四国山岳紀行 No047-940519 二ッ岳(ふたつだけ) 1647m △3(二ッ岳)
                      愛媛県四国中央市/新居浜市 地図 弟地(北西)  山岳紀行トップヘ


                       険しそうな岩峰で聳える二ッ岳

四国中央部の瀬戸内側に 1700mの標高を連ねる赤石山系、その東端に険しい岩峰を積み重ねた峨蔵山塊がある。四国の山の中でも険しさの上位にランクされる、二ッ岳(1647m) が聳える。二ッ岳は愛媛県新居浜市別子山と四国中央市土居町の境にあり、瀬戸内側から見るとピラミッド型をした際立った山容で聳えている。今回は北側の中の川登山口から登ることにした。


                         林道途中にある登山口

登山口は土居町の国道11号線から高速道の下を潜り、浦山川沿いに中の川林道を 5キロほど行くと、登山口の標識がある。登山道は薄暗い人工林の中をじぐざぐ登って行く。この時期、林床にはガクウツギが白い花を咲かせて林内を明るくしている。人工林の中を1 時間あまり登りつめると、前方に二ッ岳の岩峰が目に飛び込んでくる。その中でも鯛の頭と呼ばれる岩峰が印象的である。


          岩峰が連なる二ッ岳                          オオガクウツギ

谷の向こうには鉱山跡のガレ場が昔の名残を残している。ザーという音が聞こえてくると高さ50m の岩壁から「敬天の滝」が白い瀑布となって谷へ落ちている。この辺りから登山道は緩い登りが暫らく続く。抜けるような青空の下にカエデやミズナラの新緑が風に揺れ清々しい。暫らく行くと水量の豊富な沢を横切る。ここから上は水場が無いので水を補給して行こう。


         長い瀑を落とす敬天の滝                           ヤマフスマ

沢の側にはヤマフスマやコンロンソウが白い花の絨毯を醸し出していて目を楽しませてくれる。すっかり壊れてしまっている営林小屋の峨蔵小屋を過ぎて、人工林の中の急なじぐざぐの登りの後、原生林を抜けると市境の峨蔵越えに着く。別子山芋野地区からの登山道と合流する。ここからいよいよ岩場の多い二ッ岳への登りとなる。前方には木の葉隠れに二ッ岳の頂上が見えている。


           峨蔵越えに向かう                          峨蔵越えの標識

この時期、岩場のあちこちにはシャクナゲやミツバツツジが咲き競う。峨蔵越えから30分ほどで第二峰目の岩場に着く。ここからは眼前に二ッ岳の頂上が迫る。南から東に目を転ずれば県境の山並、東にはハネヅル山を隔てて赤星山が聳えている。岩場を幾つか越えて行くと一段と大きな岩峰が迫る。鯛の頭と名付けられたこの岩場は、北斜面に目も眩むような断崖となって聳えている。


          鯛の頭と呼ばれる岩峰                          シャクナゲ

ここからの眺望は広がる燧灘と島々、土居町関川地区が眼下に見えている。南には県境の脊梁の山々が手に取るように見える。東の奥には剣山系が霞む。手前に富郷の谷間、白骨林の向こうに赤星山が絵のように美しい。少し休憩して再び山頂を目指す。二ッ岳の山頂が頭上に迫って来る。


            頂上近くの奇岩                           アケボノツツジ

九合目辺りまで来ると、やっと木々の新芽が伸び始めたばかりで、あちこちにはアケボノツツジが美しく咲き競う。樹林帯の中の急坂を登り尾根に取り付く。尾根に出ると奇岩の突き出た側を通って、峨蔵越えから1時間30分ほどで二ッ岳山頂に着く。狭い山頂には三等三角点と山名標識が立つ。


                        二ッ岳山頂と西側の山並

西側に視界が開け、県境の山並、尾根続きのエビラ、黒岳、権現山への山並が続く。その向こうに東赤石山が頭を覗かしている。それにしても別子側に落ち込んだ深い谷に圧倒される。ここから西に続く権現越えまでのルートは、岩稜とブッシュの上級者向きのコースである。帰りにもう一度岩峰の上に立ち、眼前に広がる眺望を楽しむ。


                   鯛の頭付近より東に赤星山とハネヅル山

四国は山国だと誰かが言ったが、果てしなく続く山並を見てなるほどと思った。二ッ岳は四国の山の中でも上位にランクされるきつい山ではあるが、変化に富んだ岩場に咲くシャクナゲやアケボノツツジ、ミツバツツジなど、苦労して登った価値を二ッ岳は充分に見せてくれた。振り返ると二ッ岳の山頂は夕日を受けて燦然と輝いていた。

《コースタイム》 土居インター 10分(車)→林道入口 20分(車)→登山口 1時間→敬天の滝展望所
          10分→沢水場 1時間→峨蔵越え 20分→第二峰岩場 20分→第四峰岩場 10分→
          鯛の頭(第五峰) 40分→頂上 1時間→峨蔵越え 1時間30分→登山口
          駐車場 登山口に2〜3台 登山道 よく踏まれている 
          歩行時間 約 5 時間 難易度 123C5
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