四国山岳紀行 No031-930505 野鹿池山(のかのいけやま) 1294m △3(糖地)  
                            高知県三好市/大豊町 地図 野鹿池山(南東)  山岳紀行トップヘ


           三傍示山から見た野鹿池山                        桟道を湿地帯へ向かう

野鹿池山は高知県大豊町と徳島県三好市山城町の境にあって、頂上からやや下がった所に湿地帯の野鹿池とそこに茂るシャクナゲで知られる山である。徳島県山城町大歩危から西へ藤川沿いに遡ること約10キロ、美馬峠の標高730mのトンネルを潜り、大豊町側に出て林道を更に6キロあまり南東に進むと、この山の登山口に着く。登山口には案内板があって判りよい。側に新しく造林小屋が建っている。そこから木の鳥居を潜って人工林の中の坂道を登って行くが、湿地帯の側まで車で行けるように道路工事がされていた。


                 ミヤマカタバミ                       ハルトラノオ

登りは少々きついが林床や道端に咲く、淡い紫のタチツボスミレや白い可憐なミヤマカタバミなどが目を癒してくれる。登り始めて20分程で笹原の向こうに、樹木の茂る野鹿池が見えて来る。廊下のような桟道を行くと両側にシャクナゲがこんもりと茂る。今年はどういうわけかシャクナゲの花が全く付いていない。その昔ここは底なしの泥濘池で周囲は大木が欝蒼と茂っていた。それが周囲の老樹大木が伐採され、山の保水力が徐々に弱まって来たのではないかという。


              湿地帯の古木の残骸                   ミズゴケに覆われた湿地帯

湿地には樹木の種類も多く、カエデ類やノリウツギ、シロモジ、目立つのはホンシャクナゲの群生である。湿地の中ほどに小さな祠が祀られている。雨乞いの神様だろうか今も信仰厚いらしく、新しい小屋がけの中に新しい社が祀られ神酒が供えられていた。湿地には朽ちた老樹の大木にツタウルシやシャクナゲが絡み、湿地は一面色鮮やかなオオミズゴケに覆われ、所々に沼の面影を残している。かすかに水を湛えた窪みが点在して、庭園のような趣を醸し出している。踏み跡を歩くと靴跡に水がにじみでる。


               頂上直下の登り                     稜線にはブナが育っている

野鹿池は徳島県の自然環境保全地域に指定されている10ヘクタール余りの湿地帯である。湿地特有のひんやりした空気が漂う。湿地の入口から新しく切り開かれた登山道が頂上に向かって延びている。ここから標高差にして100mほど笹原の中を登りつめ、稜線に出て東にブナ林の中を100mほど行くと、三角点のある野鹿池山東峰1294m のピークに着く。稜線を登りつめた所から反対側の西へ、薮の中を200mほど行くと、最高点の西峰1303m のピークに達する。頂上はブナやカエデが多く南側の視界が遮られている。


             頂上の標識と三角点                         山頂から塩塚峰ををのぞむ

僅かに開けた木の間越しに梶ヶ森が見えている。北側には塩塚峰や手前に剣ノ山から三傍示山、笹ヶ峰、橡尾山、カガマシ山にかけての脊梁の山並、その向こうに法皇山脈の翠波峰や豊受山が頭を覗かせている。山頂付近は新芽が開いたばかりのウチワカエデなどが瑞々しい。そしてダンコウバイの黄色い花が周囲を明るく染めている。湿地帯のある野鹿池山、山の開発とともにその姿が失われつつある。山はやはり自然のままに残してほしいと思いながら、野鹿池山を下って行った。

《コースタイム》登山口 20分→野鹿池 15分→東峰頂上 20分→登山口 登山道 整備されている
歩行時間 約55分 難易度 1A345

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