった所から人工林の中のきつい登りとなる。人工林の中も花崗岩が砕けてざらざらとした滑り易い登りが続く。一時間ほどで尾根肩に出た。ここから道は造林の中を直登しており、暫らく息が切れそうな胸突き坂が続く。


                        沢を渡って植林帯への登り

道筋に咲く小さな草花が少し疲れを癒してくれる。台風で倒れた杉を幾つか跨いで暫らく登ると、造林帯を抜けてブナやミズナラの茂る尾根歩きとなる。最後の急坂を登りつめると道は緩くなり、福見山から明神ヶ森へと連なる尾根筋の近くに出る。林層が大きく変わりブナ、ミズナラ、ウリハダカエデなどの天然林の中を行くが、ただっ広いこの辺りは迷いやすいので注意しなければいけない。清々しい二次林の中を左の方向へ尾根を突き上げて行く。


                          林床に咲く草花

尾根に出て福見山方面からの稜線道と合流する。左に進んで笹が多くなってくると、間もなく三等三角点のある頂上に着く。周囲はヒノキや笹に囲まれて眺望が利かないので早々に下山する。しかし頂上近くに残る天然林の緑が清々しく感じられた山であった。特にこのような花崗砂礫土の山には、土砂崩れを防ぎ、保水力を付けるためにも、このような広葉樹の天然林を育てて欲しいものである。スギやヒノキの人工林では保水力を維持することが難しい。


                       頂上直下の爽やかな自然林

植林帯の中をざらざらと自然に崩れ落ちる砂礫が印象的であった。「水の恵み山に祈る」この言葉は水源の山に対して日ごろの水の恩恵を思う心を表している。今年の夏のような旱魃が続くと保水力の無い山は、下流にあるダムに水を供給しなくなる。他地の者がよからぬことを言うようだが、下流の松山市の水瓶である石手ダムが、少しの日照りが続けば干しあがるのも、この山に登って見てこれでは無理もないと思った。


                          頂上の三等三角点

広葉樹を育て保水力のある山に育てることが、今後の私達の使命であろう。そんな事を思いながら明神ヶ森を後にした。その後、林道終点の沢には大きな砂防堤が築かれたようだが、これだけの建設費用をかけるのなら、いずれは機能を果たさなくなる砂防堤より、人工林を伐採して広葉樹を山に植えた方が良いのではないだろうか。ここからの登山道は登りがいのあるコースであったが、砂防堤が築かれたため、登山口は今どうなっているのか判らない。

《コースタイム》 大井野 20分(車)→林道終点 25分→支沢終点 30分→尾根肩 40分→二次林
          20分→稜線道 20分→山頂 40分→尾根肩 50分→林道終点 15分(車)→大井野
          駐車場 林道終点広場 登山道 稜線道以外は荒れている 
          歩行時間 約 4 時間 難易度 123C5
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