九州山岳紀行 No006-890604 久住山(くじゅうざん) 1786m 1(久住山) 
                   大分県竹田市 地図
 久住山(北東)   山岳紀行トップヘ


          北側から見た久住山                     牧ノ戸峠の夜明け

九重山系の盟主、久住山(1787m)は九州で最高峰であったが、その後の測量で最高峰は隣の中岳(1791m)に座を譲ってしまった。この山の登山コースはいろいろあるが、最短コースは、やまなみハイウエイの標高1330m の牧ノ戸峠からのコースが最も近い。標高差は460mで2時間程で登れるので、このコースが多く利用されている。山頂からの眺めは素晴らしく、久住高原や阿蘇方面が一望できる。


        牧ノ戸峠の登山口              東に遠く由布岳と鶴見岳

6月第一日曜日は山開きの日で、この日は登山道は行列ができるほどである。6月上旬、私達は牧ノ戸峠からその久住山を目指すことにした。朝6時出発、陽が昇り始める今日もよい天気だ。尾根筋はキリシマツツジが咲いて素晴らしい景色が広がる。眼下に飯田高原が広がり、その奥に由布岳や鶴見岳が見えている。牧ノ戸峠より沓掛山のピークを越えて行く。Sリーダを先頭とするハイキングクラブの面々である。


       牧ノ戸峠からの沓掛山           沓掛山に咲くベニドウダンツツジ

沓掛山にはベニドウダンツツジ、シロドウダンツツジなども見られ、スズランのような花を枝一杯にぶら下げて目を楽しませてくれる。早朝というのに尾根筋はハイカー達で賑わっている。沓掛山を過ぎると視界が開けた緩やかな尾根道が続く。道脇にはイワカガミの可憐な花も咲いている。西の眼下には阿蘇盆地の中に根子岳が素晴らしい山容を見せている。広々とした西千里ヶ浜を進んで行くと、前方に久住山が姿を現す。その右肩には遥か遠くに祖母連山が見えている。


      登山道脇に咲くコイワカガミ           西千里が浜から見た久住山

西千里ヶ浜を過ぎると星生山直下の岩場の登りとなる。頭の上から覆い被さるような星生山の岩峰が凄い。そこを過ぎると久住分れへの下りとなる。眼前には久住山が迫って来る。久住分れからは西に阿蘇山、東に三股山と平治岳の間に、由布岳と鶴見岳が遠く、ひと際高く聳えているのが見える。スガモリ越えを挟んで西には噴煙を上げる硫黄山、その西側の尾根続きに星生山が荒い山容を見せている。


       荒々しい星生山の岩峰             阿蘇盆地に聳える根子岳

久住分れからは南に回り込むようにして稜線伝いに山頂を目指す。ガレ場から岩場に変わると頂上に着く。頂上の岩の側には一等三角点があり、眺望は
360度開ける。西側には眼下に阿蘇盆地が広がり、その中央に寝観音姿の阿蘇五岳が横たわる。広大なカルデラ盆地の南奥には祖母、傾山塊が波打つ。周囲には九重の主立った山々のピークが点呼の位置にある。私達は山頂で記念撮影をして早い昼食をとる。その間にも一組二組と子供を交えた家族連れなどが登って来た。


       久住分れから見た三俣山              久住山頂で記念撮影

空は雲ひとつ無く最高の天候でぽかぽか陽気、そんな中にのんびりしているとジョークも出てくる。「こっちは阿蘇で無いウソだ」と出れば「あ、そう」とやり返す。「ここの山小屋のお爺さん何歳」「九十三だよ」広大な眺望を楽しんで私たちは最高峰の中岳に向かう。空池の北側を巻いて御池の渕を通り最高峰の中岳に向かう。空池は深さ約
70m あり、この火口跡には水が全然溜まっていないのに、薄い火口壁一つ隔てた上の御池には満々と水を湛えているのは不思議である。


      中岳頂上より坊がつるを望む           満々と水を湛えた御池

岩場を少し登り返して行くと中岳の頂上に着く。頂上は狭いが九州の最高峰に立ったという満足感に浸る。東側には深く落ち込んだ坊がづる盆地の向こうに、キリシマツツジのピンクに染まった平治岳がひと際目に付く。そして南側には大船山が聳えている。遥か北の方には九州では珍しい台形をした万年山が見えている。素晴らしい眺望の中岳を後にして、私達は後ろ髪を惹かれる思いで、白口谷を経て坊がづる盆地へと下って行く。


      白口谷のガレ場を下る             法華院山荘前で記念写真

白口谷の途中には大規模な落石で、登山道が崩壊している所も無事通過、牧ノ戸峠から4時間
30分、坊がづるに到着する。キャンプ地には色とりどりのテント村ができてキャンパー達で賑わっている。冷たい水で喉を潤し法華院山荘の前で記念写真を撮ったりしながら暫らく休憩した。そして私達は北千里ヶ浜から久住分れに戻るコースをとる。


       荒涼とした北千里が浜              荒々しい硫黄山の岩塊

きつい登りのあと北千里ヶ浜の賽の河原に出ると、涼風が熱った体に心地よく頬を撫でる。前方には荒涼たる硫黄山が幾筋もの噴気を上げているのが印象的だ。以前ここを訪れたときは一筋の流れが賽の河原にあったが、今は砂礫で埋って跡形も無くなっていた。右手には三股山が大きく迫り、登って行く人々が蟻のように小さく見えている。ここから右にコースを取ると、スガモリ越えを経て長者ヶ原に下って行けるが、私達は左にコースを取り久住分れに向かう。


       噴気を上げる硫黄山              がれきの下りは手ごわい

荒々しい硫黄山の岩礫が頭上に迫る。この辺り北千里ヶ浜は天気さえ良ければ、老人や子供でも何の不安も無く歩ける所ではあるが、一度天気が狂うと山が高いだけにその厳しさは酷く、昭和
37年吹雪のために視界が利かなくなり、この辺り多くの遭難者が出たのも記憶に久しい。その後コースに沿ってケルンが設けられた。


       西千里が浜への下り           沓掛山を越えると牧ノ戸峠は近い

ガレ場を喘ぎながら登り詰めると久住分れに出る。あとは往路を牧ノ戸峠に下って行く。最後の登りの沓掛山を過ぎると牧ノ戸峠は近い。全行程
10時間心地よい疲れが全身に広がっていた。

《コースタイム》牧ノ戸峠登山口 30分→沓掛山山頂 30分→扇が鼻分れ 35分→久住分かれ
            35分→久住山山頂 25分→御池 20分→中岳 1時間10分→法華院山荘
            1時間→賽の河原 50分→久住分かれ 1時間30分→沓掛山 20分→
         牧ノ戸峠登山口 歩行時間 約7時間 難易度12B45

            駐車場 牧ノ戸峠登山口 登山道 整備されている
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