四国山岳紀行 No019-910724 三嶺(みうね) 1894m △2(三嶺)
                      徳島県三好市/高知県香美市  地図 京上(南東)  山岳紀行トップヘ


                      西側からの三嶺と登山口のマップ

三嶺(1894m) は徳島県三好市東祖谷山と高知県香美市物部の境に聳える、四国では最も自然の残された山である。それだけに山は険しく過去に幾人かの尊い命が奪われている。登山コースは両村から幾つかあるが、今回は徳島県側の名頃林道から登ることにした。林道終点から登山道に取り付く。登山口には樹齢 数百年と思われるトチの大木が天高く枝を広げている。


                       林道終点登山口とトチの大木

ブナやトチ、カエデ、モミなどの原生林の中を整備された登山道は1517m のコルまで続く。コルからは道は暫らく平坦になり、モミやダケカンバの中を行くが、林床にはマイヅルソウやヤマアジサイなどが多い。モミの群生するダケモミの丘を過ぎると道は勾配がきつくなり、森林限界を過ぎると水場の道標がある。50m ほど笹原と権木の間を下って行くと清水の落ちる水場に着く。


                        ヒカゲチョウとクガイソウ

夏でも冷たい水は登山者の喉を潤し鋭気を与えてくれる。水場の周辺にはこの季節、クガイソウやヤマハナウドなどがお花畑を作り目を楽しませてくれる。水場から戻って急勾配の笹原を登り詰めると、眼前にぽっかりと池が現れる。池の右上には避難小屋が建っている。頂上へは更に稜線を左に登って行く。


           山頂直下の登り                          水を湛えた三嶺の池

少し登るとここで遭難した若い命を悼むミモリアルが岩に祀られていた。ふだんは眺望の素晴らしい山ではあるが、一旦天候が狂うと山が高いだけあって、冬や春先の寒さは想像を絶するものがあり、若い命を奪ったのも急激な気温の変化に他ならない。昭和37-38年の豪雪はここ三嶺でも数名の凍死者を出したのは記憶に久しい。ふだんは美しく優しい三嶺であるが、何かのように一面魔性も秘めている。


         東に剣山系が聳えている                       1893m三嶺山頂

その後登山者の安全のため避難小屋が建てられた。遭難者の冥福を祈っているとそれに応えるかのように、側でウグイスがいつまでも鳴いていた。道筋にはまだ白い花を付けたコメツツジがミヤマクマザサに混じって群生している。そんな中を周囲の大展望を垣間見ながら登って行くと、開けた頂上に着く。頂上に立つと遮るものがなく360度の大パノラマが展開する。



           天狗塚へ続く稜線                        北に落合峠が見えている

西に続く西熊山の向こうに三角錐の天狗塚が印象的である。続く牛の背の奥に国見山と中津山、遥か遠くに石鎚山系が浮かぶ。目を転ずれば祖谷谷を隔てて矢筈山を盟主とする祖谷山系が大きく聳える。東には塔の丸から丸笹山が、そして四国の東の盟主、剣山と次郎笈が一段と高さを誇示している。しばらく頂上からの広大な眺望を楽しもう。


                      タカネオトギリソウとコメツツジの花

どこまでも続くミヤマクマザサとコメツツジの群生している中にイブキトラノオがそよ風に揺れている。またタカネオトギリソウやシコクフウロウなどの草花も多い。岩場で休んでいるとアカタテハが飛んで来て、赤い羽根を広げたり閉じたりしている。三嶺、よく見ると名前の通り三つの峰から出来ていた。三嶺という山の名前は登ってみて始めて理解できた。いつまでもこの美しい自然を保ってほしいと思いながら下山して行った。


                    広大なミヤマクマザサとコメツツジの群生

《コースタイム》 登山口→50分 ダケモミの丘→40分 水場の看板→30分 三嶺→25分 水場の看板→
          30分 ダケモミの丘→35分 登山口  歩行時間 約3時間30分 難易度 12B45
          駐車場 林道終点 5〜6台 登山道 整備されている  秋の三嶺へ
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