紀行山岳日記 No029-920815 仙丈ヶ岳 3033m △2(前岳)
                長野県伊那市/山梨県南アルプス市 地図 仙丈ヶ岳(北西)  山岳紀行トツプヘ



          小仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳                       双児山からの仙丈ヶ岳

8月15日午前3時起床。外はまだ暗いが月明かりがほのかにテント場を照らしている。昨日の甲斐駒ヶ岳の登山で疲れたのかぐっすりと安眠できた。朝食を済ませて5時、仙丈ヶ岳3033mへ登山開始である。今日の天気も良いようである。テント場の奥から付けられた踏み跡を辿って行くと、北沢峠からの登山道に合流する。シラビソの林の中を黙々と1時間30分ほど登ると、四合目と五合目の間にある大滝ノ頭に着く。ここは一昨日雨にたたられて引き返した場所である。薮沢小屋方面への分岐路が西へ伸びている。帰りはこの道を戻って来ることになる。さらに30分ほど登ると眺望が開けて這松の茂る尾根筋の森林限界に出た。


            大滝ノ頭分岐                              雲海の甲府盆地

眺望が一気に開けて東側には下のほうに雲海に覆われた甲府盆地が、甲斐駒ヶ岳と栗沢山の間に見えている。尾根筋からは這松の中の小仙丈ヶ岳への長いアプローチが続く。眺望が益々開けて北岳の左肩に富士山が頭を覗かせている。さらに左に目を転ずると薬師岳、観音岳、地蔵岳の鳳凰三山の山並、手前にはアサヨ峰と栗沢山の山塊。その左には昨日登って来た摩利支天を従えた甲斐駒ヶ岳が、左肩に鋸岳の荒々しい岩峰を連ねて聳えている。その向こうに浮かぶは八ヶ岳連峰か。北西に遠く北アルプス連山が浮かんでいる。


                        ゴゼンタチバナとキンパイソウ

登山道脇にはゴゼンタチバナ、グンナイフウロ、クルマユリ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンフウロ、ムカゴトラノオ、イワツメクサ、タカネツメクサ、ウスユキソウ、チシマギキョウなど多くの高山植物が咲いていて目を楽しませてくれる。3時間かかって小仙丈ヶ岳2855mに着く。眼前にはこれから向かう仙丈ヶ岳が大きな山容で手招きしている。眺望は際立ってよく、山岳展望を楽しみながら仙丈ヶ岳に歩を進める。日本一の富士山、二番目の北岳、間ノ岳から続く南アルプスの峰々が手に取るように見えている。


            東に富士山を望む                         小仙丈ヶ岳から西望

眼前には大カールを落とした仙丈ヶ岳が近ずいて来る。小仙丈ヶ岳の下りで少し岩場を通過する所があるが長くは続かない。コルに出て登り返して行くと仙丈ヶ岳は眼前に近ずいて来る。氷河が造った東側の大カールが素晴らしい。西の眼下には伊那盆地が広がり、その向こうには中央アルプスの連山が横たわる。雪渓を眼下に見ながら最後のピークを捲くと、仙丈ヶ岳の頂上はもう目の前である。9時50分、4時間かかってやっと仙丈ヶ岳3033mの頂上に立つ。


                      小仙丈ヶ岳からの鋸岳と甲斐駒ヶ岳

ここからの眺望は360度開けて、北に甲斐駒ヶ岳、それに続く鋸岳の荒々しい山容。そして東に目をやると北岳の雄峰、長い尾根続きの間ノ岳と農鳥岳の白根三山。鳳凰三山の山塊。その谷筋には所々雪渓が残っている。南には塩見岳、荒川岳、悪沢岳、赤石岳など大きな峰々が聳えている。北アルプスから中央アルプス、南アルプスと点呼できる素晴らしい大パノラマが広がる。去りがたい山頂だが時間が来たので下山に移る。山頂で昼食を済ませてまだ雪渓の残る薮沢ルートを下って行く。


                        仙丈ヶ岳への登りと頂上標識

仙丈小屋の上には雪渓があって冷たい水が流れている。このコース沿いにもお花畑か多くあって、イワカガミ、イチリンハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、クロユリ、ウサギギク、ツマトリソウ、タカネグンナイフウロ、キンパイソウ、クルマユリ、モミジカラマツなど多数の高山植物が群落を作って目を楽しませてくれる。馬ノ背小屋下からは真直ぐ下ると、馬の背谷をへて大平小屋方面に下るようだが、私達は右にコースをとって薮沢小屋ルートを進んで行く。途中古びた無人の薮沢小屋を過ぎると大きな雪渓の残る沢を横切る。


                         クロユリとニョホウチドリ 

雪解けの冷たい水場で一休みして暫らく水平道を行くと、今朝登って来た大滝ノ頭の合流点に出た。ここからは東に木立の間から北岳の三角錐の頂上が見えている。あとは今朝登って来たコースをテント場まで下って行く。幕営地に着いた私達はテントを撤収して、北沢峠から2時40分発の臨時バスで、駐車場のある戸台口仙竜荘前までの車中の人となる。往きのときはガスで見えなかったが、車窓から見える鋸岳は素晴らしい岩峰を見せてくれた。雄大な山容の南アルプスの山々よ、また来る日までごきげんよう。


          山頂から伊那盆地を望む                       薮沢ルートを下山する

《コースタイム》 幕営地 1時間50分→大滝ノ頭 1時間10分→小仙丈ヶ岳 60分→仙丈ヶ岳 20分→
          仙丈小屋 40分→馬の背分岐 15分→薮沢小屋 15分→大滝ノ頭 1時間30分→
          幕営地  歩行時間 約7時間 難易度 12B45

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